2536話 新敵の能力
【アイン=ソフ】個体の突破は出来たものの、討伐時のラストアクション【全てを内包する無限】で疲弊していた【錆剣剣闘士】と【虫眼鏡踊子】が死に戻りし、さらには俺の左腕、右足、左足が木っ端微塵になってしまった。
辛うじて右手だけはチュートリアル武器の包丁で守っていたから、【トランポリン守兵】お嬢様と【リフレクトミラーディフェンダー】による防御支援を含めて何とか守れたが甚大な被害を受けてしまった。
この二人が守ってくれなかったら俺もこのタイミングで死に戻りしていただろうなぁ……
「ちょっと【包丁戦士】!
他の戦線だらしないんじゃない?
もう私たちしか残ってないじゃない!
オジチャンがいたらこんなことにはならなかったよ~」
「確かに【短弓射手】様の実力は相当なものでしてよ。
ですが、ここにいたメンバーの誰かが【短弓射手】様に変わってもまた別のところで不足が発生しますわ!
それよりも、【包丁戦士】様が生き残った状態で最後の一体まで持ち込めたことに喜ぶべきでしてよ!」
【リフレクトミラーディフェンダー】が非難をし、【トランポリン守兵】お嬢様がそれを窘める。
それぞれの性格が分かりやすく表れた反応だが、どっちの言い分も分からなくもない。
とはいえ、その正当性をここで言い争っていても埒が明かない。
とりあえずこの【アイン=ソフ=オウル】個体の特徴をざっくり教えてくれ!
「【包丁戦士】は【アイン=ソフ=オウル】個体って呼んでるんだね。
……まず【アイン=ソフ=オウル】個体の方を見ると、光輝き過ぎて何も対策しないと視界を封じられちゃうね。
油断すると目が痛くなるのは嫌すぎるわよ……」
「ただ、【リフレクトミラーディフェンダー】様の反射鏡を正面に構えていただければ、その間は光の影響を受けずに済みましてよ!
【リフレクトミラーディフェンダー】様がこちらの戦線を支えておりますわ!」
「そ、そんなことないわよ!
【トランポリン守兵】さんの的確な防御が無かったら私はもう死に戻りしてたって!
タンクプレイヤーのトップに君臨している【トランポリン守兵】さんの実力、存分に見せつけられたわよ……」
【リフレクトミラーディフェンダー】め、同じタンクプレイヤーだからかやけに【トランポリン守兵】お嬢様に忖度してるな……
いや、確かに自分と同じ系統で技量が上位だったら凄さは伝わりやすいのは理解できる。
逆に自分がやってないことは、見てもよく凄さが伝わりにくいってことでもあるんだがな!
「それと、光輝くだけではなく自動回復効果を持っているようでしてよ!
つけたダメージも徐々に回復されてしまっておりますわね……」
「私たちタンクプレイヤー二人で与えたダメージはほとんど回復されちゃってるわね。
ダメージ皆無ってわけじゃないけど、気持ちとしては今から攻撃開始ってくらいでいた方が気が楽よ」
うげぇ、そんな能力持ちが残っていたか……
回復能力持ちを相手にするのは厄介すぎるぞ!
「その回復能力を使える【包丁戦士】がそう言うのはどうなの?
【暴食】のパッシブ効果って回復能力だったはずなんだけど?」
「使い手だからこそ分かる厄介さということなのでしょう。
先ほど【包丁戦士】様の仰られた、ご自身が会得しているものだからこそ真価が分かるということにも繋がりましてよ!」
【リフレクトミラーディフェンダー】からの指摘に対して、俺が反論するまでもなく【トランポリン守兵】お嬢様が俺の考えを読み取って補足してくれた。
俺が反論しても【リフレクトミラーディフェンダー】は素直に受け取らないことが多いんだが、【トランポリン守兵】お嬢様のことはすんなり受け入れるのでこの流れは助かるな。
俺が不要な骨を折る必要がないからだ!
【リフレクトミラーディフェンダー】関係はもはや【トランポリン守兵】お嬢様に押しつけておけば楽なのかもしれないなぁ……
止めてさしあげなさい。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




