変態共め
使える宣言をされた夏希は思わずフランシスを殴りに向かったがフィナに腰を捕らえられ反撃に出られなかった。
「ほら夏希、落ち着いて」
「ぬぅ~、フランシスの顔をぼっこぼこにしたい」
「いい子だから抑えて」
フィナが腰から手を回し、お腹で組んで頬を夏希の頭につけている。
「むぅ」
夏希は嫌々ながらもフィナの言う通りに怒りを抑えこんだ。
「何で夏希はフィナの言うことは聞くのさ?」
そんな素直な態度をする夏希にアベルが不満ながらに訴えるので夏希は舌を出して答えた。
「けっ、夏希様は婦女子には優しいんだよ」
「・・・フィナは男だけど」
「心は女子や。そういう差別良くない!」
確かに男の人が女装して同性の人を好きになるなんて世間では認められて貰えないかもしれない。しかし彼ら、いや彼女達にも壮絶な過去があったに違いない。
親に虐待され壮絶な過去を持つ主人公とその友達。初めは只の友達同士だった。しかし自分のことを理解してくれ誰よりも一番に自分のことを考えてくれる友。その友情はいつしか恋心に変わる。親に反対されながらも自分の愛を貫く、なんて素敵な話だ。
一人で勝手にフィナの過去を作っていたが真上から全否定が入った。
「いや、これは只の女装で私は別に男が好きな訳じゃないわよ」
「えーー!?」
私のシンキングタイム、もとい妄想を返せよ。
「じゃあ何で女口調に化粧してるわけ?」
「だって、そこら辺にいる女よりも、どう考えても私の方が上でしょう。元の姿の時だって他から見た性別の区別は難しいし、もし間違ってくれたら楽しいじゃない」
今、この人、女子の大半を敵に回しましたよ。自分の方が美しい? 確かに美人じゃ、ちくしょう。
「だ、か、ら」
「ん?」
「私は女の子が大好きよ」
耳の近くで話され、そして耳を甘く噛まれた。それだけで脳内はパニックだというのに更に胸を揉まれた。
「にょにょにょーー!」
「うーん、夏希の胸は小さいけど、揉み心地がいいわ」
奇妙な叫びを上げる夏希を尻目にフィナは形が変わる程強く揉む。
「私が毎日揉んで大きくしてあげるわよ」
「け、結構ですー!」
鼻息荒く身を捩っている夏希と楽しそうなフィナを羨ましそうに見ていた奴らがいたことに夏希は気付かなかった。




