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第155巻
「じゃあまたな」
幌はそういって、琴子たちと別れた。
結構すぐに家に着くと、桜がソファーにグタァと座っていた。
「…どうしたの」
「ああ、おかえりー。ごはんどこー?」
「冷蔵庫に入れてたはずだけど。もしかして、全部食ったとか言うなよ」
「さすがにそこまで私も食べないよー」
笑いながら幌に言った。
幌は、カバンをテーブルに置いて、冷蔵庫の中身を確認した。
「…4分の3ほどなくなってるんですが」
「気のせいじゃない?」
桜はそういいながら、ゆっくりと立ち上がり、幌に背中からしがみついた。
「そんなことよりも、私は幌を食べたいなー」
「アホなこと言ってないで、お風呂いれてよ。俺はもうちょっと部屋にこもるから」
しがみついた桜から楽々抜け出した幌がそういって、自室に戻った。
後には、残念そうな表情を浮かべている桜がいた。