【24】救出
馬鹿ばかりだ。
どいつもこいつも。
「ボス!」
こちらに向かってくるのは五つの武装した影。先頭を切ったタッツが矢を放つと、俺の後ろで誰かがどさりと倒れる音がした。
「いやぁ~、冷たいお人かと思ったら意外と、女たらしであらせられる」
「タッツ」
胸に格納していたP420を抜いて、彼に銃口を向ける。
「気を抜くのはクリアリングをしてから、忘れたか?」
タッツの背中に見えた、剣を振り下ろそうとした影は顎から脳天を貫かれて崩れ落ちた。
恐らく先ほど矢を構えていた男が死に切らず、といったところであろうが、チャンバーに一発残しておけというおまじないがまさかこんなところで役に立つとはな。
「へへへ」
「まったく、全員来たのか?」
彼女を地面に下ろし、P420へ新しいマガジンを差し込む。
既に騒ぎは広がりつつあるようで、俺たちの方へとやってくる兵たちは途切れずにいるようだ。
それをなんとかするためにも五人の援護を受けつつ俺は準備を始めよう。
「ホーフス! こいつを頼む」
「了解!」
彼女をひと際大柄の彼に任せ。
「タンガ、タッツ、合わせて撃て! ケツに火に付いた連中がくるぞ!」
「任されて!」
「……」
背中にひっかけておいた切り詰めたショットガン、俺の両手に抱えられ、安全装置を外しサイトを起こす。
「スッティ、グローア、道案内は任せたぞ。 俺たちを馬のところまで連れて行ってくれ」
「は、はい!」
最後に折りたたまれていたストックを伸ばし、ようやくその準備を終わらせた。
「俺の前に立つなよ!!」
まさかこんなものが役に立つとはな。
SAIGA-12Kを更に切り詰めて軽量化したSAIGA-12Cをしっかりと両手で抱えて、反動を抑え込むために骨でそれを拘束する。
眼前にはおおよそ六十メートルほどまで迫り、怒り狂った男たちの姿。
鼻から息を抜いて肺をつぶし、その狙いを光学照準の中にそれを捉え……軽量化された引き金をゆっくりと引き込む。
銃口から発したのは、赤い光が8条。
排莢される薬莢の色は鮮烈な"レッド"。
「な、なんだこれは!?」
夜の闇を切り裂いて進む炎の筋が次々と彼らの体に吸い込まれていく。
「ブレスだ」
次々と倒れた男たちの体から炎が立ち込める。
「ドラゴンのブレスだ!!」
おおっと、こいつは博識な奴がいたもんだ。
焼夷散弾、通称"ドラゴンブレス弾"、大正解。
辺りに火をつけて最悪ここ一帯を炎上させるために持ってきたものだったが、まさか人間に向けて撃つことになるとはな。
お互い残弾と兵力のある限り、焼けた死体を作り出すことにしようじゃないか。




