俺、視線を感じる
今日も今日とて、俺、きさr......
そろそろ俺の名前覚えてくれたよね?
......
うん。
俺の名前は如月ハルト。
今日も今日とて話す相手もいないし、学校が楽しくない!
ユイが同じクラスだったらよかったのになぁ
でも、今日の俺は一味ちがうぜ?
なぜなら明日が土曜日だから。
この金曜日のワクワク感。
共感してくれる人もいると思います。
朝のホームルームが始まる。
俺はいつも授業以外は聞いていないのでいつも通りに聞き流す。
「昨日の夕方ごろ、不良4人が病院送りにされたという事件が起きた。
この不良グループは結構悪質な奴らだったため、
こいつらを病院送りにできる奴らが
近くにいるかもしれない、ということだ。
みな、気をつけるように。以上。」
3時間目が終了し、4時間目が始まるまで10分休憩
金曜日なので、朝はウキウキしていたが、ハルトはいつも以上の居心地の悪さを感じていた。
ハルトは頭を抱えて軽く震えている。
その様子を見て、
「なにあれ?挙動不審じゃね?ww」
「こわっww」
「おい、あんまり言うなって」
「えぇ〜、峯岸くんやさしぃ〜」
薊と三森が悪口を言い、峯岸が抑えようとし、
横井山がダルい喋り方で峯岸を褒める。
といういつものやりとりも耳に入らない。
ハルトが震えている理由は視線である。
いつも、薊などから侮蔑や軽蔑の意味が強い視線を浴びているが、それとは違う視線を背中で感じていた。
ハルトはその視線を敏感に感じ取っていた。
な、なんだ?
早く帰りてぇ!
し、しかもっっっ...2人いるぞっっっ
1人は、ユイの友達の藤田さん。
2人目は、相川くんだな。
なんで見られてるんだ?
きっつっ...
もはや達人の領域
ハルトは友達はいないが、
クラス全員の名前と顔、席の位置は覚えている。
理由は、もしかしたら、友好的に話しかけてくる人がいる可能性もある...と、信じているから。
相川視点
ぼ、僕はあ、相川 和樹っていう者なんだな。
趣味は、アニメ、ゲームなんだな。
ついでに、お、おにぎりも大好き、なんだな。
僕は、ぽっちゃり体型で身長も高くない。
冴えない男子、なんだな。
い、今、カースト上位勢は、如月くんに、陰口を言うことを生きがいにしているみたいだから、
大丈夫だけど、いつ自分にその矛先が向くかわからない状況、なんだな。
実際、昨日のカラオケは声をかけてもらえなかった、んだな。
しかも、カツアゲにあってしまったんだな。
「不良グループって丸々高校の奴らだろ?
俺でも制圧できるわ! なぁ?」
「余裕だろ? オラついてイキってるだけで、大したことねーよ」
「前髪陰キャはやばいかもな。カツアゲされたら。土下座とかしてそう。」
「「あっはっはっ」」
「やめろお前ら。」
薊と三森が盛大にイキって、ついでに如月くんの悪口まで言って、それを峯岸がなだめるという、いつものやりとりをしている。
進学校でも、イキってるやつはいるらしい
悪口を言われている如月くんは、自分の席で本を読んでいる。
でも、僕は知っているよ。
昨日、僕を助けてくれたのは如月くんだってことを。
何か格闘技とかやっていたのかな?
でも、主人公なら一撃で終わらせる場面だったように思う。
一撃で終わらせずに何発か入れていたから余計痛かったんじゃないのか?
特に最後に一対一で如月くんと
向き合わなければならなかった不良。
彼は「そうだそうだ」しか言ってなかったのに、一番ボコボコにされていた様に思う。
打たれ強さが仇となってしまったのか?
如月くんのあの体型、あの細さだとパワーが足りないのかもしれない。
ガン見された時は困惑したけど、その前髪の長さで見えているのかわからないけど、それでも僕は助けられた、んだな。
僕は君にお礼をまだ言ってないんだな。
そして僕は君と友達になりたい。
薊や三森のようなイキっているだけの、雰囲気だけ出しているだけのイケメンとは違い、
本物を持っている君と友達になりたい。
そうすれば、気弱な自分の性格も変えられると思うんだ。
昼休みになった。
いくぞ!!、んだな
俺、今は会えない親友を想うの
岸野 美麗を姫氏島 美麗に変更しました。