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新・ロリの惑星  作者: 神原ハヤオ
第1節-起
12/53

その12「水の底③櫻宮薫子の実験」

 気がつくと俺は、真っ白い部屋の中に幼女たちと一緒に閉じ込められていた。この部屋の中には何もなかった。重そうな鉄の扉がぽつりとあるのみであり、あとは真っ白い壁があるのみであった。床の所々には排水溝があり、してみるにここは何らかの実験室であろうか。天井には埋め込み型の丸スピーカーと、回転式のカメラがあった。

 俺は辺りを見回す。幼女たちがきょろきょろと周囲を見ている。数としては5人。不安そうな様子は見受けられない。

 クオンはいない。聞きたいことが山ほどあるから、早いところ合流したいものである。

「あ、あーー。これで中に聞こえていますか? もしもし?」

 天井から、例の女性小児科医の声が聞こえて来た。名前は確か、櫻宮?

 幼女たちが無邪気に答えた。

「はあーーーい!」

「よしよし、元気な返事です」

 小児科医が言った。

「今日は皆さんに、ちょっと子作りをしてもらいます」

 頭おかしいんじゃないのかあいつ……。

「こづくり?」

「赤ちゃんをつくってもらいます」

「ねんどで?」

 旧約聖書ならそうだった。

「まずは二人組になりましょうね」

「はぁーーーい」

 幼女たちがめいめいに集まった。お団子頭の幼女が一人あぶれた。奇数だからそうなる。

「せんせーい、うさぎちゃんがあまってます!」

「ではあなたのペアに加えてください。3Pでいいです」

 先生はさらりと最低なことを言った。

「ねんどはー?」「ちがうよ、きっとおりがみだよ!」「たえちゃんこのまえおりがみで『しゅーせきかいろ』つくったもんね!」

 何だって? 集積回路? それは折り紙で作れるものだったか……?

「ええと……まず何からするんでしたっけ? ちょっと経験ないのでわからないんですけど、まあとりあえず、キ、キスをしてください」

 何急にウブになっているんだ、お前はもう破廉恥の数え役満だぞ。幼女たちはもじもじして、恥ずかしそうに互いの視線をそらし始めた。

「き、きす」

「きす……」

「あああ! 幼女も恥ずかしがるんですね! 発見しました! 今度学会に提出しよ……」

 何の学会だというのか。

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