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[03.襲撃の後(Part2)]

早く街を書きたい……。

 日はすっかり沈み、暗黒が辺りを支配している。日が昇ると起きて、日が沈むと就寝する村民でも、今日ばかりは、夜遅くまで最低限の作業に追われた。

 その内の一人でもある俺は、集落では珍しい二階建ての村長宅に泊まらせていただけることとなった。


 初、田舎に泊まろうだ。

「あ゛ー、疲れた……」

 仮初めとは言え、眠気を誘う疲労感を感じつつ、俺はベットの上に着替えもせずに倒れ込んだ。

 ちなみに、今現在俺が寝室としているのは、来賓用の宿泊スペース。質素な造りだが、無駄がなくてよろしい。

 身に凍みる疲れで、このまま眠りそうになる。だけど、俺は気力を振り絞って、右手の指先を何もない空にスライドさせた。

 俯せになりながら、目線だけそちらに向けると、現われる淡い蛍光色の―――半透明なホロパネル。

 どのゲームでも世界共通のメニューウィンドウ。そこから指を滑らせて、『ログアウト』のアイコンを探した。

 別にこのまま眠っても、インターフェイスが『睡眠』を感知し、自動的にログアウトしてくれるのだが、その場合、お目覚めは椅子の上だ。座り心地はいいとは言え、寝ることに適してないそれは当然首が痛くなる。なので、ベットで寝たいのが俺の本望。

 そうして、俺は『ログアウト』のアイコンを探し―――手が止まった。

「………いやいやいや」

 自分の顔が引きつるのを実感した。|あるところにあるものがない《・・・・・・・・・・・・・》。

 それがこれほど動揺するものだとは、俺は初めて知った。


「『ログアウト』のボタン………ないじゃん」

 

 擦れ声が、月明かりの差す暗い室内に響く。

 俺は、はじめて自分がどういう現状に置かれているのか気づいた。




 それからどれだけ時間が経っただろうか。

「………」

 木造りの侘びしい天井を眺めながら、再び俺は視線だけを横に向けた。

 水色に彩られたシンプルなホロパネル―――俺が出現させたメニューウィンドウは未だにそこで月明か


りに照らされていた。そして、そこには相変わらず『ログアウト』の文字はなかった。

「……なんだかなぁ…………」

 意外なことに、この現実をすんなり受け入れている俺がいる。

 もっと喚き立てたり、動揺するものじゃないかと自分でも思うが、苦笑いするしかない。

 だって、そのほうがおもしろいじゃないか、そう感じている俺がいた。

「ま、しかたないか」

 あきらめ、現実を受け入れてからの俺は、いつもの通りの調子に戻った。

「なんとかなるだろ」

 まるで自分に言い聞かせるように、俺は呟く。

 頭に思い浮かぶのは、ログアウト不可のデスゲームという、いかにもありがちな答え。

 だけど、俺は今の所、他のプレイヤーに出会ったことがないので、何とも言えないのが事実。この国の首都にでも行けば、いるかもしれないんだけど……。

 もしかしたら、『ログアウト』するには何らかの条件付けがあるのかも知れない。特定のポイントとか、そういう場所でログアウトしないといけないゲームもある。

 安楽的な希望観測ではあるが、寝れば『ログアウト』できるかもしれないという、儚い期待も俺は抱いていた。

 静かに目を瞑る。ホゥ、ホゥとなにかの鳴き声だけが闇夜の奥から聞こえていた。

 そして、俺の意識はゆっくりと闇へと途切れた。 

そろそろ、ここに書くネタにも困ってきたぜぃ……。

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