157/688
第157巻
1日目のテストが終わると、幌は思わず伸びをした。
「やっとかー」
「まあ待て。これから3日もあるんだ」
疲れてグダッとしている幌に、追い打ちをかけるように星井出が言った。
「やーめーてーくれー」
「はいはい、アホなことしてないで帰るよ」
聞きたくなさそうに、耳を押さえている幌に、山門がさらっと伝える。
「うん、帰ろう」
幌は、すっくと立ち上がり、そのまま教室を出た。
「明日って、何のテストだっけ」
「数学、英語、国語。いやなものが2つもあるんだ」
いやそうな顔をしている幌を見て、山門が言った。
「自分は逆だな。文系のほうが得意なのかもしれない」
そういって、山門は幌と別れた。