そんなの卑怯だぞ
フロア1階にて(11:40)
但馬「佐田さん、おはようございます」
佐田部長「但馬、おはよう。ちょうど良い所に来たな。今日から新卒の神道がOJTやるんだが、渡部が指導係に決まった」
但馬「またまた部長、卑怯な手使ったでしょう」
佐田部長「人聞きの悪いね、キミは。渡部君のフォロー頼んだよ」
但馬の前から部長は颯爽と上りのエレベーターで姿を消した
オフィス外(12:08)
一方その頃
自販機
―おしるこを選ぶ神道
神道「ふぅ(甘くて落ち着くぅー)」
但馬「よっ、こんなとこで何しとん?」
神道「おしるこ飲んでた」
但馬「部長から聞いたで。渡部と一緒にOJTって」
神道「早いですね情報。そうですよ。文句あるか」
但馬「まあまあ、そう喧嘩腰なるなって、ご飯、行こか」
神道「おしるこ」
但馬「まあまあ、俺が後で飲んだるさかいに行こうや」
―手首を引っ張る但馬
神道「痛いイタイ、わかった。話し合おう」
カウンター席で(12:19)
天丼を頬張る神道―
神道「この天ぷらの茄子、旨い!」
但馬「ええやろ、お気に入りの店や。」
神道「なかなか雰囲気の良いお店だ」
但馬「今日はおごるで」
神道「俺ならば、専ら奢ってやるわ」
但馬「(なんかこの親近感)、好きやわ」
但馬は微笑みながらこちらを覗かせる―
神道「(ははーん)それはどうゆう意味だ」
但馬「まあまあ、気にするな、今度様子見に行くわ」
神道「そう言いつつサボるところカッコわるっ」
但馬「ひゃっひゃ、わかってんなぁ」
神道「やっぱり」
但馬「なに照れてんねん、
作業を見られるのが恥ずかしいのか?」
神道「そんなことない、別に」
但馬「素直じゃないな」
神道「いや、ホントだから、
ただ一人で黙々と作業がしたいだけ」
食事を終えて(13:50)
但馬「今日は奢ってくれるんだったよな」
神道「えぇ、思ってたんとちがう」
但馬「言うてたやんか、(俺なら奢ってやるわ)って」
神道「そんなの卑怯だぞ」
但馬「なんてなぁ(カード取出)」
カードを渡す
店員「レシートです。ありがとうぅござぃましたー」
神道「(お礼...照れくさいな)
あっそうだ、おしるこ捨てに行きたいので失礼します。」
但馬「なんや、まだ持ってたんかいな、先に戻ってるからな」
その場を立ち去る神道「ヒィー、上手くごまかせた」
―昼休憩後(12:45)
フロアにて
但馬「あっ、たかしや」
たかし「おぅ、外食か」
但馬「せやで、神道とや」
たかし「へぇー、そうなんや」
但馬「おもろいやつや、将来は化けるかもしれんで」
たかし「それはどうやろな、一度会ってみたいわ」
但馬「ほな、また」
たかし「おう」
一方休憩コーナーから出る渡部「ふぅ、さてと戻ろう」