36.半島動乱Ⅰ
ご愛読ありがとうございます。
今回はがらりと舞台変わって、久しぶりに貴志と慶次郎の登場です。
無双の剛勇回です。
必殺ドラゴンブレス怒りの一撃!
是非、ご一読くださいませ。
王宮ではイルマータ領の状況に安堵していた。
無事にリューシャが入城して、土着の親戚筋を排除に成功。
財産なども回収に成功。
なによりハーコンの発見は大きい。
竹中半兵衛や島左近といった連中並みに、ハーコン・シグルの名は轟いていたのである。
家宰として、軍師として、極め付けに優秀な男なのである。
彼の存在があるならリューシャに公爵領を預けておいても万全。
如何に王都から官僚を連れて行ったと言っても、16才のリューシャが領内の全てを掌握して統治するのは中々に困難だろう。
しかし、ハーコンがいるのなら、万事任せておいて大丈夫。
対オロシアへの要となる北方領はこれで万全の備えができる。
それでいて、安定したイルマータ領の金山・銀山も王家の直轄領にするのだから笑いが止まらない。
何と言ってもリューシャ本人が王家の人間だと自覚しているから、そうしたことに不満はない。
正に盤石の北方支配体制を王家では確立出来たのである。
北方領の仕置きは申し分なし。
しかし、この世界は王家の意志だけでは出来ていない。
リューシャがひと安心出来た頃に、事件は日本海の向こう側から押し寄せて来たのである。
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対馬が襲撃されて、領主の宗義智以下の主立った者が死傷。
領主は辛うじて生き残ったが重臣達は相当数が討たれた。
また、島内はすっかり蹂躙されてしまい目につく財産は言うまでも無く、働けそうな人間は殺されるか、或は拉致されて行ってしまった。
応援を求める通報が王都に来た時には既に領主は重傷で、敵は去った後だった。
犯行は貢鮮王国の仕業であった。
18年程前のことになる。
当時の宰相である豊臣秀吉により華帝国討ち入りが打ち出されて、途上にある貢鮮王国にも通路として討ち入ったのである。
昔は貢鮮王国の突端部分は大環王国の分国であったことは古文書にも記載されている。
華帝国の干渉により、大環分国は撤退を余儀なくされたという。
耄碌した秀吉は、憎き華帝国を討ち取って後世に名の残さんとした。古文書に半島の突端部分とあるのなら、自分は華大陸を丸ごと支配してみせると妄想したのである。
戦争は大環側優位に進んだ。
むしろ、貢鮮側の兵士は逃げ出すばかりで、まともな戦闘になってはいなかったというのが正しいかもしれない。
貢鮮側の王は都を捨て逃亡してしまったから、大環側で敵の首都を制圧に成功。
そこに、華帝国が貢鮮へ応援に来襲。
それでも大環側は踏ん張って敵を撃破。
大環側で30cm級の大型魔石の大量投入が行われたことによる、大威力魔法が炸裂していたのである。
華帝国側にも魔法師はいる。術者の技能だけなら向こうの方が上かもしれなかった。
ただし、組織立って魔法師を運用するという点に関しては大環側に一日の長があったのである。
半島の制圧を目前に秀吉は病に倒れた。そして、そのまま永眠した。
これにより半島でも軍事作戦は中断されて、各大名達は撤退して来たのだ。
外征戦争をやってほぼ負けなしであったものの、それで得る物が有ったのかとなると余りにも見返りは少なかった。
先ず、貢鮮に金や銀の備蓄は殆どなかったから戦利品は乏しい。
奴隷に捕虜を捕まえて来たけれど、この連中とは言葉が違うから一々使い難い。
それもそもそもが怠け者だったし、しばしば嘘をつく。
労働力としての奴隷にするには、奴隷商泣かせの欠陥扱いの者だった。
それでは女の奴隷はというと、全くと言って良いほど連れ帰られていない。
細い目とエラの張った顔だちというのがどうも受け入れられないようだった。性格的にも大環の男には向かない。
遠征した連中が下手に手を出さなかっただけ、奴隷商には幸いだった。
苦労しても得る物が無いとなれば、帰国してから喧嘩の原因になる。これで大環内の大名家の紛争に繋がり、結果的に豊臣家は滅亡していくことになったのである。
この時の教訓として、「面倒だから半島には関わるな!」と言う事が王家と大名家の共通認識になったのである。
半島の土地は痩せている。田畑はまともに耕されてはいない。小石がゴロゴロしているのだ、それに肥料もまともに施されていない。
そうした状況で放置されているのは、重税の為に豊作になっても一向に農家は儲からないこと。それに生来怠け者でまともに働かないという事。
何より侵攻した大環軍をヘキヘキさせたのは、致命的に汚いこと。
都の中でさえ川に屎尿を垂れ流しである。酷い臭いと蠅と蚊の大群。
井戸水でさえ臭うのである。煮沸しても飲料水にしたくないようなモノだった。
その状況でさえ、連中は平気なのである。
黄色い川の水で洗濯をする。
臭い井戸水を平気で使う。そのせいなのか、ぐったりとしている病人らしいのが多い。
こうした環境で暮らす女を奴隷にしようという大環の男はいなかったのである。
秀吉が倒れて撤退命令が出た時には大喜びした大名が全員だったという。こんな土地ならいらないと誰もが未練を残さなかったのである。
迂闊にこんな場所を領地にされたら大騒ぎになる。
治水をやり直して、街道をしっかりと整備して。
田畑も土を作り直すことからやり直しが必要だろう。
それに現地民は文字を解さないから、寺子屋でも作って教育をしないと駄目だ。
一応は儒教圏の筈なのだが、鬼信仰というのか、精霊信仰というのか、土着の妙な信仰が生きている。
行政の手伝いが出来るような文官を現地で求めるのも無駄で、血族単位でまとまって賄賂三昧の統治しかしていないような連中ばかり。
これなら、まともな大名は絶対にこの国の土地など欲しくも無い。
この戦争の後に貢鮮は華帝国の属国になり、同時に貢鮮は和睦成立後に大環へ2年おきに朝貢使節団を送るようになった。実質的なご機嫌伺いである。
当初は朝貢品の中に女も入っていた。連中は華帝国に対しても貢女するという風習があったらしい、それを大環にも適応してきたのだ。
こればかりは至ってご丁寧に、かつ徹底的に大環では遠慮願った。公儀から大名家から一致団結して頑張ったという逸話が残っている程だ。
それを伝え聞いた華帝国でも貢女を拒否するようになったとか・・・。
ともあれ、今年はこの朝貢使節団が訪れる年だった。
対馬の宗氏は彼らを出迎えて歓迎する役目を仰せつかっていた。
だから、宴会の準備をセッセとしていたのである。
ところが通例よりも今年は船の数がやたらと多い。
そして、船から降り立って来たのは完全武装の兵士達だった。
彼らの主兵装は火縄銃、そして船には大筒も装備していた。
まず、船から大筒の射撃が10発単位で断続的に領主達首脳部に打ち込まれた。
お付の魔法師が必死に魔法防壁を展開したものの、射撃を繰り返される内に魔力切れ。
やがて砲弾は首脳部をなぎ倒した。
重傷ながらも領主が生き残ったのは奇跡に近い。近習達が必死に守ったのであろう。彼ら自身の命に代えて。
指揮官とお抱え魔法師を失っては、鉄砲装備の部隊に対抗できずに騎士団は壊滅状態。
その後は落花狼藉であった。
抵抗する者は殺され、目に入る金目のものは全て、若い女も全部持ち去って行った。
残ったのは死体と負傷者と老人ばかりだった。
急報を受けて王宮では王都駐留の近衛軍の魔法師を緊急招集して、瞬間移動系の術者で緊急移動させた。
敵が去った後というのは間違いなく、辛うじて生きている負傷者を治療によって救助するのが精一杯という所であった。
兵力どころか住民の大半が消えた状態である。
第二波の侵攻部隊が来たならそのまま占領されてしまう事態である。
周辺の各領主及び代官には急遽軍勢の動員を指示。
そして、引き続き近衛兵を対馬に送り、何とか防衛陣地を構築させる。
そして、拉致された者の行方を探すべく、遠視の術を使える者がかき集められた。
対馬から遠視させた所、船の行く先はどうやら釜山であるらしい。
至急まとまった軍勢を船で送り出せるのは誰か?
西国大名に限らず、日本海沿いということで確認したところ上杉と前田でそれぞれに1千人が即応可能であった。
かくして、その日のうちに上杉軍と前田軍の合計2千人が渡海して行った。
王都に滞在している前田慶次郎も、この異変を聞きつけて上杉屋敷に出仕した。
直江津の港から船が出た後だと聞かされて悔しがった傾奇者。
ここで妙案を思いつく。
「敵地に殴り込むのに2千人ばかりでは心もとない。やはり万余の軍勢が欲しい所にござろう。
お館様、幸いに召喚術とやらで無数のゴーレムや強力なドラゴンを使役する者に、拙者は心当たりがございまする」
「おお、そういえば便利な奴がおったな。奴の部下共は暇をさせるとおなごに悪さをするからのう。仕事をさせておくに越したことはあるまい」
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「へっくしょん
アレ、何で温泉に浸かっているのに今背筋に寒気が走ったんだろう?」
本日は休養日でノンビリ温泉に浸かっているのは、当然なから貴志である。
中々にカンは良いらしい。
やがて、どかどかと荒っぽい足音。
「お頭、緊急出撃がかかりました。至急、王宮へ出頭せよとのお達しです」
「やれやれと、今度はなんだろうねえ?」
かくして、貴志の休養日は消えていくのであった。
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王宮にて
「俺の休養日が消えるのは、もうお約束だとしてですね。
俺の部隊は魔物追討軍です。魔物専門部隊なのでは?」
「ああ?だったら女子泣かせ部隊に改編するか?」
「喜んで出撃させて頂きます、閣下」
やっばい、軍務卿閣下マジ怖いって。
連中のやった事ってのは、陛下もキレて校長の爺ちゃんに切腹させたしなあ。
後から悪事がバレた奴らもチョンと切られてしまったし。
チョン切られてショックで泣いていた奴らを、レキュアとシェイラがまたトコトン制裁してたし。
半殺しにして息絶え絶えにしては、治療して、また半殺しにしてって、何度も繰り返してた。それも嫌な虫でも見るような目で。
2人に仕置きされた連中の目がね。もう、完全に死んでるの。ゾンビみたいな目になってた・・・。
うん、日々反省だよね。
「で、どうすればいいのでしょうか?」
「こちらの軍勢が上陸する前に迎撃して来る敵がいたら、ドラゴンブレスを放つ。
こちらの軍勢が上陸したら、今度は攫われた連中を探す。
見つけたら連れて帰る。
簡単なことだ。
勿論、俺達も現地に運べ」
「はい、上杉様・・・」
なんだ、犯人はあなた達ですか。3人揃って嬉しそうにして!
オイラの後ろには上杉景勝様と直江様、傾奇者が揃っていましたとさ。
準備万端と言いたげに完全武装してさ。
それじゃ、ちょいと王宮のお庭を拝借いたしますよん。
一番大きい桜色ドラゴンいらっしゃい。急々如律令っと。
まあ、いきなり呼び出したら皆さん驚くよねえ。御免なさいよ、チョイと急ぐものですからね。
「では、手の平に乗ってください。まとめて運んでもらいますから」
「おお、こりゃいいな。出雲殿」
「まさかドラゴンに乗るとは」
「うむ・・・」
景勝様って笑わないというのは本当みたいだね。
前田教官みたいに素直に喜んではくれない。
「おーい、ウチの連中は背中にしがみ付いておけよ」
「お頭、振り飛ばされやしませんか」
「頑張ってしがみ付けばいい」
「そうですかい・・・」
「こういう時はドラゴンに乗って楽しいなって、笑えばいいと思うよ」
「そんな殺生な・・・」
「さあ、行くぞー」
「おおっ、いざ行かん。戦場が待っているのだからな!」
いやもう、ホントに戦が好きなんですね。前田教官殿は。
んで、ドラゴン様はエライ。
本当に瞬きした瞬間には、上杉軍船団上空にいました。
これには上杉軍がビックリ仰天。そりゃ上空にいきなりドラゴンが出れば普通は腰を抜かしますよね。
でも、ホラ。俺達の緋羽織って目立つし、上杉の皆さん良くご存知ですし。
なんとなく状況は察して下さったようです。
ひとまずドラゴンを降りて、俺達も船に乗せてもらって一緒に移動です。
ただですね、帆船ですので普通に乗っていると遅い。だからドラゴンの高位魔法でチョイとインチキさせてもらいます。
海流を操作してお船を運んでもらいました。
いや~、風がすんごいことになってましたけれどね。ああ、面白かった。
ついでに前田軍の船も運んでもらったよ。合流しないとダメだろうしね。
突然に妙な速度で動き出したから、船に乗っていた皆さんは大慌てだったみたい。
慌てている前田軍を見て、慶次郎教官大笑い。まだ、前田の家に恨みあるのかな?
そうこうしている間に釜山の港らしい場所は目の前。
丁度いい塩梅だったのか、インチキして船を進めたからこちらの追撃が早かったみたい、連中の船団もさっき着いたばかりみたい。
船から荷物を降ろしている。
そう、大勢の人間を!
なんだか、現実にこういう光景を見せられると腹が立って来る。
勝手にやってきて人様を掻っ攫って行くだと。
勝手にやっていいなら、こちらも勝手をさせて貰おうじゃないか!
「急々如律令!来い埴輪兵ども、敵兵を蹴散らせ!」
オイラが怒った時は、他の皆もそうだったみたいだ。
かつて訓練した上杉と前田の10人組精鋭部隊が、船からサッと飛び出して行った。
「お頭、行きます!」
ウチの連中も行く。魔法師がまず敵の鉄砲や大砲を潰すことになっている。
どうせ水魔法で火薬を散々に濡らしてしまえば鉄砲も大砲も使えない。
戦場で使えない武器を持っている奴は、タダのお荷物でしかない。
上杉と前田の精鋭の前ではただの獲物だろう。
「出雲、船を岸壁に着けろ」
「御意」
怖ええっ、景勝様の本気って軍務卿並みに怖い。
「捕らわれた者はそのまま船に乗せて帰す故に、船を沈めるな!よいな、下劣な者共には手加減無用。捕虜は取らずに全て殺せい」
「おおっ」
「おおっ」
「おう」
「おおっ」
敵を全て殺せとは驚いた、容赦ないな。
港近辺にいる敵兵は2千人くらいかな。
でも、陸上の街みたいな場所には結構な人数がいるらしい。ちょっとした城みたいのがあるし。
貢鮮兵と戦争しても得る物は無いというのが通説なんだとか。
どうせ捕虜にしても身代金を得られる訳もないので、二度と悪さをしないように殺した方がいいらしいや。
船が岸壁に寄るとサッと兵士の皆さんが飛び出して行く。
敵の船を奪って、捕らわれた人達を送り返すのに使う。だから、船に乗っている敵さんを片っ端から殺すのだろう。
元々は敵さんの使う剣は単に型に鉄を流しただけのものだったらしい。それが18年前の戦争の時に本格的に鍛造してある刀との違いに驚いて、真似したモノを作るようになっているらしい。
でも、本格的な修行を延々とやらないとダメな技術だから、どうもまともには真似できていないみたい。
斬り合うと簡単に相手の刀もどきが折れて行く。折れるというよりも斬られている感じかな。
それは槍先でも同じで、大環の兵士が敵さんの甲冑を刺すとちゃんとブチ抜けている。
でも、敵さんの槍はどうも南蛮銅みたいな本格的な装甲部分は抜けていない。
戦闘の技量云々以前にもう戦力差が大きい。
それに、なんとも逃げ足が早い。見切りが良いというよりも、臆病風に吹かれてサッサと逃げる。
だから、大騒動してぶつかり合っているのだけれど、案外と敵が死んでいない。
いや、そうでもないのか?
逃げるならと、追い打ちを始めた部隊もいる。
船ではなくて、陸上にいる敵兵を追い回す連中。
その先頭に立っているのはぶっとい皆朱の槍を抱えた前田慶次郎教官。
「どりゃああっ」
結構離れた場所にいるのだけれど、そんなこと関係なく怒声が響き渡っている。
そして、その雄叫びが上がるたびに、血飛沫が飛ぶ。
殺せと言う命令だからというのもあるのだろうけれど、本当に遠慮がない。
追いついた相手の後ろから、兜と首の間に槍を突き入れて行く。
あれじゃ一撃で死んでいくだろう。
「うりゃあっ」
「せいや~っ」
「そらっ」
もう無双状態です。誰も正面から斬り合おうという奴なんていないのね。
敵は逃げ回るだけ。
もっとも、味方衆が敵の船を奪取して、捕らわれてしまった人達を回収するまで敵を遠ざけておかないといけない。
極力、敵を殺して追い払っておかないと駄目な局面ではある。
でも、凄いのはその前田教官と一緒に付いて行けてしまうような人達がいること。
ちょっと俺にはできないな。未だに教官から一本も取れていないし。本気のこうした戦場で俺が槍働きなんてしようものなら、あっという間に殺されるだけだろうと思う。
強い相手には全く勝てる気がしない。下手したら足軽に首をかかれたりして・・・。
それにつけても怒涛の快進撃をしていく前田教官でした。
さて、肝心の船の方はというと。
前田勢と上杉勢が淡々と奪取していきます。どうやら船に乗り込んでしまえば、敵さんは慌てて逃げ出してしまうみたい。
お蔭で結構な勢いで船を奪っている。
前田勢は奥村永福様と言う人が主将をやっている。金森城主で金沢城代を務めることもあるようなエライ方。前田教官とも前田家時代のご友人だとか。
上杉勢では直江様が船奪取の指揮を執っている。
景勝様はドンと構えて、周辺の建物に人がいないか探させたり、見つけた人を一カ所にまとめさせる指示を出したりと。
早々に帰還する支度を始めている。
恐らくはこの国の土地になどは全く興味などないのだろう。
大名家の皆さん、この国には関わりたくないらしい。
それでもこうして遠征してくるのは、基本的に上杉家というのが“義”の家だからなんだろうな。使節団を迎えようとしていて、奇襲されて殺されかけた宗氏の敵討ちのつもりなんだろう。それに理不尽に攫われた人達を守りたいというのもあるだろう。
前田家の場合は、豊臣家と関係が深かったから徳川家に睨まれないように頑張らないといけないらしい。若かりし頃の秀吉公と利家公は長屋の隣同士で、織田時代には秀吉公が大出世しても、そのまま仲良しだったそうだ。
今や100万石の大名とは言え、確かに頑張らないとダメみたい。
そうこうしている間にどうやら船の奪取には成功。敵さんが降参している。
そして敵兵を船から降ろして、大環人だけにしていく。
敵さんは一カ所に集めて、縛っておくみたい。全部殺せというのは、そういう気持ちで戦えという意味だったのかな?
帰りもドラゴン魔法で海流を操作して、船頭なしでも普通に航海して帰ってしまえる。
陸上に上陸していた大環人達も、船に回収してあげてと。
先程まで敵を追い回していた追撃軍は釜山の城塞近まで行ったみたいだけれど、今は戻り始めている。
船には大環人の回収が終了。
後は追撃部隊の回収だと思いきや、戻って来た連中を指揮して景勝様がとある建物に向かって行く。
オイラにもついて来いと。
先程捜索した所。ここがどうやら軍資金や兵糧の倉庫だったらしい。
なるほど、確かに敵さんは物資を持たずに逃げたか、投降して一カ所に集められている。
物資なんかがそのままという可能性もあるわけだ。
で、ありました。
金貨30箱と銀貨70箱ほど。
貢鮮の金貨は混ざりものが多くてあまり価値は高くないそうだ。それでも金は金だし。
それと米、麦なんかも、そこそこ広い倉庫に結構あった。
という訳で、オイラは金貨10箱と銀貨20箱を頂いて、あとは上杉家と前田家で半分にすることになりましたとさ。
米や麦は遠慮しました。家臣は神社の人間だけで多い訳じゃない一杯あっても困る。
珍しく戦利品があったものだと、ベテランの人達が言ってる。
用が済んだらさっさと帰ろう。
でも、上杉景勝という方。
怖い方でした。
船が出港して、ある程度離れたら仰った。
「出雲、捕えた連中と城塞を街ごと焼き払え。
あんな物があると、またやって来てしまう。
かような物など遠慮はいらぬ始末せよ!」
謙信公はいまだ家督を譲ってはいないけれど、流石にこの戦場に送り込んだだけの人だけのことはある。
果断にして、剛の者。自分の国を守る為なら遠慮なんてしない。
これが戦国武将なのか。
「やれ、ドラゴン」
“グオオッ”
雄叫びを上げるドラゴン。上空から必殺のドラゴンブレス一閃。
一つの街を消すくらいのことは一瞬の出来事でした。
さて、次回は事件のケジメをつけに敵の都に押しかけるお話。
そりゃ、攻めて来られたらやり返す。
誰が行くのかというとですね・・・。
乞う、ご期待です。




