迷子①
「いやー、完全に迷った。この森、どうやったら抜けられるんだろう?」
とオレは隣を歩く…いや、飛んでいる俺の精霊兼親友、涙に話しかけた。こいつは、旅の途中で、行き倒れていた。それをひろい、一緒に旅してるってわけだ。放置しても良かったんだが、過去の自分と重ねてしまって、つい、一緒に来ないか?と誘ってしまった。どうせ、目的はなかったしな。
「うーん?それはオレにもわからない。というかどうしてこうなったんだろ?ねえ、アイロ」
涙は、赤色のショートの髪を風になびかせながら答えた。あ、アイロというのはオレの名前だ。さっきから何で、こんな話をしているかというと絶賛迷子中だからだ。家も、何も一軒もない…。しかも、もう直ぐ日が暮れる…
「ねえ、アイロ。」
唐突に話しかけてきたので、顔を凝視してしまった。こいつ、綺麗な顔をしてるんだよなぁ。
「ん?なんだ?」
のんびりとした口調で返す。どうせ、この森には何もないのだから。
「いや、えっと、モンスターとエンカウントしてる…ぞ?」
涙は、なんでもないことの様に恐ろしい事を伝えてきやがった。咄嗟に剣を抜き、構えるが、数歩下がり。「涙!頼む!」
と叫ぶ。
「オッケー!下がっててね。」
と涙が叫んだと思うと涙が刀を抜くこともなく、モンスターは一瞬で消し炭になった。
「いやあ、相変わらず、涙の魔法はすげーな」
実を言うと自分が涙を拾った理由はもう一つある。それはこいつの魔法だ。この世界の人間じゃない人からすれば精霊なら誰でも魔法が使えて、誰でも精霊と契約できるんじゃないの?とか思ったりするだろう。
だが、この世界では、魔法が得意ではない精霊が多いのだ。じゃあ精霊は何ができるのかって?さっき、魔法が得意ではないと行ったが、精霊は守護魔法は生まれつき持ってる。それで、気にいった人間を勝手に守護するのだ。そもそも、人型というのもかなり少ない。
その点、涙は魔法が得意だと言うのにオレなんかについてきてくれたのだ。これは、放っておくなんてできないだろう。
閲覧、ありがとうございます。次回も気が向いたら読んでやってください。




