第25話 増えるニューワールドの新規プレイヤー
自作のラノベを生成AIを用いてコミック化するチャレンジをしています。
※コミックと原作で、一部地名や固有名詞が異なっています
「ニューワールド」(原作版)→「ユークライン」(コミック版)など
『ニューワールドにログインしました』
私は帰宅し、さっそくニューワールドにログインする。
今まで以上に、サーバーは混み合っているようだ。
昨日までは、どのサーバーも空いていることを表す青色のサインが出ていたのに、今やどのサーバーも真っ赤なサインで混雑度が高いことを示している。
おそらく、ニュースをみて興味を持った人たちがゲームに参加しだしたのだろう。
プレイ画面には新しく、為替ボードのメニューが作られており、クリックすると1P=360Gと表示されていることに気付く。
今までのように取引に応じてくれるプレイヤーを探さずとも、ここに表示されている換金ボタンをクリックすることで、換金所のように交換してくれるようだ。
クロールタウンも、既に多くの人で溢れていた。今までの5倍ほどの人の数だ。
私は、町の様子を確認するため、港町リプールに移動してみる。
クロールタウンでこの人数なら、最初の町はもっと人数が多いだろう。
リプール周辺の草原に着くと、いるわいるわ初心者プレイヤーの大群が。
みんなこぞって素手でスライムを倒している。
彼らは、現実世界で今までアルバイトをしていた高校生や、派遣社員だった人たちなのかもしれない……。
そう考えるとなんだか感慨深い。この世界では現実世界よりも恵まれるように、応援したい気持ちになる。
私は、つい声をかけてしまった。
「グループ狩りしませんか?」
「是非お願いします!」
「オレも!」
「お願いします!」
中級職の強そうな私の姿を見て、こぞって初心者たちが反応してくれる。
私は、彼らを一人一人グループに招待した。
すると、グループの人数は総勢15人の大所帯になってしまった。
グループリーダーの私は、まるでアルバイトしていたファミレスの店長のようである。
あのファミレスも、だいたい従業員とバイトを合わせて15人くらいだっただろうか。
そういえば、高校の帰り道に前を時に気付いたが、あのファミレス、もうすぐお店を閉めるとの張り紙が張られていた。
店長は、次は何の仕事をするのだろうか。
もしかして、ニューワールドを始めていたりして。
そして、このグループの中にゲームを始めたばかりの店長が紛れていたら……。
まるで世界がひっくり返ったように、店長と私の立場が逆転しているな。
私は、プレイヤーが少ないフィールドに移動して、高速でスライムを倒して回る。
15人のグループメンバーがいるから一人一人に入る経験値は少ないものの、私がものすごい速度でスライムを倒しているから、経験値獲得効率は良さそうだ。
グループメンバーの初心者たちが喜んでいる。
「レナさん強すぎ!」
「めっちゃ経験値入ってくるw」
私にとっては、何もメリットがないのに、何をやってるんだか……。
しかし、こうやって人の役に立つのは、悪い気はしない。
スライムの狩りを続けていると、グループメンバーの初心者たちのレベルがあがってくる。
私はスライムがドロップするアイテムやGはわざわざ拾わないから、私の後ろについてきてそれらを拾うプレイヤーもいる。
まるで、親鳥についてくる雛鳥のようで可愛い。
もし、もしであるが、このまま多くの人が現実世界からニューワールドの世界に移ってきたら、今はまだ初心者の彼らも、いずれはもっと強くなって、この世界では恵まれた立場になるのだろう。
そして、現実世界にいつまでも固執している人々、保身に努める人々は、このニューワールドの世界では下っ端。
現実世界で威張っている学校の先生や、バイト先の店長・正社員、会社のお偉いさんは、みんなこの世界では初心者からスタートである。
もちろん、生まれ持ってお金持ちのプレイヤーもいない。
現実世界よりもニューワールドの方がお金を稼げるようになれば、もはや現実世界に固執する必要性はないのだ。
まだ、ニューワールドは始まったばかりだ。
しばらく初心者たちのグループ狩りを手伝ってあげ、それなりの満足感を得た私は、もっと強くなりたい、権力を持ちたい気持ちが芽生えてきていた。
もっと強くなれば、多くの人を手伝ってあげることができる。
「みんなお疲れさま。
私は抜けるね」
「えっ、もうですか!?」
「レナさん、ありがとうございました!」
「またお願いします!」
「うん、頑張って」
『グループを退会しました』
私は更に強いモンスターを求めて、リプールからクロールタウンへ、そして更に北へ向かっていった。
そして到着したのが、トイランド。
おもちゃ箱をひっくり返したようなファンタジー感あふれる街だ。
町にいるプレイヤーは皆、中級職や上級職ばかり、中には超上級職とみられるプレイヤーもいる。
後ろにネコやスライムを連れて歩いているプレイヤーもいて、楽しげだ。
ペットだろうか。
トイランドを徘徊していると、ペット屋の看板を見つけた。
入ってみると、優しそうなおばさんが話しかけてくれる。
「お姉さん、ペットはどうだい?
可愛いわよ~」
「ええ。町で見て気になって」
「あらそうなの。
買いたい子はいるかい?」
おばさんが指さすメニューを見てみる。
・ネコ
2,000,000G
・イヌ
3,000,000G
・キツネ
5,000,000G
・スライム
10,000,000G
・ミニドラゴン
ドラゴンの卵10個
優しそうなおばさんが売っているペットの値段は全く優しくはなかった。
「なるほど……。
ペットは、後ろについてくるだけなんですか?」
「ネコとイヌはそうね。
キツネは命中率、スライムは防御力が少し上昇するわ。
ドラゴンは、自分が攻撃した後、その半分の威力で追加攻撃してくれるの」
「へえー」
これは使えそうだ。現実主義の私は、ネコとイヌはいらないとして、能力値アップをしてくれるペットは魅力的だ。
でも、能力が既に相当数強化されている私にとって、最も助かるのは、ミニドラゴンの補助攻撃が最も有効だろう。
手に入れたい……。
「この、ドラゴンの卵っていうのは、どこで手に入るんですか?」
「それはねえ。
このトイタウンの異空間の狭間から繋がっている、雪山の中にあるのよ」
「異空間の狭間ですか」
「そうそう、トイランドから色々な場所にいけるのよ。
で、その雪山の奥にドラゴンがいてね」
「そのドラゴンがドロップするんですね」
「そうね。
でも、強いわよ。大丈夫かしら」
「ふふ、大丈夫です。
こう見えて強いので」
「そう、頑張ってね」
よし、直近の目標として、そのドラゴンを倒してドラゴンの卵を10個集めよう。
ペットショップから出た私は、おばさんの言う通り、異空間の狭間に足を運ぶ。
ゴゴゴ……。
その狭間は、ブラックホールのように周りの時空を歪ませ、不気味な光を放っていた。
こんなところに飛び込むなんて大丈夫なのだろうか……。
ゲームとはいえ、あまりにリアルな目の前に存在する怪しい淀みは、流石に足がすくむ。
私は人間関係においては恐怖をあまり感じないのだが、お化け屋敷やジェットコースターなどの物理的な恐怖はごく普通の高校生と同じように怖いし、むしろ苦手な方なのだ。
しかし、そうは言ってられない。所詮ゲームだ。
死ぬことはないだろう。
お遊びなのだ。
意を決して、目をつぶりながら異空間の狭間に飛び込む。
……目の前が真っ白になった。
と思ったら、目の前に広がるのは、雪が積もる山脈であった。




