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結ばれた日の『翌日』 #05

 





 おまけ - 皇帝親子





 「お父様!何故ダメなのですか!レイチェル様は泣いていらっしゃったのですよ!?」



 「そうだよ、僕達は見たんだ。レイチェルの泣き腫らした顔を。


 あれはお兄さまが何かをしたに決まってる」




 皇族食堂にて。

 子供たちはぶーぶーと文句をいいながら食事をしている。しかし、セオドアはつん、と素っ気なく言う。




 「2人とも、いい加減にしなさい。これはアドとレイチェルちゃんの問題だ。それに、2人がしようとしたことは犯罪だよ?自白剤なんて使って人の心に土足ではいろうとするなんてダメに決まっているだろう」



 「でも、そこまでしなきゃアドは話してくださいません!レイチェル様が可哀想です!」



 「そうだよ、悪いことをしたら謝るのは当然で、それをしないどころか逃げ出すお兄さまをなんで叱らないの?」



 「と、とにかく!レイチェルちゃんは大丈夫だから」



 「何を根拠に言っておられるのですか!」



 「教えてよ、お父様」



 「う"………」



 本当のことを言えないセオドアは怯む。言った方が早いのはわかるけど、それは乙女男子としても父親としてもやりたくないのだ。未だに詰め寄る子供達に、涙目になるセオドア。



 それを見逃さないのが____長年共に添い遂げてきた妻である。



 「____お二人共」



 「!」


 「!」




 ぴん、と子供たちの背筋が伸びる。ギギギ、とブリキ人形よろしく顔を向けると____ニコニコとした母親が。




 「………お父様の言葉を信用出来ないのですか?お二人共?」



 「…………シンヨウシマス」



 「…………シンヨウシマス」



 「よろしい。さあ、ご飯を食べましょう」




 「ハイ」



 「ハイ」




 ……………アミィールの有無を言わせないキラースマイルは今も健在です。




 * * *




 おまけ - アドラオテル & レイチェル





 「はぁ~…………レイチェル、俺は疲れたよ………」



 「お、お疲れ様です、アドラオテル様」




 夕食を終えた2人は、ソファで寛いでいた。いつもの如くアドラオテルはレイチェルの膝に頭を置いて、レイチェルの胸と顔を堪能している。レイチェルはアドラオテルに言われたとおりなでなでと頭を撫でていた。




 「今日さ~、セラとフィアが"レイチェルを泣かせた!謝れ!"って言いに来たんだよ。最終的には父ちゃんに怒られてたけど、自白剤まで用意してさ~」



 「そ、それは………私のせいです。私の目が腫れているばっかりに………申し訳ございません」



 「レイチェルは悪くないし!」




 「きゃっ」




 アドラオテルはがば、と起き上がってレイチェルの胸に顔を埋める。大きくて柔らかい胸に、アドラオテルは破顔する。

 


 「………謝らなくていい。その代わり、しばらくこうさせて。


 レイチェル補給」



 「う、そ、それは構いませんが…………」




 ____し、心臓が持たない………!

 言葉にならない悲鳴をあげるレイチェルに、アドラオテルはにや、と笑った。




 「…………キスしたら、もっと元気になれるんだけどな?」



 「きっ……そ、それはまだ!まだ早いです!わ、私はその、……えっと……ご飯、食べたばかりで………」



 「同じものを食べたから気になんないだろ?」



 「と!とにかく!まだ早いです!」




 「んぶっ」




 レイチェルはアドラオテルの顔を強く抱き締める。ふわふわの胸から、レイチェルの鼓動が聞こえて、「俺、ナイス」と思ってやっぱり堪能していたアドラオテルでした。






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