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【幕間(3)】




 僕とイッサ、ソージが跪き、王の入場を待つだけとなった。


「待っていただきたい! この者たちが真に勇者に相応しいか、疑惑がございます」


 謁見の間はざわついた。どのタイミングでか、何か仕掛けてくるとは思ったが、王の入場前だった。


 二人には、原則黙っているように指示してある。ここでは僕も沈黙を選んだ。続く言葉を待つ。


「この者たちのタマソン村は、先日村人全員が何者かにより殲滅されております! その者たちが本当に勇者なのか! それともそれを名乗る別人なのか、明らかにすべきでございましょう」


 二人が怒っているのを感じる。早く終わらせるべきだろう。僕が口を開く。


「……おっしゃる通り。私どものタマソン村の住民は、皆殺しにされておりました。偶然狩りに出ていた勇者の私とその仲間の二人のみ、生き残ったのです」


「貴様らが、タマソン村の住民である証拠は?」


 声を上げていた男が引き続き問う。中年の、手入れした黒髭を生やした文官風の男だ。


 こいつが首謀者か? いや、話し方に、記憶を頼りに台詞を言っているようなフシがある。指示を受けただけの男だろう。


「蛇の亜人ヒジカ・トージス。ゴ、大猩々(ダイショウジョウ)の亜人イッサ・コドム、狐の亜人ソージ・オキ。いずれも戸籍にあるはずです」


「おかしいな。二人は合っておるようだが、肝心の勇者――いや勇者適正を持つはずの亜人、ヒジカ・トージス。貴様は狼亜人となっておるぞ?」


「……そうですか? 亜人の戸籍には、誤記入が多いものと聞いております。奴隷であるか否か、奴隷ならば所有者が誰かのみ、間違われないようにしていると」


 皮肉を含めて返したが、亜人の戸籍がいい加減なのは事実らしい。ヒジカ・トージスが正しく狼亜人であったことも、事実ではあるが。


「……しかし、その正装の採寸と受取りに来た者は、確かに狼亜人であったと記録にある」


「鑑定で勇者適正が出た後は、身代わりを立てておりました。亜人の勇者の敵は、魔物だけには止まらないことは予想出来ましたので」


 その身代わりも死にましたが、と締めた。


 鑑定は、鑑定を行う神官と受ける者二人だけで行われる。コウシ郡の神官は探し出して《夢幻の邪眼LV4》をかけた。狼亜人と認識する魔法をかけた僕が立っていたのだと、欺罔(ギモウ)した。


 神職の者を騙しやすい《神を欺きし者》の効果もあったのだろう。最後は僕を神の使いだとさえ思ったようだ。


「……しかし、それを証明する証拠がない」


 神官には調査が行っているのを、知っている。神官の家に配置してきた蛇が、勇者適正を持っていたのは蛇亜人だったと、証言したのを聞いている。状況証拠としては、戸籍で僕にマイナス、神官の証言でプラスだ。


「困りましたね……。僕は間違いなくタマソン村で生まれたヒジカ・トージスですが、それを証明せよと言われましても」


 証拠はない。事実、違うし。


「ならぬ! 証明してみせよ」


「戸籍が間違っていなければ、簡単だったのですが……。役所に文句を言われては?」


 しかし、あちらにも証拠など無いのだ。亜人の戸籍管理が杜撰(ずさん)なのは事実なのだから。バレると困るのはこちらなので、苛立ちを見せて返している。そのせいもあり、会場の空気は気まずい。


 お互いにわかっている。互いに証明するには、王のもとで確認される《鑑定》しかない。


 ただあちら側にも、王がどう判断するかわからないのだろう。だから、出来るなら王が出てくる前に僕たちを処分したいだけだ。



「えーい! まどろっこしい!!」



 水掛け論に飽き飽きしたのだろう。数段高い玉座の上手から、荒々しい男が出て来た。


「ッ! 王の登壇である! 全員、跪礼(きれい)!」


 式進行の男の声で、全員が黙り(ひざまず)いた。


 言い合っていれば誰かが痺れを切らすとは思っていたが、それが王様だとは予想外だった。


 どかっ、と音を立てて玉座に座る。どうやら僕たちの王は、豪放な人物らしい。


 (おもて)を上げよ、という声で、高位らしき貴族たちは立つ。僕たちや低位の貴族たちは、跪いたまま顔だけを上げる。


「どのみち、鑑定で確認するのであろう。勇者適正を持っているか否か、それだけでわかるではないか」


 王は、赤い髪で碧眼の大柄な男だった。想像以上に若い、三十半ばか。肘掛けに肘をついて、頭を手に乗せる。


 洋装の衣服は絨毯よりも赤く、冠は赤と金だった。髪と髭も赤いからか、くどすぎるが不思議とよく似合う。


 先ほどの下らない冗長なやり取りに、うんざりしていたのだろう。相手の意図もわかりはするが、同感だった。


「のぅ? ヒジカ・トージス。新しき勇者よ」


 王は僕を真正面から見据えた。不敬かと思ったが、その目を見つめ返してしまった。


 意外なほどにその瞳は深く、笑みは明るかった。


 ……大きい。そう感じた。


 敵対する可能性も有り得る。どのような人物か、見定めることもここに来た目的だったが――。


 これがソン=サックの王、ソン・ケインか。


「ゴホン。まだ、勇者として認定されたわけではありませんぞ!」


 進行の男が、わざわざ咳払いを一つして言う。


「おぉそうであったな! まぁ、勇者で間違いない気はするが。聞かせよ」


「はっ!」


 短く返事をして、鑑定官である神官が呼び出される。基本的には、鑑定を持つのは神官か大商人らしい。


 未だざわめきが収まらない謁見の間に、身分のありそうな老齢の神官がゆっくりと、貴族たちの列から前に出た。


「……それでは、鑑定を行う!」


 たっぷりと間を置いて、神官が《鑑定》を僕に使う。


 初めて鑑定をされるが、こんな感じなのか。されれば気付くな、と思った。


 見えるのは《鑑定》をしている者だけなので、神官が一つ一つを読み上げていく。


「名は、ヒジカ・トージス……






  《ヒジカ・トージス 亜人族・蛇 ♂》

   ステータス

    LV 13

     HP  4321

     MP   716

     POW  653

     DEF  629

     SPD  531

     MAG  522

     INT  453

     LUC  ―――





   状態

    平常


   スキル

   《瞬身LV2》

   《持久LV6》

   《突貫LV4》

   《破砕牙LV5》

   《握撃LV5》

   《締め付けるLV6》

   《突き刺すLV6》

   《蛇毒牙LV5》

   《薙ぎ払うLV6》

   《稲妻蹴り》

   《逆突きLV3》

   《後ろ蹴りLV2》

   《眼力LV10》

   《威圧LV3》

   《暗視LV8》

   《察知LV10》

   《思考加速LV4》

   《念話LV10》

   《空中戦LV6》

   《統率者LV8》


    パッシブSKILL

     《超直観》

     《勇者適正》

     《勇者適正Ⅱ》

     《戦闘の天才》

     《武器技能適正》

     《魔術技能適正》

     《輝く英雄性》

     《精力絶倫》

     《観察力》

     《器用な指先》

     《滑かな舌》

     《淫蕩の血》

     《巨根の者》

     《身体操作》

     《感情操作》

     《逆境〇》

     《絶対の復讐》

     《武道の素養》

     《驚異の集中力》

     《強力LV2》

     《強固LV2》

     《命中LV2》

     《回避LV2》

     《粘着耐性LV10》

     《蜘蛛粘着耐性LV3》

     《恐慌耐性LV1》

     《毒耐性LV10》

     《蜘蛛毒耐性LV4》

     《痛覚軽減LV9》

     《苦痛耐性LV9》

     《大食LV2》

     《南の森の知恵LV3》



    成長スキル

     《神の約束した克服》

     《焦土の吸収力》

     《果て無き成長》

     《無限の度量》



    パーティスキル

     《はさみ撃ち》

     《箒とちり取り》



   称号

   《切ない旅人》

   《情恐き者》

   《報いる者》

   《武を愛する者》

   《与えられた(ギフテッド)

   《奪われし者》

   《翻弄されぬ者》



   美徳

    《義》《誠》



   復讐対象設定

    保留



《隠蔽》していない、実際のヒジカ・トージスのステータス


  《ヒジカ・トージス 魔族(ゴーゴンの少年)・亜人(蛇) ♂》

   ステータス

    LV 13

     HP  4321

     MP   716

     POW  653

     DEF  629

     SPD  531

     MAG  522

     INT  453

     LUC  ???





   状態

    躁鬱病


   スキル

   《魔化調整》

   《獣度調整》

   《魔炎の邪眼LV5》

   《恐怖の邪眼LV5》

   《麻痺の邪眼LV5》

   《魅了の邪眼LV6》

   《石化の邪眼LV3》

   《夢幻の邪眼LV4》

   《瞬身LV2》

   《持久LV6》

   《突貫LV4》

   《逆突きLV3》

   《回し蹴りLV2》

   《握撃LV5》

   《破砕牙LV5》

   《握撃LV5》

   《締め付けるLV6》

   《突き刺すLV6》

   《蛇毒牙LV5》

   《薙ぎ払うLV6》

   《頭突きLV2》

   《押し潰すLV2》

   《逆突きLV3》

   《後ろ蹴りLV2》

   《隠密LV7》

   《稲妻蹴り》

   《鑑定LV1》

   《丸呑みLV6》

   《高速演算LV1》

   《眼力LV10》

   《威圧LV3》

   《暗視LV8》

   《引っ掻きLV8》

   《毒爪LV7》

   《察知LV10》

   《感知LV1》

   《体液操作LV6》

   《思考加速LV4》

   《並列意思LV3》

   《念話LV10》

   《空中戦LV6》

   《統率者LV8》


    パッシブSKILL

     《超直観》

     《勇者適正》

     《勇者適正Ⅱ》

     《戦闘の天才》

     《武器技能適正》

     《魔術技能適正》

     《輝く英雄性》

     《精力絶倫》

     《異世界言語(全人)》

     《第三の目》

     《観察力》

     《器用な指先》

     《滑かな舌》

     《淫蕩の血》

     《巨根の者》

     《身体操作》

     《感情操作》

     《逆境〇》

     《絶対の復讐》

     《陽の当らぬ闇》

     《武道の素養》

     《驚異の集中力》

     《恵体》

     《強力LV2》

     《強固LV2》

     《命中LV2》

     《回避LV2》

     《粘着耐性LV10》

     《蜘蛛粘着耐性LV3》

     《恐慌耐性LV1》

     《毒耐性LV10》

     《蜘蛛毒耐性LV4》

     《痛覚軽減LV9》

     《苦痛耐性LV9》

     《大食LV2》

     《あざといLV2》

     《南の森の知恵LV3》

     《冒涜LV4》



    成長スキル

     《神の約束した克服》

     《焦土の吸収力》

     《果て無き成長》

     《無限の度量》

     《消化吸収能力LV8》


    パーティスキル

     《はさみ撃ち》

     《箒とちり取り》



   称号

   《蛇の支配者》

   《分析者》

   《抗う者》

   《切ない旅人》

   《覆う者》

   《情恐き者》

   《報いる者》

   《深き闇の者》

   《神を欺きし者》

   《善悪に愛されし者》

   《武を愛する者》

   《与えられた(ギフテッド)

   《奪われし者》

   《翻弄されぬ者》

   《転生者》

   《共食い》

   《友喰い》

   《演技派》



   美徳

    《義》《誠》



   悪徳

    《傲慢》



   復讐対象設定

    保留




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