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205話 黒と黄金

 【Raid Battle!】






 【兎月舞う新緑の主(廻)】






 【レイドバトルを開始します】


 はい、今日も元気にログイン!

 というわけで、初心者プレイヤー限定ダンジョンは日を跨いでもクリアされなかった。


 俺たち第1、2陣プレイヤーが挑んだレイドボスは挑みなおす度に全回復していたので、ゾンビアタックで少しずつダメージを蓄積させられる今回の仕様は俺からすると甘すぎると思ったが、初心者プレイヤーたちにとってはそうでもないみたいだ。

 これがゆとり世代というやつか……


 「絶対それは違うッスよ!

 こんな巨体の兎、俺っちたちみたいな初心者プレイヤーには元々荷が重いだけッスよ!

 先輩たちは精鋭を集めて倒したらしいじゃないッスか」


 そういわれてみればそうなんだが……

 でも、一発勝負じゃなくてズルズル弱らせていけるから緩和されてるしなぁ……


 「でも、もう【名称公開】の効果も切れちゃったッス……

 だから昨日の後半は攻撃も中々当たらなかったッスし」


 あー、あれは酷かったな。

 プレイヤーだけ集まっても、攻撃が当たっていないという低速っぷりだったからな……


 「今日も同じ状態からスタートッスけどね……」


 まあ頑張ってくれ。

 俺はアドバイスしか出来ないからマスコットとして見守ることしか出来ないがな。


 というか、アドバイスしか出来ないのに初心者プレイヤーについていっている物好きって結構いるな、報酬が目当てなんだろう。

 俺も人のことを言えないが……


 だが俺の場合は、この【バットシーフ】後輩がどこまでやれるのかを見届けたいというのもある。

 これからプレイヤー環境を荒らしていくのにこいつの窃盗能力はあると便利だからな。

 プレイヤーキルをしながら、アイテム収集できるのは嬉しいし。


 そんなことを話ながらも、バットを持って進んでいく後輩。


 「そろそろ次の手をうつッスよ!

 ストックスロット2!【天元顕現権限】!

 先輩の羽使わせてもらうッス!」


 ミューンのスピードに痺れを切らしたのか、スペック向上のために俺から模倣した天子の羽を出現させた。

 出てきたのは俺と同じく左片翼の黄金色の羽だ。

 漆黒のスーツとシルクハットに、黄金色の羽……少女漫画のイケメン枠のやつがこういう感じだったなぁ……


 このスキルは聖獣スキルとスキルチェインして使うのが、俺の常套手段だが羽として使うだけでもそれなりに使えるから渡しておいた。

 深淵スキルの漆黒の翼を渡すのも考えたが、こいつの性根はどちらかというと深淵よりも天子側な気がしたのでこっちにした。

 窃盗技術と性根が必ずしもリンクしているとは限らないからな。



 やはりと言ったところか、俺よりも黄金色の羽をうまく使っているな。

 

 「あらっ、綺麗な羽をお持ちのようですわね?

 ワタクシも欲しいですわ!

 どうやって手に入れたのか教えてくださいませんこと?」


 マスコットと化したポリンお嬢様が唐突に絡んできた。

 どうした急に?


 「ワタクシのこの金髪に、黄金色の羽が似合うと思いまして!

 どう思いまして?」


 「お姉さまなら当然似合います!!」


 ……食い込みに燕尾服女が返答していたが、まあ、俺も似合うと思うぞ。

 ゴスロリ、ツインテドリル、金髪、お嬢様と属性を持ってきているが、そこに黄金色の羽を追加してもいい感じにマッチすると思う。


 「でしたら!?!?」


 だが、やなこった!

 【バットシーフ】後輩!

 全速前進だ、こいつらを置いてダメージを取りに行くぞ!


 「了解ッス!」


 【バットシーフ】後輩は翼による立体的な動きでミューンに肉薄し、チュートリアル武器のバットで打撃を与えていく。


 「ほいっほいっほいッス!

 ……やっぱり当ててる割にはダメージ少ないッスね」


 ミューンを翻弄しながらダメージを蓄積させていっているが、abilityのデメリットがここで響いてきている。

 与えるダメージが激減しているので、攻撃しているのにそこまでダメージが与えられていないのだ。


 だか、これでいい。

 おい、初心者【モブ】共!

 この【バットシーフ】後輩がヘイトを受け持っている間にさっさと攻撃しろ!


 「はっ、今がチャンスじゃん!」


 「よーし!やってやるぞ!」


 「俺だってやるときゃやるんだからな!」


 「乗るしかない!このビッグウェーブに!」


 「ちょっwwwお前ら頑張れよwww」


 俺の言葉で宙を舞う【バットシーフ】後輩に気をとられているミューンの様子を見て、初心者プレイヤーが殺到し始めた。

 その雑踏の中、それぞれが多様な武器を使ってダメージを与えていっている。

 



 だが、俺の考えだと……

 うーん、後輩、退却しろ!


 「えぇっ!?

 ここまで来て退却ッスか!?

 ……先輩がそういうなら退くッスけど……」


 このまま行けば倒せるかもしれない、初心者プレイヤーの誰もがそう思っている中俺は【バットシーフ】後輩に退却の指示を出した。


 すると、その直後に紫色のオーラが爆発し群がっていた初心者プレイヤーたちが爆散して光の粒子へと変わっていった……

 死に戻りしたやつが結構いたみたいだな。


 「先輩が予想してたのはこれだったッスか!?」


 えっ、違う違う!

 似てるようで違うものを予想してたんだが……

 俺が予想してたことと違うことが起こったんだが!?







 マンネリ化はよくないと思った、運営からのサプライズですかね。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

 

アンケートやってます!


https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/788051/blogkey/2573872/



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― 新着の感想 ―
[良い点] まぁ、確かに死に戻りずっとしていればいつかは勝てる感じですからね、初心者オンリーのダンジョンに対策を考えて攻略させるのも難しいから仕方ないですね [気になる点] ポリンお嬢様が天子になる方…
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