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ティアラとでも呼んでくれ

『大丈夫か?』


俺は目の前の、普通なら気絶するほど精神力を使っている村人Aに聞いてみた。


「え?今なんて?小宮、この子何て?」


俺の言葉を聞いた村人Aは後ろにいる二人のどちらか、“こみや”という人物に聞いていた。


「ごめんなさい、会長。私の知ってる言語じゃないわ」


「そうか・・・。僕は(かける)。カ、ケ、ル。」


小宮の言葉を聞くに俺は無意識に向こうの世界の言語を使っていたらしい。まぁ、こっちよりあっちの生活の方が長かったしな。俺は辿々しく、だが一生懸命に意思の疎通を図ろうとしているカケルにこう言った。


「バカにシてるのカ?」


笑顔で。


「うおっ!?喋った!!」


驚くカケル。まるで動物が言葉を喋ったのを見たような顔をしている。失礼だろう。

しかし、言葉というのは使わないと忘れてしまうものなのだな。日本語の発音が上手く出来ない。まあ、この容姿ならば特に問題無いだろう。素の自分のままで出て行かなくて良かったな。・・・日本語を違和感なく喋れるまでしばらくかかりそうだ。それと、この姿を見せているから、しばらくこのままでいようかな。


「に、日本語わかるかい?」


二度目の驚愕から直ぐに立ち直ったカケルは俺に日本語が理解できるか聞いて来た。


「理解はシている。うまくしゃべれナイだけ」


「そ、そうか。聞きたい事が有るんだが、良いかな?」


「それハ学園にイきナがら話ソう。ソのマえに、オマエは休むベきダ。イツ気絶シてもイイくらいニ、消耗シてル。今だっテフラフラじゃナイカ」


「しかし、いつまたファントムが出現するか判らない。せめて帰るまでは起きてないと。」


カケルはこう言っているが、今にも倒れそうな奴が一人いたとしても、出来るのは足を引っ張る事だけだ。


「ダメだ、足手マトいダ。オイ、ソコの・・・チャグマイケメン!かつげ」


「茶熊イケメン!?」


俺はいつの間にかカケルの横に来ていた茶髪のイケメンにカケルを担ぐ様に指示を出した。突然呼ばれたイケメンは驚いていた。いや、驚いていたのはあだ名の方か?

因みに、茶髪+イケメン+熊のファントムと戦っていた=茶熊イケメンとなっている。

カケルは限界だったのかイケメンに担がれるとすぐに寝てしまった。


「ちょっと待ってくれ。お前は何者だ?ギフトは強化型なのか?どうやったらあんな事出来るんだ?そもそも学園の生徒なのか?」


カケルを背負ったイケメンが、歩き出した俺を呼び止めた。


「ンニャ、ギフトもちではナイ。学園には入ろうトシているところダ」


イケメン意外と喋るなぁ。そういえば、俺のチートってギフトに入るのか?いや、入らんだろう。叫ばないと発動出来ない訳じゃないし。


「いやいや、ギフト持ちじゃいって・・・、じゃあどうやったらアイツらを六体も一瞬で倒せるんだよ!?」


イケメンは自分の見た光景が信じられないらしく、声を荒げて否定している。おかげでカケルが眉をひそめている。


「少シおちつけ。確かに私は特殊ナ能力をもってはいるガ、ギフトはもっテイナイ。誰だッテ修行すればアレくらいデキル。納得シてくれ」


「むむむ・・・はあ、分かった。今回はそれで納得しよう」


イケメンは凄く不満そうだが、渋々了承した。


「そう言えば、あなた 名前は?」


今度は小宮が尋ねてきた。確かに、まだ名乗っていなかったな。


「ティアラ、とでモ呼んでクレ」


「ティアラ・・・さん、ギフトがないんじゃ学園には入れないんじゃない?」


「そうなのカ?知らなカッタナ。・・・ナア、ギフトってドンナノがあるんダ?」


「ギフトは強化型、操作型、変化型、具現型、バランス型があるわ。バランス型は他の四つの能力を使える万能型よ。」


「ジャア、オレはバランス型ッテコトにシておくカ」


俺たちが歩いている途中、ファントムが四体ほど出てきたが、全て一瞬で倒した。


「ギフト持ちでも無いのにそんな強いとかあり得ねぇ」


イケメンが何か言っているが無視だ。


「ティアラさん、どうして学園に入ろうとしているのか聞いてもいいかしら?」


「ヒミツダ。」


うん、女神様から頼まれてます。なんて言っても信じてくれないだろう。


「ダガ、コレだけは言ってオク。」


俺はホブゴブリンの魔石を取り出して、小宮に見せる。


「この魔石。強さによって大きさや色が変わるんダガ、コレは最低品質ダ。コレを気力ナシでやれないヨウじゃ話にならないナ。」


「それト、気力は修行をする事で高めるコトができルゾ。」


そう言って俺は歩き出した。

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