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生徒会とファントム

「っと、着いたみたいだな」


地に足を着く感覚が戻ってきたので、俺は瞼開ける。走行車の音や排気ガス。懐かしの地球だ。

取り敢えず人がいないことを確認して、一部のスキルの確認をすることにした。俺が女神から貰ったチートは(魔力量無限)(魔法適正全対応)(肉体強度限界突破)(肉体欠損再生)(ゲームモード)の五つだ。

まあ、大体は名前どうりなので“魔法適正全対応”と“ゲームモード”だけ簡単に説明するぜ。

魔法適正全対応は、魔法全適正と、種族限定の魔法を全て覚えることが出来る。

ゲームモードは、俺が女神に特別に作って貰ったチートで、俺がやった事のあるVRゲームの機能を限定的に使えるチートスキルだ。

このスキルを発動すると、容姿やステータスもそのゲームキャラになる。マップや自身のHPやMP、自身の状態などが視界の端に映る。無限収納(インベントリ)や高速装備変更も出来る。そして、このスキルは常時発動が可能だ。

今回はこのスキルを使って、マップや前の世界で入れていた物が入っているかを確認する。

スキルを発動すると、俺の身体が発光し、一瞬でゲームキャラ“ティアラ”の姿になった。170、黒髪黒眼の普通の男子高校生から160くらいの身長に、 大きくなった双丘。銀色の髪に若干金色がかった銀の眼。ついでに服も革鎧から、純白のドレスに変わった。

このキャラは基本的に近距離、中距離寄りのステータスになっている。一応、遠距離攻撃も出来るため、向こうではほとんどコイツを使っていた。

左右に嵌めている銀の指輪から魔力で作った武器を使う。込める魔力で硬く、鋭くなるため、魔力量無限の俺にはうってつけの道具だ。

マップを確認すると、こちらの世界のマップになっていた。無限収納にもちゃんと入っていたが、向こうの世界の硬貨がこちらの世界のものになっていた。金額は・・・まあ、国がひとつ買えそうなくらいだ。

取り敢えずスキルの確認を終えた俺はまず、この姿のままファントムが如何程のものかちょっと観に行く事にした。

マップには検索機能が付いており、“ファントム”と検索すると結構ヒットした。ついでに“使徒”も検索すると、近くでファントムと交戦中のものがあったため観に行く事にした。


目的地に着いた俺は一軒家の屋根に登り、使徒とファントムの戦いを観ていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「コイツは俺がやる。ストレングス!」


副会長の権藤 剛志がギフトを使ってパワー型のクマのファントムに向かって行った。

剛志のギフトは強化型。剛志の場合、肉体の強度とパワーを上げる。今の剛志はブロック塀を粉砕できる程の力がある。


「では、私はこちらを。フラガラッハ!」


書記の小宮 美由紀もギフトを発動し、スピード型のオオカミのファントムへ投げナイフを三十本高速で飛ばした。

美由紀のギフトは操作型。美由紀の場合、片手剣、短剣限定で操ることが出来る。重量が大きければ、数本。小さければ数十本操れる。


「ありがとう。なら俺はこの二体を相手する。ハアッ!」


俺、使徒育成学園 生徒会長 二ノ宮 翔もギフトを使ってスピード型のネコとバランス型のニワトリのファントムへと向かった。

俺のギフトはバランス型。強化、操作、変化、具現の四つの能力を50%ずつ使える能力だ。

俺はまず肉体を強化して、パワーとスピードを上げる。そして、剣を具現化させる。

まず、ネコを狙って横一文字に切る。


「ふっ!」


「キシャッ!」


当然ネコは後ろに飛んで避けた。その隙にニワトリの足を切りつける。

ネコが飛び掛かって来たため、振り向きざまに剣を振る。


「キシャッーーー」


ネコ空中に居たため躱しきれず真っ二つに切断された。ニワトリはネコが殺されるのを見て、飛んで逃げようとした。


「グワァッグワァーッ!」


「逃すか!ハアッ!」


俺は持っていた剣を思いっきりニワトリに投げつけた。飛んで行った剣は的確にニワトリの首を切断した。

しばらくすると、二体のファントムの死骸は消え、BB弾程の小さな黒い球がのこっていた。俺はそれを回収し、二人の方を見た。

俺が終わった時には二人も既に終わって居た。


「ふぅ、終わったか。『こちら生徒会。ターゲットの殲滅完了です。帰還します』」


俺たちは学園に報告を入れ、学園へ戻る事にした。ここに来る前にもファントムと戦っていたからもうクタクタだ。ギフトは精神力を使って発動するため、何度も使うと段々と身体がだるくなって、最後は気絶する。


「会長、何で今回は俺たちに出動命令がかかったんだ?」


学園への帰還中、剛志が問うて来た。剛志は俺の高校時代の友達で、五年前まで高校でバスケをやっていてガタイが良く、そしてイケメンだ。妬ましい。五年前、ファントムとか言う化け物が現れなければ間違いなくアイツはプロのバスケ選手になれていたのに。


「今回はほとんどの学年が今活動している使徒達の所に行って話を聞いている。その中でモンスターパニックが起こった。だから俺たちも動く事態になったんだ」


「はあ、こっちから行かなくても向こうから来てくれたなら良いのに」


「そう言うな。彼らだって仕事?の合間にこうやって時間を取ってくれているんだ。さあ、少しペースを上げるぞ」


愚痴をこぼす小宮を窘め、歩むペースを上げる。バランス型は他のギフトに比べて精神力の消耗が激しい。普段なら三人で二体ずつ相手していたのに、今回は四体が固まっていたので今回は会長である俺が二体を相手したのだ。お陰で凄くだるい。まあ、怠いのは俺だけじゃないけど。

さらに、俺たち使徒は何が起きても直ぐに対応できるよう、行きも帰りも徒歩なのだ。ココから学園まであと五キロ・・・はあ。


俺たちが歩いていると突然、目の前にホブゴブリンのファントムが六体出現した。ファントムの出現場所は完全ランダムなので、運が悪いとこう言う事はままあるのだ。

ただでさえ身体がだるく余り激しく動けないのに“ワースト級”なんて。


ファントムには階級が四つある。小動物の姿をした“ノーマル級”。大動物の姿をした“バッド級”。架空の生き物の姿をした“ワースト級”。架空の生き物でも、伝説の生き物の姿をした“ディザスター級”。因みに俺と小宮が戦ったのはノーマル級、剛志が戦ったのはバッド級だ。その前にもバッド級二体、ノーマル級四体と戦っている。

俺たちの中にまともに動ける奴は居なかった。


ボブゴブリン達は俺たちが戦えないのが判ったのか周りを取り囲んでいる。

包囲網を完成させたホブゴブリン達はギシギシと言いながら俺たちの様子を伺っている。


「ごめんな、二人とも。こんな時に助けてやれない会長で」


「謝るんじゃねえ!どうにかして助かるんだよ!」


「どうやって!?囲まれているのよ!どうやったって助からないわ!」


俺と小宮は助からないと諦めの雰囲気を、剛志は最後まで諦めないといった雰囲気を出している。

ホブゴブリン達はいつ飛び掛かっていいか分からないと言う雰囲気を出している。

ホブゴブリン達が一斉に飛び掛かって来たら俺たちは一人も助からない。一人でも助かりたいなら今、ホブゴブリン達が困惑している中に誰かが先陣切って突っ込んで行かなければならない。

そう思うと俺の身体には不思議と力が湧いて来る。まるで俺ならイケると、そう心が呼びかけて来ているようだ。なら、やってやろうじゃないか。必ずお前らを助けてやる。

俺は口論している二人に声を掛けた。


「二人とも聞いてくれて」


「あぁん?」


「何?」


「俺が奴らに突っ込む。その隙にお前達は逃げてくれ。さんに、いちで行くぞ」


「「え!!?」」


俺は困惑している二人を置いてカウントダウンを始める。


「さん」


「「ちょっと」」


「にぃ」


「「ちょっと待てよ!」ってよ!」


「いち!」


そう言うと俺はギフトを発動し、ホブゴブリン達のほうへ走った。


「はあああああ!!」


強化したスピードとパワーで、走る勢いに乗って持ち上げた剣をフルスイングした。が、その攻撃はホブゴブリンには当たらなかった。

何故なら、俺が剣を振る直前にホブゴブリンは消滅していたからだ。


目の前には俺の剣を片手で摘み、BB弾程の小さな黒い球をしげしげと見ている、俺たちと同年代と思われる銀髪の少女だった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



俺は一軒家の屋根に登って使徒たちの戦いを見ていた。


ファントムはクマ型、オオカミ型、ネコ型、ニワトリ型という、どれも地球にいる生き物が灰色になって凶暴になったくらいにしか俺には感じられなかった。

茶髪のイケメンが何かを叫んで、クマと戦っているのを見て、黒髪ロングの女の子が投げナイフを自在に操っているのを見て、普通の顔の、所謂村人Aの様な奴が何もないところから剣を出しているのを見て、あれがギフトかと思った。

試しに彼らを鑑定してみると、三人とも称号にギフト持ちとあった。そして、精神力ゲージが減少していた。特に村人Aの方がメリメリ減っていたのでこのギフトは顔の良さで精神力の減りが違うのかと思っていた。

やがて戦いが終わる頃にはみんな精神力ゲージが残り二割もなかった。彼らは報告か何かをして、歩きだした。精神力ゲージは、残り一割を切ると気絶するため、彼らはもう帰るのだろう。

女神に、使徒育成学園へ通うように言われているので付いて行こうかと考えていると、突然現れたホブゴブリンの群れに囲まれていた。

突然、村人Aがホブゴブリンの方に叫びながら突っ込んで行ったが、彼の命が危ないため助けるために俺は動き出した。


俺は一軒家から降り立ち、走りながら百メートル程先にいる、彼らの背後にいるホブゴブリンに向かって魔力で作った投げナイフを投げつけた。ただでさえステータスの高いティアラの投げたナイフは容易く首を断ち、横のボブゴブリンの首も断ち切った。悲鳴をあげられたら困るので、残りの五十メートルを一瞬で詰め、残りの四体の首を魔力で作った短剣で切り裂いた。というか断ち切った。ホブゴブリン達は悲鳴をあげる暇もなく消え去った。

そばに転がった小さな黒い球を拾って見ているとそれは向こうでよく見た魔石だった。それがわかった頃に剣が降って来たので右手に持った短剣をインベントリに入れ、剣を摘んだ。


顔を上げると、映り込んだのは驚愕の顔をした村人Aだった。


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