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ラピュタ体育祭 #05

 






 「ツムギちゃんすごいわっ!あのユーリに勝っちゃうなんて!」

 「た、たまたまだよ」

 「ううん、すごかったよ、あの技なーに?」

 「………ツムギは凄い」

 「全部当たらないものな」



 クラスに戻ると、仲良し組がわちゃわちゃしていた。ツムギも笑顔だ。そんな中、やっぱりアメリアがにやりと笑った。


 「じゃあ………罰ゲームの時間よ」

 「「「……………」」」

 「負けたら好きな人を言うって、忘れたわけじゃないわよねぇ?ということで、順番に言ってきましょう。

 まずは不戦敗のハリソンくん!」

 「………主が好きだ」

 「そうじゃなくて、女の子「主が好きだ」……」

 「へへっ、俺もハリソンくん好きー!」


 ユーリにそう言われてハリソンは満足気だ。アメリアは埒が明かないと思い、次のターゲットを絞る。次は……。

 「マ、レ、ア、ス、くん♪」

 「………好きな女性は、母上だ」

 「いやだからそうじゃなくて」

 「母上以外同じ顔にしか見れない」

 「マザコンかっ!……はあ、まあいいわ。次、ユーリよ」


 アメリアは大本命のユーリに話を振る。ユーリはちらり、とツムギを見てから、やっぱり笑顔で言った。


 「俺はみんなすきっ!」

 「嘘おっしゃい。好きな人「みんなすきっ!」だから「みんなすきっ!」………」


 アメリアはユーリと言う人間をよく知っている。従兄弟だし、付き合いが1番長い。それ故にユーリがツムギに興味以上の気持ちを持っているのを本人よりもわかっている。が、同時にぽんこつで頑固なのも知っている。………これは、失敗ね。


 1人そう思ったアメリアは隠れ本命のシオンを見た。



 「シオンくん?貴方はまともなことを言うわよね?」

 「えっ、で、でも、………」

 「いいから言いなさい」

 「じゃ、じゃあ、隣のクラスのユミちゃぐふぅっ!!!!」

 「アメリちゃん!?」


 アメリアは渾身の肘打ちをシオンの鳩尾にいれた。そして超不機嫌顔で全員を見下ろした。


 「………ツムギちゃん以外クソしかいないわ」

 「く、クソって………ていうか、アメリアちゃんの好きな人「あ"?」ひっ………」



 縮こまるシオンを他所に、密かに美男美女グループの話を聞いていたクラスの面々はそれぞれ落ち込んだとさ。



 * * *



 おまけ - 目隠し家族




 「なー、なんでツムギはあの技使っちゃったの?」

 「………」


 学校帰り、お母さんのいる病院に向かいながらお父さんが聞いてきた。私は答えなかった。……ううん、答えたくなかった。



 ___負けられない、と思った。

 ユーリくんと戦わないといけないのは苦しかったけど、それでも。


 私は、ユーリくんに憧れている。

 私に救いの手を差し伸べてくれた王子様みたいなユーリくん。みんなの人気者で、明るくて、……優しくて。


 でも。



 まだこの都合のいい感情に名前をつけたくなかったんだ。



 「………ヒミツ」

 「ヒミツでほいほい使わないでよ?」

 「はーい」


 私はとりあえず返事をしたのだった。



 ◇



 おまけ - 無名親子



 「なー、ユーリー」

 「なーにー?」


 レイチェルがご飯を、ルークがタツキと特訓をして席を外している時、アドラオテルはユーリに話しかけた。ユーリはちくちくとハンドメイドをしながら返事をする。


 「………なんでツムギちゃんを蹴らなかったの?」

 「………ツムギちゃんは女の子だもん」

 「じゃあ、予選の子とアメリアは女の子じゃないの?」

 「それは……………えっと………なんで………」



 ユーリはもごもごといい淀みながらそわそわし始めた。楽しくなったアドラオテルはケラケラと笑う。



 「なーんーでー」

 「っ、……父さん、うるさい!」

 「ぶっ」


 笑うアドラオテルの顔面に、近くにあったクッションを投げたユーリだった。






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