三章
† † † † †
タカは片手に短剣を意地でも離すまいと握り、倒れていた。目の前には母と兄の体が横たわっていた。二人の顔を見てそして黒服の男を見上げた。その顔は無表情ゆえに怖かった。
「っ!!」
「もし仇を取るというのなら、覚悟を決めろ」
黒服の男は倒れているタカを見下ろし、言った。
男は剣をタカに向けた。そしてタカの胸へ吸い込まれるように・・・突き刺さった。
† † † † †
「うわあぁぁ!!」
タカは跳び起きた。荒い息をし胸を押さえた。
「はぁっはぁっ・・・ゆ、夢・・・・・・」
嫌な汗をかいたことに気付いたタカは、一度深呼吸をし悪夢にうなされていたにも関わらずに、握っていた指輪を見た。
「リキュール宮殿か・・・」
タカはクロフォードの言った言葉を思い出して、気付いた。
「やばっ!次の仕事忘れてた!急がねーと!」
急いでタカは指輪を胸ポケットへ入れ、枕代わりにしていた荷物を引っつかみ、駆けて行った。
「男を探してる?」
「はい・・・。魔物退治の掲示板に嘘を提示すのは、いけないのは分かってるんです。けど・・・」
タカが受けた依頼は、魔物退治の依頼じゃなく人探しの依頼だった。
「・・・魔物退治用の掲示板しかないって思ってるよな?あのな、本部の受け付けに行けば、退治以外の依頼ができるんだぞ?」
タカは少女が知らない大事な事を伝え、少女の顔は驚いた表情をし、今度は赤くなった。
「ごめんなさい!私、そんな事知らなくて・・・」
「ま、知らないなら仕方ないけど、次からは気をつけろよ!」 少女の言い分を聞き、笑顔で返したタカ。そんなタカに少女は今度からは、気をつけます!と答えた。
「うし!まー引き受けちまったから、内容を聞かなきゃな!」
少女の依頼は男を探して、剣を渡してほしい。
その男は旅人らしく、傷を負っていたところを少女が見つけ、親に頼み自宅に運んだ。その際に運び忘れた剣を渡してほしいとのことだった。
「なるほど。んでそのおっちょこちょいの男の名前は?」
今までのいきさつをざっと説明され納得したタカは、今度は男の事を聞いた。が、少女は俯いてしまった。
「そっか、知らないんだな。んじゃあ、どんな格好だったか覚えてるか?手掛かりならなんでもいいぜ」
タカは俯いた少女を気遣い軽く言った。
「あ、えっとそれなら!黒服っていうか、黒いロングコートを着ていて、目は確か右が青で左が紫でした・・・あ、あのタカさん?」
少女が説明していく程タカの顔色は真っ青になっていった。
「・・・見間違いんじゃないんだな!?」
行きこみタカは少女の肩を強く掴んだ。少女は少しうろたえた。
「は、はい。印象が強かったからはっきり覚えてます」
―あいつだ!母さんと兄さんを殺した奴だっ!!




