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101話 考察会議は踊る!~獣度深度編~

 なにそれ?

 【検証班長】の口から出てきたのは聞いたことのないワードだった。


 「これは深度と似たようなものです。

 称号や行動で数値が増えていくというところまで同じですよ。

 ただ、この獣度は新緑都市アネイブルのレイドボスを倒してから出てきた数値みたいだね」


 まーた、レイドボス討伐がキーになっているタイプのやつか。

 レイドボスを一体倒すまでが本当のチュートリアルだったんじゃないかってくらい新機能が増えたよな。

 ……俺がやって来たこともむだじゃなかったってわけだな。


 「獣度は……素早い行動をすると上がりやすいらしいです。

 深度はスキルに関してでしたが、獣度はタイムアタックのような方法ですね。

 岩山エリアから無限湖沼ルルラシアまで二時間で移動する……などです」


 いや、真逆の位置にあるエリアに二時間で行けるわけないだろ!

 俺は急ぐとき、基本死に戻りで移動するからそんなスピードで移動するなんて試したことすらなかった。

 そりゃ、獣度が上がるなんてないよなぁ。

 ……あれ?

 でも、さっき称号でも上がるっていったよな。

 俺結構称号手に入れたけど上がらなかったんだけど……


 「そうみたいですね、この獣度は、上がる人と上がらない人がいるようです。

 新緑都市アネイブルでレイドボスを倒した時に【ペグ忍者】にこの数値がカウントされ始めましたが、他にこの数値が上がったのは検証班の中でも五人くらいです。

 そのいずれも素早い動きが得意な人たちでしたが、調べてみるとそれ以外にも共通点がありました」


 素早いだけが条件じゃないんだな……

 みんな上がっていく深度と違って……


 「いえ、深度も皆が上がったわけではないですよ?

 ……それも後で説明しますが、まずは獣度の上がったものの共通点です。

 それは……」


 「それは……?

 なんですか、勿体ぶるとは【検証班長】らしくないですよ?」


 【釣竿剣士】はそう指摘しているが、勿体ぶるというよりは……

 恥ずかしがってるな?


 「……女性二人……いや、一人は半分女性を捨ててるようなんでいいんですけど、それでも口に出しずらいかな……」


 ほう、いい度胸じゃないか?

 別に女としての矜持は捨ててないぞ?

 ……若干ワイルドなのは、まあ、あるけどさ……


 「あなたはワイルドというよりも、野蛮という言葉の方が似合いますよ。

 別に私は気にしませんからはやく言ってください。

 効率的な進行が魅力的な【検証班長】はどこにいったんですか!」


 「み、魅力的!?

 そ、そうかぁ……」


 露骨に照れるなよ!

 こいつ、前から思ってたけど女慣れしてないよな。

 ボマードちゃんと岩山エリアで【検証班長】に会いに来たときも、そんな節はあった。


 「……意を決していいます。

 ……よく発情しているプレイヤーたちが獣度に目覚めてました」


 は、発情!?

 そんな連中が五人も検証班にいたのか!?

 ……いや、俺が昔やってたFPSゲームの中で、分かっている地雷に突っ込んで興奮しているやつも見たことあったな。

 あいつ、かなりの変態だったけど今何やってるんだろ……


 ……他のゲームのことはいいわ。

 実は、発情がトリガーなら、納得出来ないことはない。

 獣人に種族転生できた第一人者があの【ペグ忍者】だ。

 あいつは今俺のとなりにいる【釣竿剣士】に対してこれ以上無いほど発情してた。

 ……ぼやかして言うと、【釣竿剣士】が近くにいた時の【ペグ忍者】の地面が濡れてたりした。

 そして、マタタビの匂いを嗅いだ猫みたいにふにゃふにゃになってたからなぁ……

 あれを発情と言わず何と言うんだろう。

 掲示板でもとんでもない書き込みをしたりしてるのを何回か見たし、相当な【釣竿剣士】フリークだ。

 見た目が完全にペドだからって油断すると、度肝を抜かれること間違いなしだ。

 

 「なるほど、さっきまでの【検証班長】さんの態度も腑に落ちましたね。

 女性二人相手に【発情が条件】って言うのはセクハラみたいなものですからね。

 私は気にしませんけど、生産プレイヤーですから!」


 生産プレイヤーっていうのは理由なのか?(困惑)

 ……まあ、別に俺も気にしないが。

 

 準決勝の相手だった【風船飛行士】はもっと直接的にそんな感じだったし、【検証班長】は別にセクハラしたくてそんなこと言ってるわけじゃないって知ってるからな。


 「そういってもらえると安心しますね。

 この情報を買っていった人に伝えると毎回ドン引きされてたので、心底ホッとしました。

 とりあえず、二人ともこの情報を聞いたとしてもほぼ無益だろうね」


 まあ、そうだよな。

 そもそも俺はフレンドリスト満タンという条件の時点躓いてるから、そこから先を聞いたのは完全に趣味だ。

 結果的に面白いこと聞けたから良かったけど。

 今度これで【ペグ忍者】を煽るか!



 「それで、深度が上がる人の条件もある程度絞れてきてますよ」


 これは俺に関係あるな。

 なんだろう。


 「何かを暴くことに特化していることです。

 それとは別に、外道、下衆な人条件っぽいですけど」


 なるほど、たしかに俺は色んな情報を暴いたりしてるし当てはまるな!

 うん!


 「いえ、完全に後者の外道、下衆の方に当てはまっていると思いますが……」


 違うわ!

 スキル覚えたり、スキルの効果を暴いたり、新しいエリア見つけたりしただろ!

 絶対前者だ。


 「暴くのが好きなプレイヤーが検証班に集まっているので、ほぼ全員がレイドボス討伐で深度は手に入れてましたね。

 一部、戦闘のためだけに協力してくれたプレイヤーは獣度しか手に入れて無かったようですけど。

 【ペグ忍者】はあのレイドボス討伐で深度と獣度を一気に上げて両方とも5になってました。

 その後、獣度の検証をしているうちにタイムアタックで獣度を20まで上げて種族転生したというわけです」


 そうか、20まで上げたら種族転生できるんだよな……

 まてよ、……俺深度22じゃん。


 これはルル様のところ行ったら種族転生できるのでは?

 

 「それは興味深い!

 是非とも早く行ってきて欲しい!

 検証材料をまた増やしてくれるのが楽しみだ……」


 いや、実際にできるかどうか分からないからな?

 まあ、明日ログインしたらルル様のところ行ってくるかぁ……

 どっちにしても、聞かないといけないこといっぱいあるしな!

 決勝戦のときのやつほとんどについてだけど。


 「あっ、そのルル様という存在に会ったときに、こう聞いておいてくれないかな?

 【荒野の自由が解き放たれようとしている】……と」


 い、意味深すぎる……

 流石検証班長だ……(?)









 この会議が行われているのと同時期にどこかでくしゃみをしている猫耳忍者が居たとか、居なかったとか……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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