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029話 俺は無理だった。
「お前早く逃げろー。」
「わかってる。けど、逃げれないんだよ。」
ウルフが、1回目噛んだときに麻痺を体内に入れられていた。
「旦那ー。」
「ダメだ。イリア行くな。」
シンは、イリアを押さえた。
「話してください。私は旦那を守りに行きたいんです。」
「イリア。行っても、イリアも死ぬだけだ。」
「そんなのわかってるわ。だけど、旦那を助けることができるなら私の命ぐらい捨ててもかまわない。」
ブレスは、イリアの肩に手をかけた。
「イリア、諦めよう。」
ブレスは、もう旦那が助からないと決めた。
「何でブレスまで、諦めるの。」
「旦那を見てみなよ。」
旦那の方を見た。それは絶望になっている。
「そんな…、旦那…。」
「これで、わかったよなイリア。」
「シンさんの言うことはわかりました。」
ウルフの凍った牙の氷は砕けて無くなった。
「旦那、すいません。」
そして、最後に旦那は言った。
「俺様は誰も守ることができなくてごめん。」
後ろからウルフは、俺様の首を食いちぎった。そして、シン達は俺様が食われている間に姿を消した。
俺様のゲームは、終わりを向かえた。




