エピローグ
司教による王族への呪いの事件が解決し、五年が経った。シーテリア王国は貴族への評価基準を改め、領民の幸福度、活力が大きく考慮されるようになった。
王弟のアッシュは多くの反対を振り切り、かつてプルシェンテから国外追放されたエリザベスを妻に迎えた。王弟夫妻は、シーテリアの領地や国外への視察を頻繁に行い、王の目と耳として活躍していた。
季節は暖かい風が吹き始め、王宮の窓からは花の香りが吹き込んでいた。
廊下を走る三歳の男の子の後を侍女が急いで追いかけている。
男の子が大きなドアを開けると、ソファーに腰掛ける少しお腹の大きくなったエリザベスがふっくらとした笑みで男の子を見た。
「母上」
男の子が母のそばに寄ると、母はその銀色の髪を優しく撫でた。
「今日は父上が一緒にボール遊びをしてくださいました」
男の子が母譲りの緑がかった青い瞳をきらきらさせて報告した。
「ルーク、よかったですね」
母に撫でられて嬉しそうな男の子は子犬のようだ。
「僕もいつか父上みたいに狼に変化できるようになりたいです」
今や、王弟のアッシュが狼に変化できる事は広く国中に知れ渡り、王家を守護する者として尊敬を集めていた。
「そのためには魔女に会わないといけません。魔女は怖いですよ〜」
エリザベスはキャッキャと笑う息子を抱きしめた。
fin.
最終話まで読んでいただき、ありがとうございます。
ちゃんとアッシュとエリィの物語を着地させることができてよかったです。
真面目で肩に力の入った二人で、気づけば堅苦しい会話ばかりになってしまう所にノアがいてよかった……
感想や評価をいただけるととても嬉しいです。




