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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3300周目!
204/204

えんかうんと!

さあさあ探索探索ー!

アーーーイ!!!!アンナ・グリムディア!a.k.aシレーティナ=ヴィリア!


というわけでやほー。アンナちゃんだよー。


初講義やってからー、時間飛んだよ!


講義は何回もやった!内容?えーとね。


地底湖に行った!メインはここで動いたねー。


野生の敵がたくさんいたから倒した!私以外の奴らが!


皆ちょっとずつ強くなってるね。連携も取れてきた。


クラウディアがキレた!


いい加減次代の王としてヒノを王妃候補にするなら庇いすぎだ!もっと勉強させろー!って。


「私は別に王妃でなくても構いません!国を支える事に立場は拘りません!殿下がこの先王となるのであれば!この国の行く末を考えるのなら仲睦まじい方が隣に座られる方が良いです!しかし!しかしです!王妃となるのであればそれ相応の重責がございます!殿下が選ばれた方にそれを教えるのは当然の事!例え嫌われようとも悪と言われようとも!私は!私は⋯⋯!」


と。


⋯⋯私って、こんなに国を想って言ったことなかったな。


純粋に、すごい。


ヨオミもヒノも流石にこれは堪えたのか、何度も謝って、それからの行動が変わった感じだったかな。


ただまあ、それがダンジョンの中でなければよかったかなぁ⋯⋯?


色々と口論的なものがあったとはいえ、洞窟かつダンジョンの中だったからもうその後は大連続狩猟ですよ。


で、今その後の休憩中です。


やー、皆頑張ったねー。満身創痍ってやつだねー。


私?たまにやばそうなのはたき落としたりするくらいで基本見てるだけでしたわー。


基本自分で対処出来るようにするため隠密つけてたから狙われませんでしたわー。


放任?いやいやこれも勉強よ。


だって今私が周辺警戒してますしー。


ちょっとなんか来ても見える前に魔術で消してますしー。


やー魔術便利。


傍から見ると本読んでるだけなんだけどね。


あ、そうそう。やってて気付いたんだけど。


私の魔術、なんとなーく黒い気がするのよね。


こんな色してたっけ⋯⋯?ってレベル。普通に見てたら気付かないくらいだけどね。


なんだろね?魔術回路精査しても問題見つからないし。


⋯⋯まあいっか。


それはそれとして思った以上に奴ら、疲弊してるから時間かかるかな⋯⋯。


回復魔術かけあってるのは良い事です。


とりあえず後衛組は寝なさいな。魔力の回復には寝るが一番ですしー。


よく寝てよく食べてよく動くのが回復には大切ですからねー。


⋯⋯⋯⋯。






「おはようございます⋯⋯すみません。」


ん、おはよう。ヒノちゃん。


「体力は回復できた?」


「はい、おかげさまで。⋯⋯これ、なんですか⋯⋯?断絶式⋯⋯?」


「ただの結界よ?教え子が寝てる間に襲われちゃ面倒だからね。」


どうやら私の魔術に驚いているみたいね。まあ当然とも言える。


だってー。


結界の中は本能でわかるくらいに安全な場所なのにー。


外側は血の海!大量の獣の死骸!


途中で本読むの飽きてちょっと遊んじゃいました。うふふ。


美味しかったですわ。


「私達が倒した量よりある⋯⋯⋯⋯『やっぱりこのイベントだ』⋯⋯」


⋯⋯。


今、小声で何語を話した?



「『だとしたらここでこの人と少しでも近付いておかないと⋯⋯』」


⋯⋯過去遭遇した言語を検索。


「『でも近付き過ぎると死ぬ⋯⋯』」


0件該当。


言語かすら不明な口の動きを検索。


「『ただでさえシナリオ通りじゃないのにイベントだけ近いんだから⋯⋯』」


魔術発動。精査。


魔術発動。復音。


「『ここはどうしたらいいんだっけ⋯⋯』」


魔術発動。拡声。


今の声を少しでも戻して聴き取る⋯⋯


「『⋯⋯お腹すいてない?がノーマルだった気が⋯⋯』」


何語だ。もっと精査⋯⋯


■術ハtu動⋯⋯


「『ああもうこんな事なら作ったポテチ持ってこれば良かった』」


⋯⋯!


「『ポテチあルノ?』」


1件ヒット!


「っ!え、あ、え?」


「『おうぃシいぽてちハあルノ?』」


「『な、なんで⋯⋯』」


⋯⋯発音が難しいけど、どうやら正解らしいわね。


となると今まできいた音からして⋯⋯


「『ツぅじティル?』のかしら。」


「『どこでその言葉を⋯⋯!?まさか、あなたも転生者⋯⋯!?』」


⋯⋯ヒット。


「『転生者』」


意味。転生した物。輪廻の中で前の生を知るもの。


神話より引用した意味。外界、輪廻の外より来たりし者。遥か遠き異界の者。


⋯⋯ふぅん?


「『あんマり言葉ゎかルァヌィけどネ?』」


「あ、あぁ⋯⋯うあぁぁ⋯⋯」


え。


「『うあぁぁぁ!』」


異界の言葉で叫びながら泣いて突撃しないでくれるぅ!?!?!?


「『なんでなんで懐かし寂し帰りたいよなんでこんな事になってるのよ生きてたいよおぉぉぉ』」


なんて言ってんのかわかんねぇ!!!!!!つーか涙と鼻水が!抱きつくな!!!!


とりあえず落ち着けえぇぇ!!!!?





















「ごめんなさい、本当にごめんなさい⋯⋯。」


落ち着いたようで何より⋯⋯


代償に私の服が大変べとべとになりましたけどね⋯⋯⋯。


「とりあえずお水飲みなさい⋯⋯」


えー⋯⋯。とりあえず魔術発動ー⋯⋯清掃。


「相変わらず凄いですね⋯⋯魔術⋯⋯。」


あーうん⋯⋯。


「⋯⋯⋯⋯それで、貴女は、その、転生者なのですか⋯⋯?」


⋯⋯。


「ごめんなさいね、違うわ。ただ、その言葉を話してた人が居たからわかっただけ。」


「⋯⋯そう、ですか。」


期待させたならごめんね?


「それで、その人は何処に⋯⋯?」


「ごめんなさい、わからないわ。⋯⋯ただ、ポテチっていうのを売ってた商人だったから。」


どこかのループでポテチ売って成功してた男!


⋯⋯ってことはあれも転生者だったのね。どうりで聞いたことない言葉らしきもの話してたのね。


「そうなのですか⋯⋯それで、ポテチに反応したんですね。」


そうです。


「『そっかぁ⋯⋯だからノーマル選択肢なんだ⋯⋯』」


また異界の言葉ですか。


「えーと、なんて言ったのかしら?」


「あ、えっと。えー⋯⋯そのですね。」


んー?


「この言葉わかる人、貴女で2人目だって言ったんですよ。」


へえー。はぐらかされたわー。


「もう一人いるの?」


「はい。」


「ヨオミ・ヨムニール?」


「っ⋯⋯!わかりますか。」


べったりだものねー。異界語が通じる相手がいるならそりゃあ近づくよね。


「それで近付いてたのね。しかも変な言葉話してたら異様に見えるから小声で話してると。傍目からみたらイチャついてるくらいに近付いて。」


なんとなーくわかってきたぞー?


「う⋯⋯」


「しかも過保護なくらい庇う⋯⋯んー。そうなるとあっちも転生者かしら。異界の事⋯⋯故郷も近いのかしらね?」


なるほどなるほど、だから異様なまでに保護する。なるほどねぇーーー?


「⋯⋯あの」


なあに?


「転生者、ってことを、信じるのですか?」


「質問に質問を返す形になるけれど、なぜ信じられないと思ったの?」


それは異界のせい?


「え?⋯⋯えっ、と。」


「神話は学んだよね?特に精霊王の所は確実に。」


「は、はい。1年目で⋯⋯あ!ああ、そういう事!」


いえーす。


「精霊王は異界より堕ちてきた。」


「精霊王の姿を模した絵を本で見た⋯⋯!」


「どんなだった?」


「服は神様って感じだったけど⋯⋯でも、精霊王が伝えたってされてる剣!あれは!」


「そうだ。あれは精霊王が作り出したとされるトウだ。そして我々はそれを模したものを代々使用している。」


ヨオミ・ヨムニール。


「おはよう。体力は回復した?」


「ああ、問題ない。助かった。⋯⋯そして申し訳ない。この事態を招いたのは「黙りなさい。それは私に言うべき言葉じゃないでしょう。頭を下げる相手を間違えるな。」


それは私にする事じゃないでしょ。


「殿下⋯⋯。」


「⋯⋯ごめん、俺が庇いすぎた。」


「ううん、私も甘え過ぎた⋯⋯ごめんなさい。」


うんうん。


「で、二人共。」


クラウディアにはちゃんと謝っておこうねー。


「⋯⋯はい。」


「なんて説明するのかしら?」


ねー?


「⋯⋯。」


困るよね。言う方も聞く方もー。


「過保護なまでに庇う理由が精霊王関係の事ってなると説明しにくいよねー。」


そう思わない?


「うん⋯⋯どうしたらいいんだろ⋯⋯。」


「⋯⋯この国は精霊王に縁ある場所だ。下手に話すと良くて神殿に隔離、悪くて⋯⋯」


「生きた聖遺物として魔術保存されるでしょうね。ましてや神殿に近いグリアリート家に伝わると考えたら警戒、話すべきでないと判断するでしょうね。色々合点がいったわ。」


ね、クラウディアちゃーん。


「っ、クラウディア!」


「い、いつから」


「殿下が話に参加してすぐですわ。全く、目を覚ましたら周りが血の海で驚いていたらさらに驚く話が聞こえるし。私の心労を一気に増やさないで貰えるかしら!」


あはは、ごめんねー。


「あ、あの、」


「聞いたのなら仕方ない⋯⋯クラウディア。」


「何かしら、異界を知る殿下様。」


「申し訳ない。謝って済む事では無いと思うが、すまない⋯⋯。」


「ごめんなさい!」


「それは何に対しての謝罪なのかしら。」


「全てだ。これまでの行い、扱い、秘匿していた事、全てだ。」


「⋯⋯。」


うわ。クラウディアちゃん目が凄い冷たい。


「ヒノさん。」


「は、ひゃい!」


すご、ここまで顔にやべぇ殺されるって書いてあるの初めて見るわ。


「王妃になる覚悟はあるかしら。」


「え、あ、う⋯⋯。」


「やはり無いのね。」


でしょーね。⋯⋯私は今壁の華〜。目の前は空気が凍ってる〜。


「殿下。」


「⋯⋯なんだ。」


「ヒノさんをどうされたいのですか。」


「⋯⋯⋯⋯。」


「そうですか。⋯⋯臣下としての言葉を申し上げますわ。」


「⋯⋯ああ。」


「畏くも啓し与う、止む事無き御体に御座しますが故。御自愛奉りますよう畏み申し上げます。」


ひぇ。あかんやつや。


「⋯⋯⋯⋯では友人としての言葉を申し上げますわ。⋯⋯護りたければ信仰を相手にできるだけの力を付けさせる事です。ただ護られるだけでは何も進みませんわ。」


そうね。


「だからヒノさん。貴女も⋯⋯、⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」


「クラウディア様⋯⋯?」


⋯⋯ほう。魔術発動。コンセントレート・マグナ。


「疑。訝。クラウディア様はこう言いたい筈です。驚。諦。黒ですら届かぬ遥か遠き憎しき世界には到底至らぬが故。悦。愉。この世を這い擦り生を知れと。」


魔術発動。探査。精査。⋯⋯否。


もっと深く。もっと精密に。探れ。


「怖。怯。これ以上夢見心地ではいけませんよ。愕。脅。貴女は今、ここに生きているのですから。」


ああ、面白い。とてもとても面白い。


⋯⋯魔術作成。アンノウン・ディヴァルパーシ。


「愉。楽。⋯⋯面白いですか?」


「ええ、とても面白いわ。こうなってるのね。⋯⋯体力は回復した?」


「キラ、クテ。」


魔眼ちゃんが魔眼ちゃんしながら魔眼ちゃん!


「ええ、十分に。⋯⋯申し訳ありません、クラウディア様。言葉を奪ってしまいました。」


「いえ、いいのよ⋯⋯。伝えたい事は伝えましたから。」


「クラウディア様⋯⋯キラクテ様⋯⋯。」


「⋯⋯頑張りなさい。」


「相。揺。殿下も抱え過ぎは禁物です。諦、聞いてしまった今、我々は共犯者です。」


「フォリカ嬢⋯⋯。」


「元はと言えばクラウディア様がぶちまけたので。楽。好転するのであればそれも良いかと。」


「⋯⋯キラクテ?言うようになったわね?」


「笑。」


「⋯⋯二人共、ありがとう。」


「「どういたしまして。」⋯⋯どや。」


青春だなー。


「兄上達、おはよう⋯⋯どうしたのだ?」


あ、他のも起きてきた。


「見張り、感謝する。」


「助かりました。」


いいのよー。全員体力は回復したー?


「それじゃー適当にご飯食べてから出発ねー。ちゃんと生きて帰るまでが探索よー。」





⋯⋯それにしても。




ふふ、面白いものね、ふふふ。


ふふふふふ。










青、か。



精霊の因子は今も尚潜む。

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