第四十七 戦いの始まり
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第四十七 戦いの始まり
雷帝神の号令と、同時にアールは、女神女帝カサノバを召喚する。
「お呼びですか?」
彼女は、周りの風景を懐かしそうに眺めている。
「ああ。天界の神々に挨拶してやってくれ」
アールが笑いを抑えながら、カサノバに命じる。
カサノバは、アールに一礼すると。
「出でよ。破魔八万騎!」
美しい、声が周囲を圧倒する。
カサノバの召喚した破魔八万騎が次の瞬間、上玉宮の前の広場を埋めつくしていた。
アール達と四神達の軍勢との間にも、無数の伝説の軍勢が埋めつくされる。
戦闘は、ほとんど圧倒的な形で展開した。四神の軍勢は、五百程度、対するは八万だ。しかも、一騎の重みが違う。
八万騎の隊長の一人、外月凸は、神格第九御大司神だ。恐ろしい激突で次々に火神軍を突き崩してゆく。外月凸の青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう。薙刀のような形状の武器)が一振りされると、火神達二人が宙に舞った。
四神の率いた軍勢は、ほとんど瞬時に鎮圧された。
最後に残ったのは、四神である。四神は、聖獣は、青龍、玄武、朱雀、白虎だ。
巨大な聖獣に跨る、四神も大きい。
雷帝神は、玄武に乗り、両手に干将と莫耶の名剣。一振り毎に雷鳴とともに雷が弾け飛ぶ。
辰星君は、青龍に乗り蛇矛を振り回し、破魔八万騎の屈強な騎馬兵を突き落としている。蛇のように曲がった矛先の薙刀みたいな武器だ。
蛍惑君は、朱雀に乗る。武器は、火焔剣。一振り毎に火炎が吹き上がる。
昴星君は白虎に乗り、方天戟を振り回す。方天戟は、槍の先に三日月形の刃が二つ付いてる武器だ。
彼らは強いが、絶対的優位が瞬く間に絶対的不利に陥っているのだ。
「カサノバ。ありがとう。下がってくれ」
カサノバがまた一礼した。
「久しぶりに故郷を見る事ができました。お心遣いで召喚して頂きありがとうございます
サーリ。元気が無いな。ツウラはトウサの息子だな。サーラのしつけがなってなかったのだな。当時はトウサ神朝にするとかサーラが悩んでおったがな。
トウサは凄い男でな。サーラは、ぞっこん惚れておったな。
世界を巻き込む大異変が全てを変えてしまった。なんだか前の異変とよく似た有り様だな。サーリも頑張れよ。
レイライト様。ツウラを殺るなら私にお命じなさいませ。少なくともサーリの肉親ゆえ」
それだけ言うと女神女帝カサノバは、消えて行った。同時に上玉宮を取り囲んでいた破魔八万騎も跡形もなく消えて無くなった。
取り残されたのは、アール達と四神だ。
「皆。良い経験になるので、彼らと戦うがいい。私が後衛をしよう」
四天聖神の雷帝神、辰星君、蛍惑君、昴星君の四神がアール達の方に近づいて来る。
「今のはなんだ? 神々の軍勢を召喚したと言うのか。そんな事ができるのか?」
雷帝神が狼狽しながら尋ねてきた。
「その通りだ。女神女帝カサノバとその配下の破魔八万騎の聖霊達だ」
アールが答えた。
「なんと。女神女帝カサノバ様の聖霊を召喚だと。女神女帝様は、元始天尊と同じ神格の神様。そもそも、我々如き低い神格の者が叶うべくもありませんな。天照様、大白様。大変なお味方を見つけられましたな」
雷帝神は、カラカラと哄笑する。
「では、戦いの続きをお願いする」
雷帝神が宣言した。形勢が不利だからと逃げ出すなど眼中にない。
「では、雷帝神様には、サーリ姫、アルテミシア姫で、辰星君様には、メーサ姫、マリアージュ姫で、蛍惑君様には、フリンツとヨッ君で、昴星君様には、ラーサイオン将軍とメイアで、私は皆の後見をする」
それぞれの戦いが始まる。
続けて投稿頑張ります。




