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新しい『2人だけの秘密』






 そんないい雰囲気の中、私はす、と自分の右手を顔近くまで持っていき____頬を叩いた。




『レイチェル!?なんで!?なんで自分をビンタしているんだ!?』




 「えと、ゆ、夢かと思って……………」



『夢じゃないよ、ちゃんと現実だ。………今日から俺たちはちゃんとした婚約者………いいや、夫婦だろ!』



 「……………」




『………ち、違うのか!?』





 スン、と冷静になる私に、アドラオテル様は突っ込む。いや、嬉しい。嬉しいよ。普通の恋人なら、というか婚約者ならその流れだ。私だってわかってる。…………でも。



 「わ、私は………本当に大丈夫かな、と………」



『化け物のこと?俺は本当に気にしないぞ。俺も龍だし』



 「で、でも!アドラオテル様は皇子様で私は平民です!それに、花嫁修行だって途中ですし!」



『うぅん、そういうもん?それも俺は気にしないけど…………わかった。レイチェルがそう言うなら、俺は待つことにするよ』



 「4年………いや、5年も修行と精進あればなんとか淑女に………」



『長いな!?修行って何やるんだ………?というか、そうなったら俺達はどんな関係?』



 「えっと、婚約者で………」



『………仕方ないな。でも4年は長すぎ。せめて1年にしてくれよな』



 「わっ」




 アドラオテル様は大きく溜息をついてまた光り出した。大きな龍は小さくなって___裸のアドラオテル様が立っていた………って!



 私は慌てて後ろを向く。そして大きな声を出した。



 「アドラオテル様!?お召し物は!?」



 「龍になると裸になっちゃうんだよ。ちゃんと服は脱いだから破けてないぞ。……こっち向いてもいいぞ?レイチェル」



 「なりません!私達は婚約者です!」



 「お堅いなあ………それより、背中破れてる」



 「わ、私も羽根を出すと服が破けちゃうのです………」


 「そっか。………凄く色っぽい」


 「う"………み、見ないでください……」



 アドラオテル様の悪戯っぽい声に顔が熱くなる。ガサゴソと後ろから聞こえなくなってから振り返ると、アドラオテル様はちゃんと服を着ていた。




 「それより、帰ろう。さすがに怒られそーだし。………あ、言っとくけど城に強制連行だからな?帰らないとか言わせないぞ」



 「か、帰ります!ちゃんと!」



 「ほんとかよ。1ヶ月も帰ってこなかったじゃん。どれだけ俺が待ち続けたと思ってるんだ」



 「えっと、……1ヶ月?」



 「……生意気。ちゅーするぞ」



 「ゴメンナサイ」



 「即答かよ。……まあいいや、今日からよろしくな、レイチェル」



 「はいっ!よろしくお願いします!」



 そう返事すると、アドラオテル様は「ん」と言って手を差し伸べてくださった。私はすぐに理解して、熱くなる頬を抑えながらその手を取った。




 ___こうして、2人だけの秘密に"思いが通じあった婚約者"という項目が追加された。




 * * *






 おまけ - カオス




 「サシャ、城に帰りたいんだけど」



 「わ、私も……一緒、に」



 「…………」



 「…………」



 「…………」



 アドラオテルとレイチェルが手を繋いで顔を赤らめながらそう言っている。それを見た一花、龍己、サシャは察する。




 ____やっと結ばれたわね。


 ____やっと結ばれたのね。



 ____俺は認めねえ。




 「俺はみとめ__「たっちゃん黙って」ん"ん"ん"ん"!」




 龍己は一花に手で口を塞がれる。サシャはグッドサインを出して「帰りましょうね~」なんて言ったのだった。










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