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26 悪魔顕現

主にミーコ視点でお送りします。

今章最終話なので25%増量です。

~ブルーシャーク ミーコ視点~



生命維持凍結装置(L S C E)

 急ぐにゃ!

 「イエロー」以下は後回しにゃ!」


 敵ミサイルの攻撃を受けて、艦内は修羅場と化している。

 艦内火災の消火作業に、被弾部のダメージコントロールにクルー達が奔走する。

 ミーコもマルコシアス隊の衛生官統括として、艦の衛生官達に指示を出し、次々とメインハンガーに運び込まれる負傷者の処置にあたる。

 しかし、あまりにも多くの負傷者に衛生官達はパンクしている。

 特に今回の場合、艦での治療を行えず、生命の危険にある通称「レッド」の患者の数が多い。

 兎に角、出血している場合は止血処置を行い、そうで無い場合はそのままLSCEに繋ぐ。

 既にハンガーに備え付けられたLSCEは全てが使用されているがまだ「レッド」の患者はいる。


「1号カーゴハンガーにキマイラ3機が帰還!

 パイロット一名が意識不明です!」


 ポッド班も無事では済まなかったようだ。


「誰か簡易LSEを持って向かうにゃ!

 処置はここで行うにゃ!」


 出来れば向こうでの処置が望ましいが、そんな余裕は無い。

 いくつか余っていた簡易LSEを衛生官の一人に持たせて1号カーゴハンガーに向かわせる。


「「レッド」一名、「ブラック」です!

 次の患者の処置に移ります!」


 また一名が戦死する。


「LSCE持って来ました!」


 ようやく追加が持ち込まれる。


「そっちの患者は処置済みにゃ!

 急いで繋ぐにゃ!」


 明らかに追加分より多い患者達を示す。

 処置しても助けられない者は確実に出てしまう。

 「イエロー」の患者も生き延びても、兵員としての復帰は出来ない者も多数出る。

 

「敵のでかいのが来ているぞ!」


 クルーの誰かが叫ぶ。

 ハッチとカタパルトが失われた船首から真紅の巨大な敵機が迫るのがはっきりと見える。

 自身に迫る危機以上に、あの機体を相手取っていたピコの安否が思われた。


「ピコちゃんっ!」


 ポッドから運び出される姿がフラッシュバックして、思わず連絡用の無線に叫ぶ。


(頼むから応えてにゃ…!)


 患者を処置する手が震える。


『させるかあぁぁっ!!』


 無線に愛しい人の声。


(良かった、ピコちゃん。)


 呼吸は乱れ、負傷しているようではあるが、生きている。

 ただそれだけで安心感が大きくなる。


「おいっ!

 まずいぞっ!」


 艦からの砲火をものともしない敵機が、その巨大な掻き爪を振り上げる。

 間も無くこの艦は真っ二つに割られる事だろう。


(ピコちゃん…。)


 ミーコは存在する神では無く、サバトラの愛しい雌ケットシーに祈る。


ブチィッ!


 振り上げられた敵機の掻き爪に繋がる太いケーブルが引き千切られる。


「何だあれは!?」


 クルーが困惑の声を出す。


「機械の獣…?」


 患者の処置を手伝っていたナナが呟く。

 ナナの呟いた通り、その機体は4つの太い逆関節の脚部に、後部には尻尾のように配線が流れ先端はリニアガン、長い牙のような突起のある頭部のような部分には、引き千切ったケーブルを咥えている。


「キャトラスの機体なのか?」


 別のクルーが言う。

 そんな機体は噂すら存在しない。

 しかし、機体各所の白と発光しているように見える薄い青色は、ある機体と金属を連想させる。

 しかもその機体には、いくつかのスラスターが連結された翼のようなパーツが背面に存在していた。

 その姿はまさに、


「“マルコシアス”にゃ…?」

 
















~大型戦略級ポッド バイス・ビスタ-視点~


「おっ…!

 何だ…!?」


 ドギヘルス軍に恐怖を振り撒いたキャトラスの駆逐艦を漸く得た理想の武力(ちから)により、スクラップに変えようとした所で邪魔される。

 機体の探知外からクロ-を容易く破壊した敵の機体を確認する。


「こりゃ、傑作だな!」


 その機体は探知外から来たのでは無い。

 飽きて処分した「刃持ち」だった。

 獣である事を否定しておきながら、本気を出したら獣の姿を取っている。


「本気でやろうと?」


 ならばこちらも本気を出さねば失礼というものだ。


ガシャガシャガシャガシャ


 機体の全攻撃システムを起動する。


「さあ、闘争だ。」


 黙り込む敵パイロットの返答を待たずに4本となったクロ-をけしかけた。












~ブルーシャーク ミーコ視点~


「危ないっ!」


 ハンナ中尉が無線に向かって忠告する。

 多数の砲台が展開され、4つの掻き爪がマルコシアスに襲いかかる。


フォンッ


 マルコシアスは四肢に力を込め、消えたかと錯覚する速さで宙を“駆ける”


ダダダダダッ

タタタッタタタッ

ピュンッピュンッピュンッ


 駆けるマルコシアスに敵機はあらゆる砲火を浴びせる。


タッ…クルンッ…タッ


 しかしマルコシアスは艦隊に匹敵する弾幕をものともせず、機械で無いような軽やかな機動で回避していく。


ヒュンッヒュンッヒュンッ


 捕らえようとする敵機の掻き爪の動きに焦りが滲む。


ドンッドンッ


 マルコシアスは尻尾のリニアガンで敵機の火砲のいくつかを破壊する。

 そして、


フッ…ドゴォッ!


 一瞬出来た弾幕の隙を通って、敵機に体当りを食らわせる。

 その威力は、巨大な敵機を少し後退させる程である。


ザザザザザザッ!


 マルコシアスは少し空いた間合いを瞬時に詰め、頭部の牙、四肢の爪を使って、敵機の火砲と装甲を削いでいく。


シュパァッ


「ミサイル!」


ドッ…


 撤退していた筈のドギヘルス軍が戻って来て加勢する。

 ミサイルは回避したマルコシアスだが、間合いが空いた。


ヒュヒュヒュヒュッ

ゴォッ


 掻き爪と敵戦闘機がマルコシアスを強襲する。


ドンッドンッ

クルッ

ブチィッ!


…ボボッ


 マルコシアスは戦闘機にリニアガンを撃ち込み、掻き爪を回避しながら引き千切る。


フワリ


「おい!

 ブレードがっ!」


 声の方に振り返ると、斬艦ブレードが独りでに浮き上がり、外へと飛び出して行った。

 

タタッ


 マルコシアスは再び敵機に駆けていく。


ガンッ!


 今度は掻き爪に阻まれてしまう。


ビュンッ


 しかしそこにブレードが飛来する。


ブチィッ!


 掻き爪を千切り、再び駆けるマルコシアスにブレードが追い付く。


ガブゥッ


 ブレードを咥えて更に駆ける速度を上げるマルコシアス。

 駆ける先は敵機の中心。


ヒュヒュッ


 掻き爪が敵機の中心を防御する。

 あそこが弱点なのだろう。


ジャキッ

ゴオォォォッ!


 マルコシアスはブレードを横から縦に持ち変え、翼のスラスターから蒼白い炎を噴射する。

 その姿は正に彗星だ。


ズドォッ!


 そして彗星は敵機の中心に大穴を穿った。

トラ○ザム、NT-○、EX○M、

連想されるのはこの辺りでしょうか?

倒し方は完全にスイカバー(貫通してますが)


書きたかった場面です。



いつも読んでいただきありがとうございます。


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よろしくお願いします。


感想、レビュー等もお待ちしています。

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