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レアってマジ!?~巻き込まれて異世界探訪~  作者: 晶良 香奈
エルフ救出!・・・その前に 編
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第176話

 更新が大幅に遅れました! 

ですが、予告通り新章へ突入します!

 

「キミ、いや、貴方に聞きたいことはひとつだ。僕の敵か、味方か。それだけだ」



 …………こいつ、いきなりなにを言い出すんだ?


 思わず金髪の顔を二度見する。 

 なんだかここに来てから話の通じない人間が多くなったな。


「何とか言ったらどうなんだ?」

 オレが黙っているのをどう勘違いしたのか、金髪が声を荒げる。


 いや、ただ呆れていただけなんだが。


 そこで秘書が口をはさんできた。

「ディシオ、この方は貴方も家族の事も、ましてや商会の内部など何も知らない方です。今の問いかけだけではわかりませんわ」


 モナンザ、あんたは引率の先生か? それにしては距離が近いような。


「え、だってこっちは……」

「最初に会われた時、商会長の事もご存じなかったようですの」

「なんと! それは失礼した。では」


 背を正して前を向く。


「どうも勘違いしていたみたいで悪かった。……では改めて。僕はディシオ・オーマインという。オーマイン商会の四男だ。今日は貴方に訊きたいことがあって、店の者に無理を言ってここへ通してもらったんだ。非礼だとは十分理解している。そのうえで質問に答えてほしい」


 立派な挨拶じゃないか。ちょっと思い込みが激しそうだけど。

 さて、こちらも答えなくてはだな。


「丁寧なあいさつ痛み入る。オレはケイン、冒険者だ。そちらの質問に答える前に教えてほしいことがある。先に訊いていいか?」


 オレの問いかけに首をかしげる金髪。その腕をそっと引っ張り、モナンザが耳打ちしてきた。


(ディー、簡単に頷いちゃダメ。ちゃんと確認してからよ)

 囁き声だが、オレの耳は感度がいいからな、全部聞こえてるぞ。


 にしても、今の会話で確定だ。このふたり、恋人、かな。

 ディー君、カラ咳をして声を出す。


「答えにくいこともある。それでもいいなら」

「あんたの問いにも関係する事だ。まず、オレとは初対面だよな? 顔を合わせたこともない相手に対して敵とか味方とか、何を根拠にして言ってるんだ?」


 オレの質問になぜか唖然とした表情の金髪、いやディー君(笑)。


「その質問が出るって事は……貴方は無関係なのか?」

「いや、だから。関係あるなしじゃなく、それ以前の問題だ。見知らぬ他人がいきなり『オレを殺す気だろ!』と喚いてあんたに文句つけてきたらどう思う?」


 オレ今その状態なんだけど? そう言ってやると、何か腑に落ちたようだ。


「そうか、それでか……あの人の暴走、だったんだな」

 何やら凄い言葉が出たような気がする。暴走? レッドパイソンの平野一直線、の事ではないよな。


「ここへ来るまでに散々お止めしましたでしょ。わたくしの言うことも聞かず突き進むところは商会長そっくりですわよ」

「ごめんモナ。つい頭に血が上ってしまって……」


「その癖を直さないといつか痛い目を見ると、あれほど申しましたのに。今度は知りませんから」

「そ、そう怒らないでよ。これからちゃんと言う事を聞くからさ」

「んもう、あなたはそればっかりですわ!」


 あ~らら、口喧嘩から何やら桃色の空気が漂ってきた。聞いてるこっちがいたたまれない。


「あ~、もしもしおふたりさん? 話を進めてもらえるかな?」

「「あ」」

 声までそろえるなよ~。もう、どうしてくれよう。


「す、済まない! ちょっと、いや、盛大な勘違いをしていてっ!」

「申し訳ありません! わ、わたくし取り乱しまして!」

「謝罪はいいから、こうなった理由を教えてくれ」


 で。


 訊き出した理由が。


 呆れるような内容だった。







「なんだと? オレを後継者になるための獲物にしたぁ!?」


 ついつい声が大きくなってしまった。


「い、いや、獲物ってわけじゃ……」

「オレを引き込んだらヴィクトリー!? 景品扱いかよオレは!!」


 現在、オレ、大荒れです。だってさぁ……


「オーマイン商会なんて一度も使ったことないし、そこの商会長だってこの間あいさつしただけだってのに……!」

「誠に、申し訳ありません……っ」


 テーブルをガンガン叩いて激オコ状態のオレと、その前で土下座状態のディー君とモナンザ。

 敵OR味方の経緯。それが、新生エリシオ教国誕生にあったとは思ってもみなかった。


 あの映像そのものは各国の上層部にしか流れなかったんだが、現場に立ち会った人間が多すぎた。広場はもちろん、聖都じゅうの人間が映像を見、あの安心感を味わい、そして軍隊を追い返すところまでしっかりと眺めていたんだもんな。


 当然、その中には商人や冒険者、傭兵たちもいたから、あっという間にうわさがあちこちへ広まったそうだ。


 ハインツ商会長もその噂を耳にして真っ先に探しだしたのだと、モナンザは言った。


「昔から商会長は有望な人間を見つけては自分の傘下へ組み入れてきた方だと伺っています。ケイン様もそうしたいという希望をお持ちでしたわ」


 だが、その直後からオレの行方が知れなくなった。オレの存在を危険視したタケル・マティスによって殺されかけたのを、オーリィが命がけで南の大陸へと誘導してくれたんだ。


 もっとも、そんな事情を知る人間がいるはずもない。誰もかれもが探しあぐね、諦めていく中でハインツ商会長が考えたこと。それが後継者となるための条件にオレの賛同もしくは取り込みを加えたんだとか。


 なるほどね、峠の休憩所で話しかけてきたのは自分の思惑を説明して、あわよくば取り込みたかったからかな。

 それにしてもはた迷惑な。本人のあずかり知らぬところで標的とされるとは。


「それほど貴方が欲しかったんだろうな……あの人は」


 ぽつり。

 水滴が落ちたような呟きをディー君が漏らす。


「? どういう意味だ?」

「僕を含めて……自分の子供たちがふがいないから、だ」

「! そんなことは!」

「あるんだよモナ。あの人の基準から見るとね」


 自嘲の笑みを浮かべるディー君。その笑い方やめろ、イタイから。


 どういうことかと訊ねて返ってきた内容を整理してみれば。


 ハインツ商会長には4人の子供がいる。上から順にアラン、ビストマ、クルス、ディシオ。すべて男で、それぞれが店を任されている。


 商会長は行商の傍らそれぞれの店を訪れて経営者の指導育成を行っているんだが、どうもその成長度合いに不満があるらしい。


 長男のアラン。

 人を使い命令に従わせることは上手だが、いかんせん将来への見通しが甘すぎる。


 次男三男のビストマとクルス。

 双子だが見かけも気性も正反対。ビストマは癇癪持ちで短気、クルスは穏やかだが陰険腹黒。お互いを毛嫌いしており、何かと張り合っている。


 四男のディシオ。

 小さい頃から上の3人に抑えられて臆病な性質に育ってしまった。小さい商いなら大丈夫だがそれ以上は心もとない。


 子供たちの誰もが安心して商会を任せられないことに気づき始め、内心かなり焦っていた商会長が出した、後継者としての条件が……


「優秀な右腕を見つけること、となっているのか」

「ええそうですの。店長を補佐し、なおかつ出過ぎず誇らずに仕事をする、そんな人材を探してこい! とおっしゃいましたわ」


 そう答えるモナンザの表情があまりに他人行儀に見えたのが気になった。


「モナンザ、さんだったか。あんたの眼から見て、商会長の4人への評価をどう思う?」

 ふと思いついて聞いてみる。


「そうですわね。……大体のところは商会長の評価に近いですわ」

 ほぉう、そう来たか。なら、ちょっと突いてみるか。


 軽く首を傾げ、金髪を指さす。


「ディー君もそうなのかな?」

「「なっ!」」

 二人そろって真っ赤になる。だーかーらー、声まで揃えるなってば。


「どっ、何処でその呼び方を……っ!」

「なぜご存じなの!」

「驚く声まで揃えておいていまさら何を白々しい」


 文字通り白い眼で見てやると、


「「あうう……」」


 ハモるなって…………ああ、もういいや。疲れた。



 ……嫌な予感がする。また甘々なカップル誕生か?






 今回はそれほど長くならない……つもりです(汗)

いえ、本当に。

このあとが長くなりそうなので、ちゃちゃっとまとめます。

……嘘つきにならないよう、頑張りますので、温かい眼で見ててください。

更新が遅くなりましたが、おいでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >非礼だとは十分理解している。 理解してこれなんでしょうか?
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