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第22話 暑すぎる無風の岩場。薄着になる女性3人。

自作のラノベを生成AIを用いてコミック化するチャレンジをしています。


※コミックと原作で、一部地名や固有名詞が異なっています

「ニューワールド」(原作版)→「ユークライン」(コミック版)など

 カナデがこちらに振り向いた瞬間、トカゲのモンスターは口を膨らませて、今まさに炎を吐き出そうとしている。


 このままではカナデは避けられない!




 私は、反射的に盗賊の固有スキル俊足を使用する。


 ビュゥン!




 そして、そのままトカゲに向かって走り首元を切りつける。


 ズサァッ!




『670のダメージ!』




 その間、約0.3秒。


 強化の書により素早さが極限までアップされたのに加え、俊足スキルにより私のスピードは肉眼で追えるレベルを優に超えていた。


 あまりの速さにカナデは腰を抜かし、ペタンとその場に座り込んでしまう。




「うわああああああん!」




 え? カナデが大声で泣いている……。




「カナデ、大丈夫?」


「ううう……びっくりしたよぅ」




 カナデはおそるおそる顔を上げてこちらを見る。




「あれ……、レナ?」


「びっくりさせてごめんね。


 手伝いに来たよ」




 カナデはクールでシャイな女の子だと思っていたが、たまに見せる笑顔は飛び切り可愛いし、すごく怖がりな子だったようだ。




「……ありがとう。


 レナ、転職したの?」


「うん。一足お先に、ね」


「……すごい」


「キャメルも生命の石を5つ集めたから、次はカナデだよ。


 いまいくつ?」


「……まだ2つ」


「えらい!


 キャメルは1つだったんだよ」


「あっ! も~言わないでよ~」


「あと、3つ、3人で集めようね」


「……うん」




 私はあちこちの岩場に飛び移り、トカゲのモンスターを倒して回る。


 超上級職レベルの強さを持つ私からしたら、朝飯前……だが、想定外のことがあった。


 暑すぎるのだ。




 流石にいくら強くたって、暑さには勝てない。




 後ろを振り向くと、もともと上着を脱いでへそ出しタンクトップ姿だったカナデに加えて、キャメルもスポーツブラのような格好になっている。


 スポーツブラにレギンス、これからフィットネスにでも行くかのような服装で剣を振り回しトカゲと戦っているのだから、見ていて少し滑稽である。




 とはいえ、私もキャメルをみて笑っていられない。


 服装を変更するアバター画面を確認すると、盗賊用のアバター(ファッション)がいくつかあった。


 私はその中から、最も薄着のアバターを探した。


 見つけたのは、胸元がビキニのようになっていて、肩にも少し生地があるがお腹が見えている、黒色で盗賊っぽい上半身用アバター。そして、ベルトとチェーンがついている黒色のミニスカートの下半身用アバターである。


 早速そのアバターを装着してみると、薄着だからかなり涼しい。


 よし、気合が入った!




 ……再び狩りを再開し、100体ほど倒したところで、3つ目の刀剣の石を拾った。




「おまたせ!


 3つ集めたよ」


「えっ! レナ、早すぎ!」


「……ありがとう」


「いいよ!


 それにしても、暑いねー」


「うん。我慢できなくて抜いじゃった。


 レナもそのアバター、可愛いね~」


「私も薄着にしたの。


 動きやすいし、しばらくこれでいこっかな」


「……いいと思う」


「それじゃ、クロールタウンに戻ろっか!」


「うん!」




 3人でクロールタウンに戻る。


 強さがあれば、こうやって自分の周りの人たちを助けることができる。


 私は、柄にもなく人から必要とされることに若干の嬉しさを感じていた。


 もっと強くなりたい。


 権力が欲しい。




「私たちは森の神殿で集めた石を私に行ってくるね!


 次に会うときは、ヒーラーになってるね!」


「……ボクも戦士になってる。手伝ってくれてありがと」


「うん、それじゃまたね!」




 私は手を振って3人と別れた。


 その足でフラフラとクロールタウンの広場に行ってみると、ここでもまた、リプールの広場のようにたくさんの取引が行われていた。


 プレイヤーの取引を観察していると、あることに気付く。


 初級職のプレイヤーが叫んでいる。




「1P=500Gで売ります!先払い相談可能!」




 なんと、私がイタチの指輪を購入した時は、1P=5000Gが相場だったが、現在は1P=500Gで取引されている。


 つまり、リアルマネー1円の価値が5000Gから500Gに下がっている。反対にいえば、ゲーム内通貨Gの価値がこの短時間、現実世界でほんの数週間経った間に、10倍になっているのだ。


 おそらく、現実世界でこのニューゲームをプレイする人間が増えてきたため、ゲーム内通貨Gの需要が急増したのだろう。


 SNSでバズったことがきっかけで、若者を中心にこのニューワールドを始める人が急激に増えてきているらしい。


 そしてゲーム内で強くなりたい人たちがこぞって課金をするせいで、Pの価値が急速に下落し、逆にGの価値が高まっていると考えられる。




 私は現在、詐欺師のヒーラーが強化装備とともに移動したものも含めて所持金が5,000,000ほどあるが、これは現金にして1万円の価値をもっている。


 これは、バイトをして稼ぐよりも、ネトゲでモンスターを倒した方が効率が良いのではないかと思わせる金額だ。


 そして、このままGの価値上昇が進めば、1万円どころか、もっともっと高い価格で円と換金できるだろう。




 こうして考えると、このVRMMOの世界はまるで現実世界のように自由に動けるし、5感である視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚を十分に感じられる。


 何不自由ない。それどころか、長距離走っても疲れないし、モンスターから攻撃を受けても痛みはほとんどない。


 5感はそのまま再現されているのに加えて、快の感覚はそのままに、不快な感覚はほぼシャットアウトされているのだ。




 現実世界よりもよほど生きていて心地が良い。


 そして、ニューワールドの世界の経済でお金も稼げるとしたら……、みんなこのニューワールドの世界で自分の存在価値、承認欲求を満たすようになり、現実世界と仮想世界が反転してしまうのではないか……。


 そんなことを考えていると、後ろから声が聞こえてきた。




「レナ! 転職できたよ!」




 キャメルとカナデだ。




「おめでとう!」




 キャメルはヒーラーになって、水色のシャツにひざ丈ほどの白色のスカートのアバターに身を包んでいる。優しさあふれる雰囲気もあいまって、聖母のようだ。




「……もっと強くなった」




 カナデは、赤色を主体とした女戦士っぽいアバターになっている。




「カナデ、似合ってるよ」




 カナデはただでさえ赤色の服装なのに、顔も赤くなっている。




「これでみんな、中級職になれたね!


 ほんと、レナのお陰だよ」


「私も、喜んでくれて嬉しいよ。


 じゃあ、今日はこれでログアウトしよっかな」


「私も。


 明日から高校のテスト期間だ~。


 嫌だなあ」


「……ボクも」


「あれ、みんな、高校生?」


「そうだよ~。


 レナも?」


「そうだよ!」


「……ボクも高校生」


「そうなんだ!


 私のまわりで流行ってて。ニューワールド」


「そうなんだ。


 もしかして、キャメルもカナデも一緒の高校だったりして」


「そうかもね~、なんて!」


「はは。それじゃ、また一緒にプレイしようね」


「うん!お疲れ~」


「……おつ」




『ニューワールドからログアウトしました。』

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