102話 深淵種族転生について
【Raid Battle!】
【包丁を冠する君主】
【菜刀天子】
【次元天子】【上位権限】【???】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【次元をさまよい】
【冒険者を導く】
【聖獣を担うが故に】
【深淵と敵対する】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日は【検証班長】から言われたように、【深淵奈落】にいるルル様に会いに行くぞ!
昨日のメッテルニヒでの会議で、終わり際に何か意味深なことを【検証班長】が言ってたが、ルル様なら何か知ってるんだろうか。
とりあえず無限湖沼ルルラシアにある、大穴【深淵奈落】に到着した。
ここ、地味に遠いんだよな……
しかも、着いてから入るまでの手順も面倒だし……
まあ、どっちにしても入るしかないか。
そう思い躊躇いなく飛び降りて、秒数を数える。
1.2.3…………
989.990.991.992.993.994.995.996.997はいここで【深淵顕現権限】!998.999!
そして、前回同様バグ技の要領で無限ループゾーンを乗り越えて、ルル様のいる横穴までたどり着いた。
【Raid Battle!】
【深淵域の管理者】
【エルル】
【???】【上位権限】【ボーダー】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【深淵へ誘い】
【冒険者を堕とす】
【深き真価を見極め】
【境界に流転する】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【ーーー深度不足のため未開示ーーー】
【レイドバトルを開始します】
「イベントでの活躍、大義であった。
我が【深淵奈落】の代表としてお前が優勝したことにより、失われていた我の権限が復活したのだ」
あー、たしかにアナウンスにロックがかかってた種族、ジョブ欄のところが1つ見えるようになったな。
ボーダー……?
種族っぽい名前じゃないから、ジョブ系統の何かだろう。
それか、権限って言ってたし上位権限みたいなやつかもしれないけど。
それに、大会中に来たときまでは見ることが出来なかった部分も、決勝戦で深度を爆上げした結果みれるようになってるな。
【深き真価を見極め】【境界に流転する】って部分のことだ。
境界?
これはロックが解除された【ボーダー】と意味が同じだと思うが、何を意味しているフレーバーテキストなんだろう。
「いちいち我に聞くではない!
今言わずとも、いずれわかる……いずれな。
全て我が答えていたら楽しみが無くなるであろう?」
まあな?
自分で探る楽しみってのもあるからな。
……でも、やっぱり教えてくれた方が楽でいいと内心思っている。
ルル様の手前言わないが。
【菜刀天子】と違って、ルル様は威厳があるし、底辺種族である俺にも優しくしてくれるから割と敬ってる。
深淵細胞くれたり、スキルを改良してくれたりしたからな。
「それで、この遠隔地である【深淵奈落】まで来たからには、何か用事でもあるのだろう?
ここは、意味なく来るような場所ではないからな」
流石察しが良いようで!
実はそろそろ種族転生できないかな~?って聞きに来たんだけど。
前同族になれる素質がある……みたいなこと言ってたし、深度が結構上がった今なら条件満たしているのか気になって。
「かっかっかっ、そうきたか。
たしかに、いくつかの最低条件である【深度20以上】、【プレイヤーのフレンドが0人】、【キル人数1万人】、【深淵適正abilityの所持】は満たしておるな。
だが、肝心の試練をクリアしていないのを忘れておらんかな?」
ソウデスヨネー。
忘れてたわけじゃないけど、しれっとごり押せないかなと思ってた節はある。
だって、試練ってルル様に深淵適正を示すってやつじゃん。
つまりルル様を倒せってことでしょ。
無理じゃん!
タコ足に巻きつかれただけで身体が蒸発したのに、勝ち目なんてあるわけないぞ……?
いくらなんでも、存在としての格が違いすぎる。
は~、やれやれ。
これだからプレイヤーに人権のないゲームと呼ばれるだけあるな。
「……何か勘違いしておるようだな。
別に我を倒す必要はないぞ?」
マジ?
やったぜ。
ならチョロいでしょ(確信)
俺はチョロい女なので、すぐ手のひらを返す。
手のひらがドリルみたいに回って腱鞘炎になりそうだ。
「……もちろん、我を倒せばそれはそれで条件を満たせるが、さすがにハードルが高いのでな。
代替案として、分かりやすい試練の達成の方法を教えてやろう」
なんだろう。
「【深淵に関する】スキル、abilityを使ってレイドボスにとどめを刺すのだ。
他の手段ではダメだ、あくまでも深淵適正を見るための試練だからな。
必ず【深淵に関する】スキル、abilityでやるように。
お前たち底辺種族は、道筋をわざわざ示してやらないとすぐ遠回りするからここまで教えてやったのだ。
間違えるではないぞ?」
了解!
間違えるわけないでしょ(慢心)
……いや、慢心じゃないぞ。
本当に俺はやるからな?
やると言ったら有言実行するのが俺だ!
これは一級フラグ建築士ですね?
底辺種族【包丁戦士】にしては、見事な様式美です。
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