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悪夢でしょう・・







 だから動物は嫌いなんだ。

 何を考えているか分からないし幼少期に何度も犬に追いかけ回されて酷く嫌な思いをした。家の近くには猫が住み着いて猫独特の匂いを発しているし、近くの木に巣を作っているカラスの鳴き声はうるさくて勉強にも集中できやしない。


 しまいには今日の犬だ。無害な顔をして穴に突き落とすとはやってくれる。こっちはお前の命を助けてやったというのに。




 夏希はうなされながら静かに覚醒した。


「う・・うん」



 ぼんやりと目をあけると動物の絵が描かれた壁が広がる。子供向けの絵のようで可愛らしく描かれていて子供が喜びそうだ。



「・・は?」



 一気に目が覚めた。ちょっと待て、自分の部屋はこんなファンシーな部屋じゃない。

 身体を起こすと夏希が5人寝転んでも余る大きなベッドに寝ていた。ふかふかの枕は何故かライオンのカバーだ。他にもシマウマやイルカの枕もある。








「なんじゃ、この地獄はーーっ!」


 動物が好きだったりふわふわ乙女には嬉しい部屋かもしれない。

 だが夏希はピンクが大好きな乙女でもないし動物など触りたくもない。だから部屋には動物の小物など全く無いし動物も飼ったこともない。











「どうした!」


 夏希の悲鳴に誰か駆け込んできた。

 血相をかかえて来た男性は男の癖に千夏とは対照的に肌が白く見事な銀髪は腰に届くまである。睫も長く染み一つない顔は周りを魅了する。


 うん、以前までは髪の長い男なんて不潔だと思っていたが、この人物を見ると髪が長いというのも考えものかもしれない。



 夏希は一目見て羨ましいと思った。


「うわ、すごい美形」





「何を言う。お前みたいにモモンガみたいな円らな瞳の方がいじらしいぞ」


「・・は?」




 たっぷり三拍あいた。

 この男は馬鹿にしてるのだろうか。誰がモモンガだと、それは褒め言葉じゃない。むしろ貶しているだろうが。


「あんた、馬鹿にしてるでしょ」


「いや、お前のリスザルのように小さい身体は可愛いと思うのだが」


「馬鹿にしてる!」



 どこの誰がサルに例えられて嬉しいのか。周りから夏希は小型犬のようだね、と言われただけでも鳥肌がたつというのに動物に例えるのは止めて欲しい。



「ってか、あなた誰よ」


「ああ、私はこの動物王国第184代目国王だ」


「・・は?」





 夏希は何回目かになるか分からない言葉を発した。








モモンガはなかなか可愛いと思うけど・・

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