その13「水の底④推奨された禁じられた遊び」
阿鼻叫喚、ここは幼女の地獄であった。
キスから始まった変態女性小児科医のデスゲームは、ついに幼女たちにバトルロワイヤル(18禁的な意味での)を要求し始めたのである。
「それではみなさん、お互いの全身をまさぐりましょう、くまなく」
「まさぐるー?」「なんで?」
一人の女児が疑問を呈するも、背後に猫目の女児がにじり寄り、襲いかかった。
「こちょこちょだー!」
「きゃああ、ひゃふ、ひゃはああああ」
堰を切ったように、他の幼女もくすぐり合いに参戦する。同族同士の熾烈なくすぐり合いであった。
「うんうん、くれぐれもまさぐり残しのないようにしてくださいね!」
まさぐり残しとは一体。しばらくスピーカーからの声はやんだ。
幼女たちが疲れて肩呼吸を始めた頃、女は言った。
「……いい塩梅です。では服を脱ぎましょう」
やめろ。やめてくれ。これ以上罪を重ねる気なのか。今の俺には肉体がない。肉体がないから目蓋がない。先ほどから罪悪感で頭がおかしくなりそうなんだ、場違いな場所に押し込められている気がしてならないのだ、俺がここにいるんだ、頼む、俺が死んでしまう。
部屋に元気な幼女の声が、無情にも響きわたるーー
「はぁーーーーーい」
どれくらい経ったかわからぬ。
幼女たちの全裸レスリング(幸いそのままの意味しかない)はプレイヤーの疲労困憊により終了し、気まずさの地獄は終わりつつあった。だが俺の心は、俺の良識ある成人男性としてのプライドは、すでにズタボロになっていた。お家に帰ってプリンが食べたい。
「これだけやっても、いやらしい気持ちになる幼女がいないなんて……やはり幼女は生殖行為をしない、ということなのでしょうか……」
声に落胆がありありと見て取れる。黒幕の目論見は潰えたらしい、とりあえず溜飲が下がる。
しばらく経って、鉄のドアが開いた。
「閉じ込めてしまってごめなさい。もう帰っていいですよ」
「ふぁあい」
幼女が眠そうに答えた。6人の幼女が立ち上がった。
……6?
ちょっと待て、偶数だったか?!
「あああああ?! 増えてるぅ?!」
女がスピーカー越しに驚愕の声を上げた。彼女も気がついたらしい。
「ちょ、ちょっと待ってください、ああっ、まだ帰らないでください、ちょっと、ちょっとお?!」
女の必死の引き留め虚しく幼女は全裸で去りぬ。




