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良くある転生物語 聖と魔  作者: Seisei
第四章 青春期 魔法学院編

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第三十七 アーマード選手権大会

いつも読んで頂いてありがとうございます。


おまけのつもりだった今回の話。書いてみて予定以上に苦労しちゃいました。


楽しんで頂けると嬉しいです。

第三十七 アーマード選手権大会


 アーマードの世界一の祭典。『アーマード 世界選手権大会』第三次予選が今始まろうとしていた。


 フリンツ・ホップルは、チーム名を変えて、『ホップルと二姫』とし、ドートマルキ商会がスポンサーである事を全面に押し出した。


 突然、恐ろしく高価なアーマードを手に入れたフリンツ・ホップルに疑いの目が行かないようにするためだ。


 アーマードの胸にドートマルキ商会のロゴを入れている。


 これは、アールのアイデアで、なかなか素晴らしいアイデアだとヨーランドが興奮して言っていた。


 大会の様子は、魔法によりリアルタイムに全世界に配信される。


 フリンツは、三体のアーマードとそれらの付属の武器多数、砲弾などの消耗品も多数用意し、カタクラフトに乗せた。


 カタクラフトは、全長二十メートルもある巨大な物で、運搬に特化したものだった。それに三体のアーマードを入れて移動させるところは本当にかっこいい。


 砲弾は、アールが魔法で出してくれた。形状が単純なので魔法で再現できると言うのだ。


 アールによると、あらゆる砲弾、銃弾等は、魔法で供給できるから幾らでも好きなだけ撃ち尽くして良いとの事だった。それはまるで夢のような話だ。


 しかし、これ程の砲弾や銃弾を発射できるアーマードは、初めてだ。


 普通のアーマードでは、人が持つような散弾銃が使用される事が多い。


 アールから貰い受けたアーマードには、専用の二十四ミリ機関砲が三門も備え付けられる。


 掲示板で能力を確認すると毎分七百二十発も発射される自動式の速射砲であった。


 高速で移動する、アーマード同士の戦いでは、速射の数が多ければそれだけ当たる確率も上がる。とても理にかなった武器だ。


 このアーマード相手なら、普通の魔法師では太刀打ちできない。


 性能調査のため、アールに本気で戦って欲しいとお願いしたが、アールにはオモチャにしか見えないようで本気で戦ってはくれなかった。


 アールは、どこまで強いのだろうか。誰も言わないが、アールに勝つような存在は絶対に存在しないと思われた。


 フリンツ・ホップルは、マリアージュとアルテミシアに頼んで、同乗してもらった。


 カタクラフトを動かして、大会の会場に向かう、フリンツ・ホップル達が、大画面に映し出される。


 画面の中で、観衆に向かって手を振るフリンツ達。マリアージュとアルテミシアの美しさが際立っている。


 二人の笑顔がとても可愛い。フリンツ・ホップルは、精悍な顔で爽やかに笑っている。


 黒い瞳と髪の毛が精悍さを際立せている。色素の薄いマリアージュとアルテミシアの二人の対比が絵になっている。


 次々に選手達が入場するが、フリンツ・ホップル達のチームがずば抜けてカッコいい。


 大画面では、彼らを応援する観衆達の数が示されるが他と比べ物にならないほど数が多い。


 すでに、人気者だ。


 彼らが所定の位置に着くまで、カメラもしつこく追っかける。それも、マリアージュとアルテミシアの存在のおかげだろう。


 チーム『ホップルと二姫』は、巨大なカタクラフトと美しい女性達を乗せて所定の位置に着いた。


 会場には、拡声器でアナウンスがされている。


「皆んな。チーム『ホップルと二姫』が所定についたね。チーム『ホップルと二姫』は、フリンツ・ホップル。マリアージュとアルテミシアは、なんと、サースラン族のお姫様姉妹。

 しかも、あのドートマルキ商会がスポンサーだ。皆んな見てみて! あのアーマードを。

 レア度スリーエスだぞ。大会にデビューだ。何と二十四ミリ機関砲が三基配備だ。毎分七百発の速射が三門だ。

 なんと驚き巨大馬力八万三千馬力の自立式ホプロマクスだ。重武装の騎兵という意味だぞ。この大会での主要アーマードだから覚えてね。

 それと同程度のホプロマクスアーマードが全部で三体用意されている。

 皆んな。チーム『ホップルと二姫』を応援してくれ!!」


 次の出場者を紹介しているがフリンツ達と比べたら簡単なものだ。


 彼らは会場の巨大な、闘技場の両サイドに出場チームが分かれて並んでいる。全部で各サイド八チームずつ、計十六チームが第三次予選の出場チームだった。


 フリンツが全財産をつぎ込んだあの白いアーマードも出場している。


 アーマード装着の合図がした。【ポーワーン】サイレンが鳴る。


 フリンツは、颯爽とアーマードに搭乗。武器を装着。


 作動確認だ。本当に身軽に動く。こいつぁ最高だね。フリンツは、ニヤリと笑う。


 目標はあの白いのだ。


「観衆の皆さん。実況のミキです。よろしく。

 さて、この試合は、紅白に分かれて、十六チームが戦います。試合開始の合図で相手方を倒してください。一チーム倒すと三ポイント加算。

 三十分後に試合が終了。その時に残っていたらさらに二ポイント加算となります。

 第三次予選は八十チームが参加していますが、次の第二次予選に残れるのは、十六チームとなります。

 八十チーム中、残るのは上位十六チームだけです。

 試合開始のフォーンが鳴るまで後二分です」


【ポーワーン】試合開始だ。


 フリンツは、アーマードを発進させる。


 アーマードが滑るように進んで行く。メイアの作戦によると、生き残るためには十六位までに入れば良い。無理する必要は無い。それにここであまり派手に勝つと後が厄介な事になるとメイアは今までのアーマード選手権大会を分析して言っていた。


 もし完全に相手方を全て一チームでやっつけた場合五十ポイントが入る。


 フリンツは、五十ポイントを狙って頑張るつもりだ。


 メイアの作戦の意味は、フリンツも良く理解したが、フリンツは、無視した。


「実況です。観衆の皆さん。いよいよ第三次予選第六組の試合が始まりました。

 あーっと! 最初に戦列から飛び出したのは、チーム『ホップルと二姫』だ! 金と銀の美しいアーマードの胸にはスポンサーのドートマルキ商会のロゴがかっこいい。

 一際目立っています。

 チーム『ホップルと二姫』の動きに対して紅側のアーマード達にも動きが出てます。

 チーム『白いジーなやつ』は、戦列を横に移動、チーム『ホップルと二姫』から離れて行きます。

 紅組では、密集隊形が取られて行きます。

 チーム『ザキなやつら』、チーム『八スタイル』、チーム『むっちり〜』、チーム『スズムシ』の四チームが共闘する作戦のようです」


 フリンツ、スーッと滑るように、敵の火線に無造作に入ってゆく。四体集まって共闘するつもりだろう。


 その紅側の四体のアーマードから、散弾がパラパラと打たれる。フリンツのアーマードに散弾の三ミリ鉄球が盾に当たるカンカンと言う音がした。


 全く示威にすらならない、無駄玉だ。


「紅側の四チームから、チーム『ホップルと二姫』に散弾が撃ち込まれたぞ。これは、初戦から苦しい闘いになってきたぞ、チーム『ホップルと二姫』。

 対する紅側四チームは、四列になって巨大な盾を壁のように地面に打鋲して固定したぞ。この鉄壁の防御は、なかなか破れないぞ。

 しかも、盾から、二十ミリ散弾砲が覗いている。

 チーム『ホップルと二姫』は、驚きの火力二十四ミリ機関砲だが、四対一では、分が悪いか?

 しかし、チーム『ホップルと二姫』は、そのまま近づいているぞ」


 フリンツは、さらに、敵側の火線に入ってゆく。


 そして、次の瞬間。二十四ミリ機関砲が火線を開いた。


 ガガガガガガガガガ!


 けたたましい音とともに火線が紅側のアーマードに伸びてゆく、瞬く間に着弾したところから爆発音と土煙が巻き上がる。


 ドカンドカンドドド!!!


 凄まじい爆裂音が連続して立ち上がる。


「いや〜〜!! これは驚きの攻撃力だ。チーム『ホップルと二姫』! この火力差はなんだ?

 さすがは天下のドートマルキ商会だ。商会が本気になればこんな古代超兵器を持ち出せるのか?

 しかし、砲弾の数が凄い! 凄い物量だ! あれだけの砲弾の価値たるや一体幾らぐらい必要なのか?

 ドートマルキ商会の財力は、あまりにも偉大だ。これまでの魔法アイテムの使い方と桁が違います。これは度肝を抜かれました」


 フリンツは、そのまま滑るように走り込んで行く。


 背から巨大な、チェーンブレイドを取り出す。


 ギューン! ブレイドの刃先についているサメの歯のようなトゲトゲしいノコギリ歯が刃先を高速で回りはじめた。チェーンソーみたいな感じだ。


 アーマードの接近戦用の武器である。


 たとえ砲弾が無尽蔵に有るとしてもそれを敵に知らしめる必要はない。アールの魔法で既に砲弾が満タンになっていることを掲示板に示されている。


 最初の砲撃で敵方の戦力や戦意はほとんど削り取っているはずだ。


 掲示板を見ると、敵のアーマードは、四体の内二体が点滅し、一体が白旗を上げている。最後の一体が白い奴と同じ方向に移動中だ。


 このアーマードは、一度敵をロックオンすると目を離しても何時でもその敵の位置と戦力予測を出してくれる。驚く性能の索敵能力だ。


 それにしても、二十四ミリ機関砲三門の威力は凄まじい。


 瞬く間に三チームを葬り去ったのだ。


 フリンツは、左に移動中のアーマードに向けて猛ダッシュした。凄い加速感が体に伝わる。


「おっと! ここで、チーム『ホップルと二姫』が猛追撃だ! その速さにびっくりだ! こいつは、本当に化け物ようなアーマードだ!

 追われるのは、共闘チームから抜けた『ザキなやつら』だ『ザキなやつら』のアーマードは、クラフト級。二十ミリ散弾銃二門搭載。まだ残弾は有るのか?

 性能は、一目瞭然。しかし、『ホップルと二姫』も凄い。休みなしで、闘っている。体力は、大丈夫か?

 なになに、手元の資料を読むと『ホップルと二姫』に搭乗するフリンツ・ホップル選手は、アーマード酔いを経験した事がないらしいね。

 観客の中の、素人さんのために、実況のミキがアーマード酔いを解説しましょう。アーマードは、魔法が苦手な者でも動かせる我々人類の夢の乗り物なんだけど、一つだけ欠点があります。それが、体力をやたらに消耗しちゃうんですね。

 そして、長く乗り続け体力を消耗し過ぎると大変だ、そいつは、酔っ払いみたいになって立てなくなる。これがアーマード酔いだ。

 ところが、このフリンツ・ホップル選手は、どうやら無尽蔵に体力を使い続ける事ができると資料にあります。

 このアーマードの動力源が切れるまでずっと使い続けられるって事だ。

 持久戦になるほど、チーム『ホップルと二姫』は、有利だって事。なのにチーム『ホップルと二姫』は、果敢に攻める事を諦めません」


 観客からの『ホップルと二姫』の応援が次第に増えてくる。


 観客が求めているのは刺激なのだ。


 ついに『ザキなやつら』に追いつく。『ザキなやつら』も、このまま逃げていては負けるしか無いと決戦の体勢を整える。つまり休んで体力温存だ。盾を構え、武器は見えないように後ろに構える。この構え方を、脇構え、陽の構えとも言う。


 一対一の実戦では、相手にどのような武器を持っているか、その武器の間合いがどれくらいあるかを知らせない方が優位なために、この様な構えを取る。


 フリンツが盾を前に突き出してチェーンブレイドを振りかぶる。


 徐々に、間合いを詰める。


「いよいよ、一騎打ちだ。この状態は一見互角みたいだが、チーム『ホップルと二姫』は、これでいいのか? そこは敵陣だぞ‼

 チーム『白いジーなやつら』が『ホップルと二姫』の背後に回っている。

 挟み討ちだ‼

 『ホップルと二姫』大丈夫か?

 『白いジーなやつら』が大分近づいている」


 と、その時だ。フリンツは、前に飛び出して、『ザキなやつら』の頭上を飛び越しざまにチェーンブレイドを振り下ろす。


 ガンキューーン!!!


 と、チェーンブレイドが『ザキなやつら』のアーマードの頭部に当たる。


 『ザキなやつら』の頭部が半分消し飛ぶ。


「おお!! 大技が出たぞ。『ホップルと二姫』は、大ジャンプ、その瞬間に、『ザキなやつら』を攻撃。頭部が破損した模様。

 観客の皆さんは、安心してください。アーマードの頭部には、人の頭は入ってません。しかし、頭部をやられると探知装置が壊れるので周りが見えなくなります。」


 『ザキなやつら』は、ふらふらしている。


 フリンツは、『ザキなやつら』を掴むと、振り回して、ガクガクさせる。しばらくガクガクして搭乗者の意識を飛ばしてやる。


 そこからが、フリンツの作戦だった。


 味方同士は、セーフティが発動して攻撃できないのだ。


 だから、『ザキなやつら』は、最高の盾になるのだ。


 最高の盾をかざしながら、『白いジーなやつら』を迎え撃つ。


 二十二ミリ機関砲の照準を付ける。先程は、軽装備のアーマードで、絶対的に優位だったから、戦闘したが、無意味に戦闘しても仕方が無い。


 『白いジーなやつら』の散弾砲門は、まだ撃ってないので残弾があるはずだ。散弾砲でも至近で打たれたら損失はあるだろう。


 そのための、『ザキなやつら』の盾だ。


 『白いジーなやつら』は、フリンツが弾切れと判断していると思われる。


 砲弾が有るなら、接近戦などしない筈だ。


 そう思わすための、行動だった。『白いジーなやつら』は、歴戦の戦士達だ、フリンツのアーマードを見ればできの違いは一目瞭然。最初からフリンツ達とは距離を取って闘うつもりだと予想したのだ。


 とにかく、この第三予備戦第五組では、この『白いジーなやつら』が一番危険なアーマードである事は身を以て経験済みだった。


 やはり、やつらは接近戦に誘うつもりだ。周りの状況を見ると、紅組は、三つの共闘組ができていて、その他は、独自で戦っている。白組も似た様なもんだ。


 敵を倒したのは、フリンツのみ。しかし、手に持っている『ザキなやつら』は、搭乗者は、意識不明だが、倒したうちに入っていないから、点数は、フリンツが十一点となっている。


 そろそろ十分な距離だ。


「さて、観客の皆さん。そろそろチーム『ホップルと二姫』とチーム『白いジーなやつら』の一騎打ちが始まろうとしています。肉薄するチーム『ホップルと二姫』。チーム『白いジーなやつら』は、味方を盾に取られて散弾砲を撃つことができません。

 ああっ! これはどうした?」


 実況のミキが絶叫する。


 フリンツが、二十二ミリ機関砲、十八ミリ機関砲、八ミリ機関銃の火線をいきなり全砲門を発砲し、全弾が『白いジーなやつら』に命中したのだ。


 たった一台のアーマードの火線の集中とは思えない。


「おお!! 優勝候補の『白いジーなやつら』が戦線離脱だ!

 白旗を上げたぞ。

 チーム『ホップルと二姫』は、ガッツポーズを取っている。圧倒的な強さだ。そのまま、自陣に引き上げるようだ。

 チーム『ホップルと二姫』は、余裕の無傷。使った砲弾の数は今大会ナンバーワンだろう。『ザキなやつら』を場外に投げとばす。これでさらに三ポイントを加算する、

 獲得し自点を加えて十七点。予選でダントツ一位だ」


 華々しい、フリンツホップルの伝説の始まりであった。



✳︎



 続く、第二次予選で、フリンツは、二十三点を取り一位で予選を通過した。


 決勝戦では、バトルロワイヤル方式で戦われる。参加は全部で八チームである。


 アーマードと、戦士が一人、魔法師が一人のメンバー構成が一番多い様だ。


 生身の人間が入るので重火器の使用は、禁止されている。


 フリンツは、美姫二剣士を二人侍らせて出場した。


「それでは、皆さん。決勝戦の始まりの前に各選手の紹介を始めます。


 先ず第二次予選一組でダントツの強さを発揮。得点二十三点。チーム『ホップルと二姫』だ! 注目するのは、予選とは違う形のアーマードだ。まるで宝石のようだ。何て美しいホルムなんだろう。どんな活躍をしてくれるのか期待大だ。このチーム、ドートマルキ商会がスポンサーになり財力はピカイチ。物量に物言わせての凄い闘いっぷり。しかし、搭乗者のフリンツ・ホップル選手の無限体力も凄い。操縦センス、格闘センスも今大会ナンバーワンだ。


 しかしこのチーム。皆はもう気づいてるだろうが、最も注目するのは、二人の美姫、マリアージュとアルテミシアの美女達の出場だ。おいおい、こんな女の子を戦闘の大会に参加させて犯罪じゃないかって、皆さん思わないでいいぞ。


 二人は、あの戦闘種族サースラン族なのだ。サースラン族の事をあまり知らない皆さんに、実況のミキから、解説だ。


 サースラン族は、恐ろしいスリーエス級の魔物がゾロゾロ出現するって言う東海の樹海の出身。そこには、地上の魔物を掃討する男戦士と、地下の迷宮の魔物を掃討する女戦士に分かれて住んでいる。彼女達が少し小柄なのは地下で生活するからだ。


 彼女達は、見ての通り、とっても美しい。色素が少なく肌は真っ白、髪も瞳も宝石のようだ。


 しかも、皆。よく聞いてくれ。この二人は、剣士。しかも剣士の中でも達人の位なのだそうだ。有名な剣聖ロンハードの一番の弟子だ! これは期待できる!



 初めのチームから実況に力が入った!


 次の二番手だ。チーム『ヘビィデモイス』! 二人の参加者は、サイリン・カモス上級第一等黄金級魔法師とライオス・ギブン戦闘上級第一等戦士の二人も強力だ。


 そして、第二次予選三組一番で得点数二十点。『ヘビィデモイス』は、常連のオーガクラフトからの出場だ。


 今大会、オーガクラフトは、三チームを出場させているがチーム『ヘビィカーズ』第六位十一点『ヘビィゼッド』第十二位八点のチームも決勝に残っている。この三チームは、たぶん共闘するだろうから、要注意だ」


 次々に、決勝に出場するチームが紹介された。


「さて、出場者の紹介が終わった。開始の合図だ」


【ポワーン】


「では、実況を始める。注目のチーム『ホップルと二姫』は、どんな作戦か。


 今大会の台風の目のこのチームは、最初に皆から狙われるのか、避けられるか。


 おお! どういう事た? 本来アーマードの背に隠れて移動するはずの剣士二人がアーマードから分かれてそれぞればらばらだ。何を考えてる。


 マリアージュ選手、黄金の髪をひらめかせて横のチーム『ライズブレイド』に対峙したぞ。これは、どうしたということだ?


 アルテミシア選手も逆のチーム『ロッテカムラン』に対峙した。ルールを知らないのか?


 おおっ! ホップル選手のアーマードも突進するぞ〜。手には剣を持っている。そう言えば、ホップル選手も剣士の達人とある。アーマードは、クラフト級だ。美しいが少し大きな鎧程度のアーマードでしかない。戦力は、二姫と変わらないか?


 この三人は、何を考えてる?」


 しかし、次に起こった事は、皆の予想とは全く逆だった。


 先ず、マリアージュからだ。彼女は、アーマードまで、肉薄すると、たった一撃で、アーマードを倒してしまった。アーマードは、身動きすらできなかった。恐ろしい速さでの攻撃だ。


 ちなみにアーマードが戦闘不能になればチームは、敗退だ。


 マリアージュは、次の獲物を求めて走って行く。


 アルテミシアの方に転じて見ると、彼女も剣を持つと、日頃の優しさが鳴りを潜め非情の姫になる。可愛らしさがかえって恐ろしさを増す。


 銀色に輝く髪が風にたなびく。彼女は、剣を左手に持ち、右手で髪を押さえる。可愛い仕草だか、目は鋭い戦闘モード。


 マリアージュの闘いっぷりを見ていた、アーマード『ロッテカムラン』とその後ろの魔法師、戦士は、前に出てきてアルテミシアを取り囲もうとしている。


 先ず、魔法師が『金縛り』の呪文を唱える。


『ヤハスの御心は寂にあり。ヤハスはいましたもう。ヤハスの嘆きを癒す。かの者は、動かざりし。寂の僕たりし。不動金縛り』


 しかし、アルテミシアは、何もない様にそのままの姿のままだ。


 剣士レベルが、高いのだ。魔法師の魔法師レベルは、せいぜい魔人級であるのに、アルテミシアの剣士レベルは、帝王級。相手を支配する魔法は、人レベルが低すぎると効果がキャンセルされる。


 戦士が前に進む。アルテミシアは、上品な雰囲気で戦士がやってくるのを待っている。


 ニッコリと戦士に微笑みかける。戦士は、フルプレート(全身鎧)で両刃の大剣を肩に担ぎながら少女に近づいてゆく。


「最初に攻撃をしてきなさい。手加減はしてあげます」


 アルテミシアが完全な命令口調で言った。


「死んでも。知らんぞ」


 大男の戦士は、大剣を振りかぶると跳躍して斬り込んだ。


 重い大剣を力一杯振り下ろす古典的な攻撃方法だ。


 少女は剣を左手で持っているだけだ。そして、そのまま片手の剣で大剣を受け止めた。


 ガッ! 大剣が受け止められる。


 微動だにしない。闘気剣の凄い所だ。


 大男は、驚いて剣を引いている。力量の差が明らかだ。少女があまりに美しいから、化け物に見える。


 腰がひける。


 アルテミシアは、戦士にまた、ニッコリ微笑みかける。


 戦士は、完全に戦意を無くして「ひっ!」変な声をあげて座り込んだ。


 アルテミシアは、小さくこくりと頷いた。それならとばかりに、魔法師の方を見る。


 魔法師も、首を左右に振っている。


「では、アーマード。かかってきなさい」


 アルテミシアがアーマードに向かって誘いをかける。


 両手で剣を持って正眼に構える。闘気を充満させる。アールから闘気の練り方を習ってからは闘気が溢れてきそうだ。


「本気で行くぞ。死んでも知らんぞ」


 アーマードから拡声器で声がする。


「あなたたちの闘いっぷりは、予選で見ていたわ。思いっきりきなさい」


 アルテミシアは、アーマードにもニッコリと愛想笑いを浮かべてやる。


 アーマードがキュルキュルとエネルギーを変換しているエンマ機関の独特の音を響かせる。


 次の瞬間、アーマードが恐ろしいスピードでアルテミシアの脳天に巨大ブレイドを叩き込んだ。


 アルテミシアがそれを剣で受け止めた。ニヤリと精悍な笑いがこみ上げる。


 次の瞬間、アルテミシアは、アーマードの巨大ブレイドを斜めに流しながら、アーマードの懐に飛び込むや、アーマードの胴に、剣を叩き込んだ。


 アーマードが吹き飛ぶ。


 ドカーン!


 地響きを立てて、アーマードが地面に激突し動かなくなる。呆気ない。


 見ると、姉のマリアージュが二体目のアーマードをほふった。


 前方を見ると、フリンツが恐ろしい速度でアーマードを走らせつつ、次々とアーマードに恐ろしい剣の斬撃を次々と叩き込んでいる。


 アーマードも、魔法師や戦士達も恐ろしい速度で攻撃してくるフリンツにどう対応して良いか分からないようだ。


 普通は、一緒に戦う二人を気遣ってゆっくり進むのがセオリーだが、その二人と別々に戦うなど、誰が想像しただろうか?


 アーマードの最大の利点は、その機動力だ。恐ろしく素早く力技で飛び跳ねる。あそこかと思えばまたこちらって訳だ。


 フリンツは、アーマードの操作だけでなく、剣の腕も一流だ。マリアージュやアルテミシアにはかなわぬまでも、天性の身体能力で次から次へとアーマードを追撃している。


 あの二十二ミリ機関砲は、なんだったんだろうと思わないでもない。



 それほど、フリンツの攻撃は、冴えていた。何しろ動きが早く、しかも大きいのだ。


 一歩の跳躍距離が大きいのだ。ほとんど空を飛ぶような感覚だ。


 そして、フリンツが振り切る剣には、十分な闘気が載せてある。


うまく、剣で受け止めようが何をしようが防戦できず一撃一撃について、甚大な被害をだすのだ。


 優勝候補達も、オーガクラフトが送り込んできた三体のアーマードも共闘しようがお構い無しの攻撃に瞬く間に、アーマードを屠ってゆく。


 開始後、十分で、彼らは全てのチームを屠り去っていた。


次回から、いよいよ迷宮探索に入ります。


ここまで来るのに準備が大変でした。やっと本格ファンタジーに入れると喜んでいます。


美男美女美獣のパーティが、巻き起す前代未聞の大冒険活劇がやっと書けます。


ご期待ください、

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