中年オヤジ
まあ不健全なモノが入っていますよ
うん、心が清らかなあなたは見ない方がいいのだ
フィナは夏希が走ってきた距離をいとも容易く夏希を抱き上げながら歩いて、着々と城に近づいている。
「まだ心の準備があ」
「身体の準備ができてれば大丈夫」
いや、そういう問題では。
突っ込もうとするが、それより先に夏樹がどんなに望んでも届かない大きな胸に目がいった。
じーっと見つめているとその熱い視線に気づいたのか、フィナが苦笑する。
「触ってみる?」
「いえいえ、そんな。女性の胸を触るなんて、なんて破廉恥な。男の風上にも置けぬ奴ですよ」
「あんた、女でしょ」
胸周りが怪しいけど。ぽそりと言われたがスルーだ。わざわざ自分が傷つく道は選ばん。
「ええのですか!!」
「別に減るものじゃないしね」
「へっへっへ。本当にいいんですかい」
「中年親父みたいで嫌」
確かに胸だけに注目している夏希は親父だ。しかも権力を盾に嫌がる部下に対し「いいじゃないか、君と僕との仲じゃないか」なんて言いそうな上司のオッサンだ。薄らハゲの。
そんな容貌を浮かべてしまった自分に嘆く。この、ど変態め。
あう、たかが胸じゃないか。何だい、何だい。夏希だって大人になれば大きくなるわい。
だが羨望の眼差しで見てしまう夏希はやっぱり親父で。
両手でフィナの胸に触った。
「・・ん?」
だがあるべき触感がない。なんか少し固いのだ。
「あは、バレた?これ、造りもの」
なんと美女さんも胸に困っているとはお互い大変ですな。
「今度バストアップの方法、教えてあげますね」
こっそりと耳うちするとフィナは悪戯を思いついたかのように、にやりと笑った。
「そんなことしなくても、あるわよ、方法。しかも簡単に」
「何ですと!是非ご教授お願いしたい」
やっぱり今からでも努力は必要だよね、うん。努力の積み重ねが功を生むのだから。いや、別に毎日やっている訳じゃないよ。巨乳なんて羨ましくないんだからな。
「いいわよ、毎日してあげる」
「へ・・?おわっ!」
意味が分からずに首を傾げるとフィナがいきなり膝裏に入れていた腕を外した。とっさのことでバランスを崩してフィナの首に両手で掴まる。
フィナは左手だけで夏希を抱えている。こんな細腕に凄い力が、感嘆するよりも早く自分が落ちる姿を想像する。
「いきなり何を、って、ふにゃ、あ」
身体を片手だけで支える不安定さに大丈夫か尋ねようとしたができなかった。夏希の胸の上にある手のせいで。いや、その手はあるだけでなく動いている。つまり夏希の胸を揉んでいるのだ。
「ふぁ、にゃにゃにを。あ、や。駄目だ、って、あ、あん」
艶めかしく動く少し女性にしては筋張った手が夏希の左右の胸を駆け巡る。
「あら、あんた。結構胸あるじゃないの」
そう言いながら手の動きを止めない。
「ふぉっ!?」
顔が赤くなるのを抑えながらフィナの手をなんとか止めさせる。
「ぜ、はあ。じ、自分でやります」
「自分で揉むの?こういうのは男性に」
「バストアップの体操をしますので充分です!!」
夏希はぐったりとフィナの肩に顔を乗せる。
「残念」と呟きが耳のすぐ側で聞こえたと思ったらフィナが片目を瞑りながらさらに続ける。
「もし揉んで欲しかったらいつでも言って頂戴ね。やってあげるわよ」
「結構です!」
夏希の悲鳴が上がった。




