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†††83


テントの入り口に男が立っていた。格好からして西の国の文官か、と少年は思った。

「・・・・・・君は西の国の魔法使いか?」

ホルトゥンが男、グルップリーに特に身構えた様子もなく尋ねる。

「そうだ」

グルップリーはホルトゥンを用心深く観察して目を逸らさないようにしつつ頷いた。

「何が起こったかはわかってるのかい?」

グルップリーの醸し出す緊迫した雰囲気に対していささか間の抜けた印象さえ受ける口調でホルトゥンが質問する。

「ああ。お前が幻影魔法で俺たちをはめた」

ホルトゥンがふんふんと頷く。少年は黙ってグルップリーを観察し続けていた。

「わかってはいるんだね・・・・・・。じゃあ、何しに来たんだい?」

「お前たちを殺しに来た」

ホルトゥンの質問にグルップリーは眉一つ動かさずに淡々とした口調で答えた。

「・・・・・・へえ。殺しに?」

ホルトゥンの口調はこれまでと比べてやや低い。

「できないとでも?」

「いや。君は十中八九、攻撃の魔法を使うんだろう。それがもしも僕たちに当たれば僕たちは死ぬだろうよ、造作もなくね。もしも、だけど」

「当たるさ。俺には、」

「僕の魔法が見切れると?」

ホルトゥンが口元に微笑を浮かべる。

その言葉に、いや挑発に、グルップリーが一歩踏み込む。もはや二人は至近距離でぎりぎりとにらみ合っている。

次に口を開いたのはホルトゥンだった。

「僕はね、見切れるとか見切れないとかそんな単純な掛け方はしてないのさ。試しに僕を攻撃してみなよ、さあ」

ずい、とホルトゥンが半歩進む。二人はもう鼻先が触れ合うほどの距離だ。

しばらく二人は無言でにらみ合っていたが、グルップリーが根負けしたように目を逸らした。

「・・・・・・どういうことだ。俺には見切れないだと?説明してもらおうか」

「ダメだよ」

そこで少年が横から声をかけた。


†††

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