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良くある転生物語 聖と魔  作者: Seisei
第五章 青春期 迷宮探検編

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第四十三 思い上がり

いつも読んで頂きありがとうございます。


迷宮編の終話です。



第四十三 思い上がり


 ラーサイオン・フュラスは、魔界の深淵に住む種族炎龍の幼竜だった。


 成竜になると、体は急に大きくなる。まぁ、竜種が魔法の生物だと言われるのはそういう事があるからだ。


 竜種の中でも長生きの神龍種の成長は、人間のように時間で成長するわけでは無い。


 要するに強くならなきゃ成竜になれないのだ。


 ラーサイオンは、十分強くなった。


 この時を待っていたぜ。とアールに戦いを挑む積もりで部下になったのだが、実際に、成竜になったとしてもアールに全く勝てる気がしない。


 『選ばれた子ら』とか、何とか魔界の王のディサイファ神龍王が言っていたがそんな戯言は、どうでもいい。アールが何を成し遂げようとし、この世界で何が起ころうとしているか、その真相を突き止める事に興味があった。


 この迷宮に来てから、アールが何を危惧しているのか、ラーサイオンにも次第に鮮明に分かってきた。


 アールに出会う前に、ラーサイオンがこの迷宮に入っていたら、ずっと上の層で引き返していたに違いない。。


 この迷宮の魔物は、あまりにも異常だ。魔界の深淵でも、これほどの魔物はそうそういるものでは無い。


 だいたい、魔物は悪魔や魔神どもの使役動物として召喚される事が多い。だから、これらの魔物も相当なレベルの大悪魔か大魔神が魔物を召喚しているのだとラーサイオンには想像はついていた。


 しかし、どれほどのレベルの大悪魔がこれほどの魔物を雑魚扱いして、使役できるのかはラーサイオンにさえ想像できない。


 魔物のレベルも次第に上がり、魔物将軍などと言う名を持つ魔物まで出だした。


 このレベルの上がり方からすると、これらの魔物を召喚している奴はとんでもなく強い奴だと想像できる。


 ラーサイオンは、闘気を練りに練って、次に現れた大物の魔物を瞬殺しつつ、己の闘気を更に高めた。




 アールは、想定していたより魔物のレベルが高い事に少しばかり、自分の想定を調整する。


 この迷宮の活動が、『敵』の活動であることは誘拐犯のリーダーの読心により間違い無い事がわかった。


 アールは、現場での活動がこんなに有益だったのだと改めて知らされた思いだ。


 たった、これだけで、『敵』の活動の明らかな証拠を掴む事ができたのだ。


 『敵』の目的は、人命そのもの。しかも、殺すのではなく、生きた形で。魔物の何十万と人命の千とを交換しても良いと考えている。


 今も尚、魔物を投入している様子からアール達をそれ程異常に強いとは見なしていないのかもしれない。


 アールは自分の力を抑えた形で戦闘している。しかし仲間達には、好きにさせている。これは、敵の強さのバロメーターのためだ。


 もし、アールが闘気魔法や科学魔法を使ったとしたら、『敵』は、直ちに消えると想定している。


 アルマタ総督府の内乱事件では、『敵』は、姿をくらまし、陰に隠れたからだ。


 その後の『敵』活動を見ていると、大変面倒な活動方針に切り替えてまで存在を隠蔽したのは、当時のアールの存在に警戒心を持ったからなのは明らかだ。


 それ程アルマタでの大戒厳令によるアールの急襲が激しく、彼らの度肝を抜いたのだろう。彼らは痕跡も残さず消えた。


 今回、そうならなかったのはアールが自重して、裏方に徹しているからだろう。


 唯の学生に扮した上、冒険者に化け、手順を踏んで最前線にまでやって来たのだから。


 アール達の戦いっぷりは、『敵』にとって、まだ許容範囲なのだ。それ程には『敵』は、強力なのだろう。警戒が必要だ。


 場合によったら、この迷宮はもう詰んでいるのかも知れない。そうとも思う。『敵』は、もはや消えた後で、魔物達は、唯の自動システム的なカモフラージュなのかもしれない。


 彼は闘気魔法『触手』で、迷宮に相当強いパーティーが入ってきた事が分かった。


 二十八名のパーティーは、その魔力・聖力の様子から大帝級から王級の魔法師や戦士だと分かる。


 これだけの陣容を整えられるのはある程度の機関だろう。最も考えられるのは軍だが、現在の軍には『敵』の妨害が働いていると考えられるのでこれ程早く行動はしないだろう。


 そうなると、噂で聞くマスター級パーティーの招集がかかったのだろう。


 この動きの早さは大したものだ。さすが現場の近くで仕事をしている機関だけはある。


 戦力の投入方針がハッキリしていて、リーダーの資質と統率力の高さが感じられる。良い組織だ。


 『触手』で彼らが縦穴を掘りつつ降りて来ているのが分かった。相当な速度で層を下ってくる。


 アール達を追っているのだと思われた。


 アールは仲間達のレベル上げも、考慮し、『敵』にも警戒させないためとジリジリ進んでいたがそろそろ限界なのだろう。マスター級達に追いつかれてアール達の自由な調査の阻害される恐れがある。


「一挙に、八十五層まで降りるぞ」


 アールが宣言した。


 八十五層とは、この迷宮の最深部だ。おそらく、この迷宮の全ての謎が解けるはず。


 各階層の魔物のレベル構成からすると、魔物レベルは、八十五レベル前後なるはずだ。


「青姫、紫姫、それにラーサイオン。魔物レベル八十五の魔物とは、どれほど強い魔物かわかるか」


「私達の故郷では、魔物のレベルは、三十が限度でした。」


 青姫が答える。


「魔界では、『瘴気の深淵』と呼ばれるところに、強力な魔物が現れる」


 ラーサイオンが答える。


「そこから過去には何十年かに一度ほどだが、強大な魔物が現れている。そいつらのレベルは、だいたい六十から七十ぐらい。


 何百年かに一度程度にそのような魔物も現れているのかも知れん。


 しかしよく分からん」


 つまり、現れる魔物の強さは分からないって事だ。


「では、フォーメーションで行く。皆の為に、私は見ているだけにしよう」


 皆がうなずき、持ち場に付く。


 二姫が前衛。フリンツとラーサイオンが両翼。


 メイア、ヨランダードが中と言うフォーメーションだ。


「転移後、直ぐに魔物が現れる筈だ。魔物を倒したら直ぐに直進する。


 そこに、目的の何かが存在するはずだ」


 アールは、皆の顔を見回す。仲間達の心の準備が整ったと判断。


「転移するぞ!」


 アールの言葉通り、転移して、殆ど直ぐに魔物が現れた。


 それと、同時に二姫がミサイルのように飛んだ。彼女達の立っていたところには、彼女達のステップを受けた地面が大きくへこんでいる。


 メイアが大帝級奇跡レベル三百八『天使の羽』、魔法レベル三百十『不死鎧』(ふしがい)を重ねがけする。


 ヨランダードが大帝級魔法レベル三百二十二『紅蓮大劫火』、魔法レベル三百三十二『大劫火』、魔法レベル三百三十六『大豪雷』、魔法レベル三百三十『天地逆転』、魔法レベル三百三十八『煉獄大堝』(れんごくたいか)の五つの大帝級の魔法を次々に発動する。


 ラーサイオンが、炎龍の特技、『極炎ブレス』を吐く。フリンツが最大級『旋風剣』の斬撃を魔物に叩きつける。


 これらの攻撃は、転移してからほとんど十秒以内に起こった事だ。


 アールは、仲間達がこの迷宮に入ってから急激に成長している事に満足した。





 『それ』は、迷宮の様子をモニターしながら、ほくそ笑んでいた。


 馬鹿な奴らだ。


 『それ』は、腹を抱えて笑った。雑魚を相手にあっちに行ったりこっちに来たり。右往左往している姿が馬鹿のようだ。


 迷宮は、色んな罠が仕掛けてあるようで、時々そのパーティーは、五層ぐらいジャンプしたあと、右往左往して、雑魚の魔物と戯れあっている。


 さすがに、雑魚を退治するぐらいの能力はあるようだが、無尽蔵に湧いてくる雑魚魔物を本気で一群れ一群れ、退治しながら、進むおめでたい奴らだ。


 別のパーティーも上層部に現れた。こいつらはなかなか要領良く降りてくるようだ。少しヤバイかもなと、『きゃはきゅと』は思った。もう少し降りてきたら退散するしかあるまい。


 『それ』は、迷宮にいろんな設定を行い、効果的にアール達を消耗戦に追い込んでいる事に満足していた。


 どちらにせよ、人間如きが彼の目の前にまでやって来れたとして、『それ』の実力を持ってすれば簡単に消し去る事ができる事だけは絶対だ。何せ人間など話にならないぐらいに弱いからだ。


 それは、これまでに捉えてきた数々の人間どものレベルから完全に予想がつく。人間のレベル限界は、雑魚の魔物以下なのだ。信じられないほど低いレベルだ。


 その時、彼の横の空間が揺れて、『それ』の同胞があらわれた。


「オイ。きゃはきゅと。金剛迷宮ハ、ヤバイ奴ラガキタノデ閉鎖シタゾ。コチラハドウナンダ?」


「ナニヲエラソウニ、めふりるり。世ヲ金剛迷宮ノ類人猿ト同格ニアツカウナ。


 コチラハジュンチョウニ仕掛ケタ罠ニハマッテイル。コノママ魔物達ト遊バセテ消耗サセテカラ最後ニ世ガ遊ンデヤルツモリダ


 上層部ニタシカニヤバイヤツラガヤッテキタ。コイツラガクルマデニハココモ閉鎖シヨウ」


「きゃはきゅとヨ。我ラノ正体ハ、極秘トセヨ。ソレダケハ頼ンダゾ」


 そう言うと、『めふりるり』は、またその場から姿を消した。


 『きゃはきゅと』は、『めふりるり』が馬鹿にしか見えない。人間などに、姿を隠してこそこそする必要など本来は無いと考えている。が上司からの命令だ。


 上からやってくる奴らがそこそこ降りてきたら閉鎖してトンズラする事した。


 その時、どうした事か、彼がいる部屋の前の大回廊に突然人間共があらわれたのが『モニター』で分かった。


 人間共が迷宮の転送装置で飛ばされてきたもののようだった。こんな事があるから、面白い。もしかしたら諦めなければならないかと思っていたカモがやってきたのだ。


 すぐに『きゃはきゅと』は、魔物を飛んできた人間の前に呼び込んだ。飛び切り強い奴を呼んでやった。


 ベフモス、ガリス、ディカリムナンの三匹の魔物だ。


 ベフモスは体長八十メートル。常に強いオーラに身を包み敵の攻撃魔法の威力を百五十レベルも下げる。防御力が反則のように強く、少々叩こうが斬りつけようが全くダメージを与えることができない。しかも特技で二十秒おきに特殊魔法を発動することができる。この内の半分は味方への全回復だ。。


 この特技全回復魔法は、反則だ。何しろ、一生懸命与えたダメージがいきなり全回復するのたから。


 次のガリス。こいつは本当にヤバイ魔物だ。とにかく動きが早い。体は、鋼鉄の毛皮を纏い丸くなって飛んで体当たりする。しかしその球体の大きさが直径百メートルになると思ってもらいたい。


 最後のディカリムナンだ。変わった名前の魔物。そして名の通り外観も変わっている、輪が重なったようなのが宙を回っている。見ようによっては人工衛星のようだ。重力攻撃を仕掛けてくる。


 どの魔物も、特殊な特技を持ち、その特技が連携すれば、恐ろしい無敵さを示す。


 ガリスは、言ってみれば巨大な鉄球だ。そんな物に攻撃も効かないうえに、その巨大な鉄球は、恐ろしい速度で飛び回るのだ。


 そしてディカリムナンが重力をガリスにかけてガリスの攻撃力を上げるのだ。


 少々のダメージを受けてもベフモスの全回復魔法でチャラにしてしまう。


 この三匹の連携攻撃を破った者などいない。


 『きゃはきゅと』は、哄笑しながら、戦果を待つ事にした。そんなに待つ事はないだろう。





「あっけなく消し飛んじまったな。全く弱っちい奴らだ。どんな魔物だったんだ?」


 フリンツの発言だった。


「輪っかとトカゲとハリネズミの大きいの」


 青姫が答えた。


「弱っちい」


 彼らが和もうとした時。


「行くぞ!」


 アールが全力で走り出した。皆が慌てて後を追う。最下層の魔物がそれ程強くない事はどうでもよかった。真の『敵』は、目の前にいる。


 アールは、七百キロもあるという刀を恐ろしい速度で走りながら抜いている。


「プラズマ剣」


 アールがそう叫ぶと、剣先に青白い閃光がひかり始める。巨大な光の剣だ。


 剣の中心は、二兆度にもなる。ビックバン時の超高温だ。何でも一瞬で蒸発させてしまうだろう。


 アールは、その剣を『きゃはきゅと』が潜む部屋に向かって叩きつけていた。


 プラズマ剣が、何の変哲もない洞窟の岩肌をバターのように大きくはぎ取った。


 はぎ取った岩肌の向こうには大きな空間がある。

 

 『きゃはきゅと』の部屋だ。迷わずアールは、その部屋に飛び込んで行った。他の仲間達も少し遅れて部屋に飛び込んで行った。


「馬鹿ナ人間ドモヨ。ワザワザ窮地ニ飛ビ込ンデキタカ?」


 そいつが横柄な態度で言った。


 みると、そいつは黒い炎の様なものを体からだしている。アールは、そんなのは見た事がない。


 よくよく見るとアールの特技『魔法の原理が何でも分かる』が発動し、それが何かが分かった。魔瘴気の濃いものなのだ。それは魔力だけを練りに練れば作れる事が分かった。


 その原理を試してみる。魔力を練りに練ってみる。成る程とアールは、大きくうなずいた。魔瘴気が出来上がる。これが魔瘴気の原理だったのである。


 彼は、その、魔瘴気を操ってみてまた、成る程と感心する。魔法などよりは大変扱いやすい。魔瘴気魔法とでも言えばいいのか。この原理は、聖力でも同じはずだ。後で試してみよう。


 この魔瘴気魔法は、魔力しかない種向けの闘気魔法と言えばいいだろうか。


「さらった人間はどうした?」


 アールが訪ねた。最大の感心事だ。


「本国ニ送ッタヨ。私ハ何ニ使ッテイルカ知ランヨ。


 ゴミノヨウナオ前達ナド何ニ使ウノヤラ。ソモソモコンナ大掛カリナ方法デ、ゴミ集メナドセンデモ我ラ魔界貴族ニ任セレバイイノダ」


「魔界貴族?」


「ソウダ。魔界ハ、オ主達モ存在ノ分カラナイ部分ガ広ガッテオルノダ。


 ソノ境界ヘハ、魔界貴族ノ魔法ガ使エル者シカ渡レナイ」


 アールは、目眩を覚えた。謎の『敵』は、魔界におり、『魔界貴族』と言うらしい。魔界貴族の魔法とは、魔瘴気魔法の事だろう。


 あの大量の魔物は、魔界貴族の言っていた魔界から送られて来ていたのだ。


 いろいろ謎だった事が明かされて行く。どうして、このような秘匿するべき事をこうも易々と話すのだろうか?


「お前達、魔界貴族と言うのか? お前は、それ程高い身分ではあるまい。


 お前の主人は、魔界王とでも言うのか?」


「黙レ。ドウセオ前達ハ死ヌノダ。世ガゴミ処理シテヤロウ。ゴミニ我ラガゴ主人様ノ御尊名ヲ聞カセテドウスル」


 『きゃはきゅと』は、魔法の詠唱をはじめる。十倍速ぐらいで詠唱している。


 アールは、闘気魔法で結界を張る。『きゃはきゅと』を含めて大きな空間を絡め取る。逃げられ無い様に外の世界と隔離するためだ。


 それと同時に探知系の魔法『鑑定』『魔法レベル探知』『モンスター図鑑』『人レベルサーチ』などを同時に発動。さらに闘気魔法で『バリヤー』を貼る。『バリヤー』を最大強度にした。


 アールがその全てを終えてようやく『きゃはきゅと』の魔法詠唱が終わり魔法が発動する。


 恐ろしい炎がアール達を呑みこんだ。


 アールは、敵が一度の魔法を発動している隙に六種類の魔法を発動している。その魔法の効果を以下に列挙しよう。


第一闘気魔法の結界 アール達を別次元で包み込んでいる。敵『きゃはきゅと』は、その事にも気づいていない様子。


第二『鑑定』の結果

名:きゃはきゅと

年齢:測定不能

種:魔種

職業:魔界貴族

人レベル:測定不能


第三『魔法レベル探知』

魔法名:地獄の業火

魔法の種類:測定不能

魔法の効果:煉獄炎系、消せない炎

魔法レベル:三百三十五

魔法級:大帝級

魔法熟練度:未熟


第四『モンスター図鑑』

モンスター名:きゃはきゅと

モンスターレベル:三百七十

モンスター特技:魔物寄せ(魔物を呼び寄せる)

モンスターの配下:なし

モンスターの上司:魔界将軍


第五『人レベル探知』

闘士レベル:未熟

戦士レベル:未熟

剣士レベル:未熟

魔法師レベル:大帝級

召喚師レベル:帝級

錬金術師レベル:上級

魔界貴族:魔界騎士級

魔界医師:初級

魔界武器師:見習

以下見た事が無い職業が続いたがどれも大した能力は見当たらない。


第六闘気魔法『バリアー』

『きゃはきゅと』の魔法を完全防御


 アールは、闘気魔法『気迫』を強度中ぐらいで発動。


 偉そうに、ふんぞり返っていた、魔界貴族『きゃはきゅと』はあえなく失神して、床に崩れ折れた。


 その時だ。アールの想定外の事が起こった。『きゃはきゅと』の身体の内部から何らかの魔法の発動が感知された。


 アールにより、既に発動している探知系魔法のおかげで、その魔法が、魔法レベル三百七十五天帝級『地獄の消滅』である事が分かる。


 どうやら、『きゃはきゅと』の体内に時限魔法がかけられていたようだ。たぶん敵の魔法で捕獲されると発動するのだろう。この魔法をかけていたのは天帝級の魔法をかける事ができる奴。つまり『きゃはきゅと』では無い。


 『敵』の用意周到さと見方をトカゲの尻尾のように切り捨てる情け容赦の無さが感じられた。


 『きゃはきゅと』は、消えて無くなってしまった。


「レイライト様。『敵』だったのですね」


 ヨランダードが聞いた。


 アールが、探知魔法で分かった事を皆に教えてやる。


「分からない事ばかりですね」


「いや。成果は予想以上にあった。『敵』の存在を事実として捉え、『敵』の下級の者のレベルを知る事ができた。また『敵』が存在の隠蔽を重要視している事も分かった。


 見えない魔界の存在。魔界貴族、魔界騎士、魔界の知られざる職業の存在、魔瘴気魔法の存在、魔界将軍という『きゃはきゅと』の上司の存在など。


 少なくとも、彼らは天帝級の魔法を使う。これから皆の修業も激しくなる事を覚悟して欲しい」


 アールはそう言った。この発言が水晶迷宮の冒険の締めくくりのように皆には感じた。





 マスター級パーティーには、置き手紙を置いておいた。


 大体の真相も隠さずに書いて置いてやる。


 アールには、どうも時間があまり無いとの予感があった。


 冒険者ギルドのマスター級パーティーには、また出番をお願いする事にすぐになるだろうとの予感があった。


いかがでしたでしょうか。


次回から、新章『天空編』の始まりです。サーリ姫とアールの恋の行方がメインテーマとなる予定です。


この週末は、四連休にして、頑張って書きます。


では次回をお楽しみに。

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