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スポットライト・オン・ゾンビ!!!!  作者: 葉月いつ日
フォーエバー・カプリコン
49/54

長崎県4.

✱アクセス有難うございます✱


毎日AM8:00とPM9:00に投稿!


ようこそ!

『スポットライト・オン・ゾンビ!!!!』へ!


慌ただしい毎日の、ちょっとした一時にお付き合い頂き、本当に有難うございます。


僅かな時間ですが、ごゆるりとお楽しみください。

 ……………………………

 ……………………

 ……………


『……作戦は滞りなく進み、各地で絶大の効果を発揮している模様です。既に北海道では約30パーセントのアンデッドが消滅しているとの報告があり、それ以外の地方でも作戦が進んでいるとの情報です』




 ……………あ………はぁ?




 何だ……


 何がどうした……


 俺は……


 どうなった?


 どうなっちまったんだ?



 音が……


 相棒が……


 ラジオの声が……


 聞こえる……だと?



 平和記念像が……


 あるし……


 最古参ゾンビが2体……


 見える……だと?



 何がどうしてどうなったかは分からないが、何もどうにもどうなってもいない現状に理解が追いつかない。


 視線を下げると、持ち上げた俺の両手、ガサガサにくすみきった皮膚が骨にこびり付いているだけの、俺の両手が確認出来る。


 俺は……


 消滅するはすだったのでは無かったのか?


 華々しく、前方の最古参ゾンビに向かってフィナーレを奏でるのでは無かったのか?


 醜く汚く液状化して、骨だけを残すんじゃ無かったのか?



 訳が分からねぇ……


 戸惑い、


 困惑し、


 混乱が混同し、


 混迷と狼狽が無秩序に俺の死滅した脳細胞を当惑させて……


 目眩を起こしそうだ。



 だがしかし、そこで俺はようやく世界の異変に気付いた。


 何故、俺が消滅しなかったか……


 何故、今現在も、醜い『骸の兵士』の成れの果てのままでいるのか……


 その事実に再び、脳ミソだったカスが大混乱を起こして理解不能におちいりそうだ。



「デッドリーラインが……止まっている……だと」



 俺の背中のすぐ傍で、破滅のプレッシャーを与え続けたまま、デッドリーラインは俺を追い越そうともせずにピタリと止まっていやがった。


 それと同時に、引っ張られ続けられた力も失い、歩かされ続けた足も止まる。


 しかし、思考だけは止まるどころか困惑のビッグウェーブに飲み込まれ、鳴門海峡に放り込まれたかのようにグルグルと駆け巡りやがる。


 だからと言ってだ、萎縮して黒ずんでいるであろう役立たずの脳ミソのカスでも、


 例え元の健在だった頃のピンクの脳ミソであっても、


 恐らくこの事態を即座に理解するのは不可能だろう。



『現在、各地で進行中の作戦はリアルタイムで各国に情報が送られ、その効果に当初懐疑的だった各国首脳も絶賛の声が上がっているとの事です。現在も兵器の問い合わせが殺到し、日本政府は『SEISUI・06』の増産を急いでいるとの事です』


 そんなラジオの……


 相棒の声よりも、いち早くこの事態を理解できるものがあった。




 本能だ。




 それは人間だった頃のそれではなく、自衛官だった頃の研ぎ澄まされた緊張感にもとずくものでも無い。


 紛れもない、ゾンビになってからの、人間との生死をかけた戦いの中で生まれ育った本能そのものが、いち早くこの異常事態を感知し……


 そして理解した。


 ヤバい……っと。


 俺の中の、『骸の兵士』の本能がそう叫んだ直後だった。


 無意識のうちにダラりと垂れ下がった舌を戻し、ガクリと落ちていた下顎を持ち上げると同時に視線を平和記念像の上に持っていき、そして喉の奥から音が漏れ出てきた。


【死が……やって来る……逃げろ……逃げろっ!】


 ゥォォオォォォォォォォオォッッッ……


 力なく漏れ出た唸り声だったが、それでも周りの最古参ゾンビには届いたのか、微かに共鳴する様に俺の耳にも唸り声が届いてくる。


 ガォァァァッッッ……

 アァァァァァァッッッ……

 ゴァァアァ……

 ウオォォォッッッ……


 そしてまた俺の、『骸の兵士』の本能が全身にピリッとした電気を走らせ、頭が理解するよりも先に身体がその場で反転した。


 何を思ったか……


 いや、何も考えていなかっただろう。


 本能だけが足を一歩前に踏み出す。


 するとどうだ。


 俺にプレッシャーを降り注いでいたデッドリーラインが……


 今は目の前、鼻の先にあるデッドリーラインが……



 ズズッ……



 っと、重厚感のある音を立て、


 この世界ごと、


 この空間ごと地面を引きずるように、俺と同時に移動しやがった。



 すこぶる驚愕もしたし、困惑もした。


 これでは俺が、先頭ゾンビでは無いかと戸惑いもした。


 それはあくまで、辛うじて残った脳ミソのカスが、少なからず保っていた理性のなせる技だ。


 しかし、『骸の兵士』の本能は、この場に留まることを許さないがの如く、俺の両足をズルズルと動かし始めている。


 そして俺の歩みと共に、目の前とデッドリーラインもズズズっと、音を立てているよ様な感覚を残し、移動を開始した。


【逃げろ、逃げろ、逃げろっ! 死が迫ってくるぞっ! 逃げろっ!】


 オォォォォォォォォッッッ……


 力なく漏れ出る声に、再び共鳴が起きる。


 ウォォォォォォッッッ……

 アァァァァァッッッ……

 ガアッ……ガアッ……ガアッ……

 グゥアァァァァァァッッッ……


 その雄叫びは後方遠くからも響き渡り、俺たちは駆り立てられるように最大限の速度で、その場を後にして行ったのだった。



『本日、我が国の各地で行われたアンデッド撃退作戦は大いなる成功をもたらしております。この対アンデット用化学兵器『SEISUI・06』は、防衛省の威信をかけて極秘に開発した薬品で、アンデッドに特化したこの化学兵器は、各地を徘徊していたアンデッドを殲滅させているもようです。現在は長崎県長崎市の平和公園での作戦に着手したとの情報も入ってきております』

毎日AM8:00とPM21:00投稿!


貴重なお時間を使ってお読み頂き、本当に有難うございました。



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