はじまり
俺は混乱していた。後ろにのけぞってから体を起こすと、
目の前にショートの銀髪の可愛い女の子が俺を卑下するように見下していたからである。
ちなみにさっきまでの状況は・・・・
パンツと思われる物体の調査を自分の部屋でしていた。
これが正しい解だと思われる。しかし、この解とは状況が違う。混乱して俺は思わずつぶやく。
「パンツは・・・・?パンツは?」
その言葉を聞くなり、目の前の女は俺をぶった。頬に痛みを感じる。
「この、変態が。」
そして、思いっきり罵られた。彼女は芋虫を見るみたいな目で俺を見ていた。いや、生ごみを見るような目立った。いや、それでは生ごみに失礼かもしれぬ。生ごみを見るレベルよりも2ランクくらい気持ち悪いものを見る目だった。
俺は少し興奮した。
「と、というかあなたは誰ですか?俺はパンツを学術的に調査していたはずなんだけど・・・。」
「しかし、うちはなんでこんな奴を・・・・。」
目の前の女の子は全く俺に関心を寄せていなかった。いつの間にか頭を抱えて独り言をつぶやいておられる。
「あのー?」
「なんじゃ?」
「どなた様なんでしょうか?」
ここで目の前の女の子はため息をつく。ものすごくがっかりしている様子だ。俺がなにか悪いことでもしたのだろうか。
「うちはなあ。あんたを追いかけてきたんじゃ。恩返しをしにな。」
「え?言っている意味が分からないんですけど。」
「そりゃ、そうじゃろう。あんたは今までこの姿のうちにおうたことはないんじゃけえ。見覚えのない女の子が家のど真ん中におったらびっくりするじゃろうし、わけわからんじゃろうな。しかも、恩返しなどと言い出しおるしのう。」
「はあ。」
「でもな、わしはお前さんにかえさんといけん恩があるんじゃ。しかし、こんな変態だったとはがっかりじゃ。」
俺はいまだに要領がえない。いまだにパンツのことで頭がいっぱいであったのだ。考え事を途中で放棄するのは甚だ苦手だ。Pantsから目の前の女の子のことを考えるまで頭がまわていない。俺は情けないことにここでまたもつぶやく。
「それでパンツは?」
「あんた本当にパンツが好きなんじゃねー。変態さんじゃあ。まあ、よい。うちはパンツの行方を知っておる。」
「本当か!?」
「食いつきがいいの。うちはどん引きじゃ。でもあんたはうちの恩人じゃけえな、教えてやろう。パンツはうちのことじゃ。」
俺は混乱した。