2420話 敵作利用
赤色の触手……いや、ガルザヴォーク触手を操りながらこれまでのダメージバランスを覆そうとしてひたすら黒炎を撒き散らさせている。
攻撃の精密性については皆無といっても過言ではないくらいなにも狙わず放たせ続けているんだが、意外にも他の触手に当たってくれている。
やはり【ガルザヴォーク】の得意技である【深淵煉獄】、【覇道逆鱗】、【覇道竜陣】などなど威力も攻撃範囲もド派手なものばかりだからだろうな。
テキトーに黒炎を放ったとしても範囲が広いからどこかで当たるわけだ。
もちろん、俺自身には当たらないような方向で攻撃させているから巻き込まれる心配もない!
そして、ありがたいことにエルル触手が放ってきている黒い茨がついでに焼き払われているのもあって、実質2つの触手を無効化出来ているぞ!
やはりルル様は特に炎に弱いから、その性質を写し取ったエルル触手も本体とそこから放たれる【堕枝深淵】擬きも同様に炎に弱いんだろうなぁ。
これはラッキーだ!
だが、一方でカウンター要因になるのは意外にもジェーライト触手だ。
毒球を生み出すことで炎の一部を鎮火させて、範囲が広がるのを防いできているわけだな。
これがなければ触手たちは黒炎に呑み込まれてどんどん消耗していっただろうに、上手い具合に耐性を獲得しているわけだ。
万事上手く行かないのは仕方ないが残念だな……
そして、ジェーライト触手が黒炎を抑えている間に黄色の触手と虹色&紫色のオーラで輝く触手が俺に襲いかかってくる。
電気ショック攻撃は慣れてきたのでそこそこ対応できるんだが、虹色&紫色に輝く触手のドリル攻撃がえげつないことになっていた。
地形を抉りながら攻撃してきているし、直接当たっていないにも関わらずドリル回転の余波だけで俺の身体に傷がついてしまうのだ!
いやいや、見た目当たってないのに何で傷がついてるんだよ……
流石におかしいだろ!?
とはいえ、直撃さえしなければ致命傷にはならないみたいなので持久戦を仕掛けること自体は可能なようだ。
ただ、俺の包丁による攻撃を虹色&紫色に輝く触手に当てるのはほぼ無理になってしまった。
あんなのに突っ込んでいったらチュートリアル武器の包丁はともかく、俺本体がもたないだろうからな。
余波だけで傷つくのに、さらに近づいたらとんでもないことになるのは火を見るより明らかだ!
幸いにも、ドリル回転してない時にガルザヴォーク触手による黒炎さえ当ててしまえばダメージは与えられるから、しばらくは無理せずちまちまガルザヴォーク触手を操ってダメージを与えるのが最適解……のはず!
せっかくここまで来たんだ、狙える限りは安牌で攻めさせてもらうからな!
スキル発動!【儡蜘蛛糸】!
俺はジェーライト触手から放たれる毒球に蜘蛛糸を飛ばして絡めとる。
そして、遠心力を使って方向をぐるりと変えると虹色&紫色に輝く触手にぶつけていった。
当然ドリル回転で粉砕されるんだが、これが毒であるというところがポイントだ!
球としての形状を粉砕されても、そのまま毒液としての性質は残ったままになるから虹色&紫色に輝く触手は毒状態になるわけ。
直接的な攻撃としては防がれているから即効性のあるダメージは与えられないが、状態異常ダメージなら何とか与えられている感じだな。
つまり、ガルザヴォーク触手だけじゃなくてジェーライト触手も生かしていかないと虹色&紫色に輝く触手を相手にするには決定打が今のところは足りないわけだ。
敵を利用していく戦術は俺の消耗が軽くなるからありがたいし有用な戦術なんだが、どんどん倒れてはいけない敵が増えてっているのが雲行きを怪しくさせている。
最終的に全員倒れたら困る……みたいなことにならないよな?
泥沼にハマる前に自己解決しなさい!
カッカッカッ!
深淵種族らしい戦い方だのぅ……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




