1144話 無知の敢行
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ】ー【次元天子】【(妖怪)】【上位権限】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日は……まぁ【風船飛行士】と話すか。
最近あいつと会ってない気がするし、このままレイドボスに挑むと要らぬ確執を生むことになりそうだからな!(今も普通にあるけど)
というわけでやって来ました渓谷エリア……地蒜生渓谷メドニキャニオン!
ここの冒険者ギルドに併設されている食事場で【風船飛行士】と話すことになった。
「藪から棒にどうしたンゴwww
オレと会えなくて寂しくなったのかwww
クソワロタwww」
【風船飛行士】はそんなことを言いながらであって早々に俺を煽ってきたが、これはいつものことなので軽く流しておく。
これに一々突っかかっていたら【風船飛行士】の発言全てに反応しなくてはならなくなるので、適度にスルースキルを発動させておくのがオススメだ。
「コラコラ適当に流そうとするなwww
オレの発言を真面目に聞かないのはアリエーヌwww
だいたいオレと話すためにここに来てるのに、肝心のオレの言葉を真面目に聞かないのはおかしすぎるンゴねぇwww」
それはお前が相手じゃなかったらの話だな。
お前はいつも俺に因縁をつけてくるから、真面目に取り合えるような言葉が少ないんだよ。
「それは言いがかりンゴねぇwww
それはそうと、あの【邪神像】の元になったレイドボスに挑むってことだが勝算はあるのかwww
オレは【検証班長】の【邪神像】しか見たことないから大元がどんな性能なのか知らないンゴねぇwww
知らないレイドボスに本番一発勝負なのはアリエナイwww」
……まぁ、確かに【風船飛行士】は会ったことが無かったな。
これは【検証班長】や【トランポリン守兵】お嬢様も同じなんだが【検証班長】はその力の一端を手に入れているし、【トランポリン守兵】お嬢様は時々俺が脱け殻集めの時に愚痴を聞いてもらっていたから多少の予備知識はあった。
それに比べて俺と【風船飛行士】とは仲が良好とは言えないので情報の分断が行われてしまったというわけだ。
……とはいえ、俺も詳しいわけじゃない。
なんなら、力の詳細は直接会ったことのない【検証班長】の方が案外知っているかもしれないレベルだ。
それでもあえて説明するのなら、【蕭条たる百足壁】は規格外の大きさを持つムカデ型のレイドボスだな。
【防衛】の力を司ると言われていて、黒い霧を凝縮して生み出す壁を自身の周辺に展開しそれを左右から挟み込むような形で攻撃してくるぞ!
本来は盾として使うはずの壁だから強度が凄くて破壊して回避するのは困難を極めるだろう。
「それはウザすぎでワロタwww
オレのabilityが通用するならかなり戦えるんだが、無理だったときは辛いンゴねぇwww
んんっwwwオレに役割がないのはアリエナイwww」
あー、挑む前に【検証班長】相手に試しておいてくれ。
あいつは【蕭条たる百足壁】のスキルを持っているから多少の仕様の違いはあるだろうが、試す価値があるはずだ!
「それはやっておくンゴwww
最近abilityの別の使い方のコツを掴んだからそれも適応出来るか試すンゴwww
お前に使う前に披露することになったのは残念スグルwww」
abilityの別の使い方……?
【風船飛行士】のやつにもあったのか!
俺のability【会者定離】や【ブーメラン冒険者】のability【天地逆転】にも複数能力が存在していたが、まさか【風船飛行士】もそうだったとは。
これまで遠距離攻撃の反射ばっかりしていたからてっきりそれだけだと思っていたんだが、ここに来て判明するんだな。
……まぁ、俺も自分のabilityについて詳しく分かったのは610話くらいだから人のことは言えないけど。
あと【蕭条たる百足壁】について特記することと言えば……生み出してくる壁だけじゃなくて本体の防御力も桁違いに高いってことだな。
俺たちの攻撃だったら一点集中で打点を固めないとまともにダメージも入らないだろう。
そう考えると火力重視の【短剣探険者】は今回の作戦のキーパーソンになるかもしれないから、【風船飛行士】の頭に置いておいて欲しいぞ!
相手が巨体だから攻撃は当てやすいはず。
「あいつのバ火力は頼りになるンゴねぇwww
今回の作戦の軸にしておくか……」
そんなこんなで【風船飛行士】と【蕭条たる百足壁】に対する情報共有を行い、あとは時折運ばれてくる料理をつつきながら時間を過ごしていくのであった……
さて、その知能が通用するのか楽しみにさせてもらいますよ。
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