第三十九夜 白い鐘の講義
第三十九夜 白い鐘の講義
午後の鐘は、資料室の奥まで届いた。
白い石壁を伝ってくるような、澄んだ音だった。
一度目は高く。
二度目は少し低く。
三度目は、耳の奥ではなく胸の奥へ残る。
リシアは資料から顔を上げた。
聖王国の鐘だ。
港で聞いた時にも、きれいな音だと思った。
けれど、今は少し違って聞こえる。
ただ時刻を告げる音ではない。
何かを整え、何かを囲い、何かを外へ出さないための音。
そんな気配が、ほんの薄く混じっているように感じた。
もちろん、リシアにそれを正確に説明する力はない。
ただ、アインが鐘の音に少しだけ視線を上げた。
アリシアの扇子が、一拍だけ止まった。
それだけで、何かがあるのだと分かるようになってしまった。
分かるようになってしまった、というのは少し困る。
知らなければ、ただ美しい音で済んだのだから。
「午後の講義は、聖王国基礎史です」
ユリアが資料を片付けながら言った。
「学院へ入った学生は、出身国や所属に関係なく、一度は受けることになっています」
「聖王国の歴史を学ぶ講義ですか」
「はい。ただ、王朝史というよりは、聖王国が何を守る国なのかを学ぶ講義です」
何を守る国なのか。
その言い方に、リシアは少しだけ引っかかった。
国は民を守る。
領土を守る。
法を守る。
そう教わってきた。
もちろん、信仰を守る国もある。
けれどユリアの言い方は、少し違った。
守る対象が、民や領土ではなく、もっと別の何かであるように聞こえた。
「行きましょう」
アリシアが軽く扇子を閉じる。
「午後の鐘を聞いた後に聖王国基礎史。実に分かりやすい配置ですわ」
「お姉様、それは褒めていますか」
「教材としては、ですわ」
リシアは、もう少し困った。
お姉様が教材として褒めるものは、たいてい後で誰かが泣く。
セラは資料室の扉の外へ先に視線を向けていた。
「講義室までの移動中、混みそうです」
「では急ぎましょう」
ステファニアが言う。
その声は落ち着いていた。
けれど、資料室を出る前に、彼女は一度だけ索引台を見た。
見えたものを読まない。
それは、目を閉じることではない。
見たうえで、今は開かないと決めることだ。
リシアには、そう見えた。
◇
聖王国基礎史の講義室は、本館の二階にあった。
午前の共同基礎講義よりも少し広い。
前方には白い石の教壇。
その背後に、鐘と剣を組み合わせた紋章が掲げられている。
窓は高く、光はよく入る。
けれど、部屋の空気は明るいというより、清められているという方が近かった。
学生たちはすでに集まり始めていた。
席は自由。
また自由。
リシアは、思わずアリシアを見た。
アリシアはにこりと微笑んでいる。
「本当に、学院は親切ですわね」
「また教材ですか」
「ええ。しかも、同じ教材に見えて少しずつ条件を変えてくださる」
午前は顔合わせ。
共同基礎講義では班分け。
食堂では昼食。
そして今度は、聖王国基礎史。
同じ自由席でも、周囲の意味が違う。
神殿関係者の学生が前方へ集まっている。
騎士家の学生は中央より少し後ろ。
研究院の学生は窓側。
ジークフリートたちは、前方から三列目の中央近くにいた。
ミリアの姿もある。
彼女はこちらに気づくと、笑顔で軽く手を上げた。
リシアは丁寧に会釈だけ返す。
席を選ぶ。
ここで後ろへ下がれば、話を避けたように見える。
前へ出すぎれば、神殿側の輪に入る。
ジークフリートの隣へ行けば、ステファニアの婚約者側へ寄った形になる。
研究院側へ寄れば、ユリアの話題の続きとして自然だが、聖王国基礎史では少し逃げにも見える。
リシアは、中央より少し右、ジークフリートたちから二列後ろの席を選んだ。
見える。
見られる。
けれど、属さない。
「こちらにしましょう」
ステファニアがすぐに頷いた。
アリシアも異論を挟まない。
セラは通路側に立つように席を確認し、アインは最後列に近い壁際へ視線を向けた。
「アイン様は」
「後ろにいる」
短い答えだった。
リシアは頷いた。
アインは、表に置くべき人ではない時がある。
けれど、いないことにもできない。
後ろにいる。
その位置が、今は一番合っているのだろう。
◇
講義開始の鐘が鳴る少し前、教壇の横の扉が開いた。
入ってきたのは、白い法衣に淡い灰色の外套を重ねた女性だった。
年齢は、リシアの母より少し若いくらいだろうか。
髪は薄い金色で、首元に小さな鐘の意匠を下げている。
神官にも見える。
学者にも見える。
彼女は教壇に立つと、静かに学生たちを見回した。
「午後の聖王国基礎史を担当します。マリナ・オルセインです」
声は澄んでいた。
鐘の音に似ている、と思った。
大きくはないのに、部屋の隅まで届く。
「この講義では、聖王国の王朝名や歴代聖王の事績を暗記していただくつもりはありません。それらは必要な時に資料で確認できます」
少しだけ、教室の空気が緩んだ。
暗記しなくてよい、と聞いた学生が安堵したのだろう。
マリナ教官は微笑まなかった。
「ですが、聖王国が何を恐れ、何を守ろうとしてきたのか。それは覚えていただきます」
空気が、また少し締まった。
「聖王国は祈りの国です。同時に、封印の国でもあります」
リシアは、背筋が静かに伸びるのを感じた。
封印。
その言葉は、アークライトで何度も聞いた言葉と近い。
けれど、ここで聞くと意味が違う。
「古い時代、この大地には多くの災厄が残されました。境界災害、魔力汚染、制御不能となった古代遺構、そして人の心を壊す知識」
人の心を壊す知識。
ステファニアの指先が、机の上で少しだけ止まった。
アリシアは前を見ている。
アインは後ろにいるはずだ。
リシアは振り返らなかった。
「メシア教は、それらをすべて焼けと言ったわけではありません。誤解されがちですが、封印とは破壊ではない。危険なものを、危険な形で人の手に渡さないよう管理することです」
その言葉は、思ったより穏当だった。
リシアは少し意外に思った。
メシア教。
アークライトを悪魔の船と呼ぶ宗教。
アインを魔王として伝える可能性のある信仰。
その名を聞くと、どうしても敵意の形を想像してしまう。
だが、この教官は焼けとは言わない。
管理と言った。
守るための封印と言った。
だからこそ、難しいのかもしれない。
単純な悪ならば、否定すれば済む。
守るための言葉で何かを閉じる相手は、もっと厄介だ。
「では、何を封じ、何を残すのか」
マリナ教官は教壇の上に薄い石板を置いた。
光が浮かび、いくつかの分類が表示される。
祈祷文書。
法令文書。
災害記録。
技術記録。
証言記録。
伝承。
「同じ出来事でも、どこへ置くかで意味が変わります」
リシアは、思わずユリアを見た。
ユリアもこちらを見ていた。
資料は、どこに置くかで意味が変わります。
つい先ほど、彼女が言った言葉と同じだった。
それを、聖王国基礎史の教官も言う。
偶然だろうか。
それとも、この国では当たり前の考えなのだろうか。
「祈祷文書として残されたものは、祈りの形になります。法令文書として残されたものは、裁きの根拠になります。災害記録として残されたものは、再発防止のための知識になります。技術記録として残されたものは、時に未来の危険になります」
教室は静かだった。
誰も、軽く聞いていない。
聖王国の学生にとっても、これはただの歴史ではないのだ。
「ですから、記録の分類は政治です。信仰です。そして、時には戦争です」
リシアは息を吸った。
この講義は、思っていたより鋭い。
聖王国は、ただ祈っている国ではない。
記録を分類し、封じ、残し、置き場所を決める国だ。
ならば、ここはアリシアが言う通り、本当に教材として上質なのだろう。
胃には優しくない。
◇
講義は、いくつかの事例へ移った。
最初は、汚染された井戸の記録だった。
井戸を神罰として扱えば、祈りと悔悟の話になる。
魔力汚染として扱えば、土壌調査と水路管理の話になる。
どちらも完全な嘘ではない。
だが、片方だけでは足りない。
次は、山道で起きた巡礼団の遭難記録。
奇跡譚として残された文書では、聖人の祈りで生存者が救われたことになっている。
災害記録では、雪崩の予兆と避難経路の不備が記されている。
これも、どちらか一方だけを読めば別の意味になる。
リシアは、少しずつ分かってきた。
マリナ教官は、信仰を否定していない。
しかし、信仰だけに閉じることも許していない。
それは聖王国の教官としては、かなり踏み込んだ態度なのではないだろうか。
「最後に、今日は古い論争を一つ扱います」
マリナ教官が石板の表示を変えた。
白い光の中に、古い絵図が浮かぶ。
女性の像のように見えた。
顔は曖昧にぼかされている。
両手は胸の前で祈るように重ねられ、長い衣が足元まで垂れている。
リシアの胸が、少しだけ冷えた。
聖女像。
そういう言葉が、なぜか頭に浮かんだ。
「聖女像を巡る所有権論争です」
教室のあちこちで、わずかに空気が動いた。
知っている学生がいるのだろう。
ステファニアも顔を上げた。
セラは、リシアの横顔を見ている。
アリシアは、静かだった。
静かすぎた。
「古い地方領で、石化した女性像が聖女の遺物であるとして、信徒団体が寄進を求めた事件があります。領主側は、それを家門の秘儀に関わる守護像であり、外部へ渡すことはできないと拒みました」
リシアは、指先が冷たくなるのを感じた。
ファーランド。
そう言われたわけではない。
だが、分かってしまう。
石化した女性像。
家門の秘儀。
信徒団体の寄進要求。
星の間。
アリシア。
点が、繋がりそうになる。
けれど、ここで繋いではいけない。
少なくとも、この教室の中では。
「この事件は、後世の宗教史では『聖女隠匿事件』と呼ばれます」
その言葉が出た瞬間、アリシアの扇子が閉じた。
音は小さい。
だが、リシアには聞こえた。
扇子の骨が重なる、乾いた音。
お姉様は笑っている。
表情だけなら、穏やかだ。
けれどリシアは、今すぐ何かが首を刎ねられても不思議ではない気がした。
怖い。
とても怖い。
メイがここにいたら、たぶん記録している。
何をどう記録するかは、考えたくない。
「ただし」
マリナ教官は続けた。
「領主側記録では、この事件は別の名で残っています。聖女像寄進要求事件。つまり、同じ出来事が、要求した側と拒んだ側で逆の名を持つのです」
教室の空気が、さらに静かになった。
「どちらが正しいか。今日の講義では、それを決めません」
リシアは目を瞬いた。
決めない。
聖王国の教官が、聖女隠匿事件について、信徒側が正しいとは言わない。
「私たちが見るべきなのは、名付けです。隠匿と呼ぶ者は、自分たちに受け取る権利があると考えています。寄進要求と呼ぶ者は、相手の要求そのものを越権と見ています。同じ像。同じ出来事。同じ年月。それでも、記録の置き場所が変われば、意味は変わる」
ユリアが、小さく息を呑んだ。
自分の言葉が、別の場所で大きな形になって返ってきたように感じたのかもしれない。
「この事件は、現代でも扱いに注意が必要です。領主家名、像の所在、当時の関係者名は、初等講義では扱いません。興味本位で調べることも推奨しません」
アインが後ろで動いた気配がした。
ごく小さなものだった。
だが、リシアには分かった。
アインも、今の言葉を聞いている。
「歴史は、知ればよいものではありません。知る準備がない者が触れれば、過去はただの刃になります」
マリナ教官は、石板の光を消した。
「今日覚えて帰るべきことは一つです。記録の名は、出来事そのものではありません。誰が、何のために、その名を置いたのか。それを考えなさい」
鐘が、講義終了を告げた。
教室の中に、すぐには声が戻らなかった。
◇
講義が終わると、学生たちは少しずつ立ち上がった。
普段なら、終わった講義の感想や次の予定を話しながら移動するのだろう。
だが、今回は声が低い。
聖女隠匿事件。
聖女像寄進要求事件。
その二つの名が、教室の空気に残っている。
リシアは、席を立つ前にアリシアを見た。
アリシアは扇子を閉じたまま、教壇の方を見ている。
表情は穏やかだ。
とても穏やかだ。
だから余計に、リシアは何も言えなかった。
「お姉様」
小さく呼ぶと、アリシアはゆっくりこちらを見た。
「はい、リシア」
「今の講義は」
「よい講義でしたわ」
即答だった。
リシアは、少しだけ驚いた。
「よい、のですか」
「ええ。少なくとも、あの教官は名の違いを隠しませんでした。片方の名だけを正しいものとして押しつけることもしなかった」
アリシアは立ち上がる。
「とても誠実です」
「では、怒ってはいないのですね」
「怒っておりますわ」
やはり即答だった。
リシアは黙った。
ステファニアも黙った。
セラは真顔で一歩、リシアの横へ寄った。
「ですが、怒りを置く場所はここではありません」
アリシアは、微笑んだ。
「そうでしょう?」
リシアは、息を整えた。
昨日なら、どう答えただろう。
たぶん、分かりませんと言った。
今は違う。
「はい」
リシアは頷いた。
「ここではありません」
アリシアの目が、少しだけ柔らかくなる。
「よくできました」
褒められた。
嬉しい。
嬉しいのだが、褒められた内容が少し怖い。
リシアは、そういう自分の気持ちも胸の中へ置いた。
今は、ここではない。
◇
教室を出ようとした時、ミリア・セルヴィンが近づいてきた。
彼女はいつものように柔らかく笑っている。
だが、先ほどより慎重だった。
昨日までなら、もっと軽く距離を詰めてきたかもしれない。
「リシア様、アリシア様、ステファニア様」
順番は、今度は正しい。
少なくとも、露骨な省略はない。
ミリアは短く礼をした。
「先ほどの講義、少し重い内容でしたね」
「ええ」
リシアは答えた。
「ですが、学ぶべきことの多い講義でした」
「そうですね」
ミリアは一度、視線をステファニアへ向けた。
「ジーク様も、聖王国基礎史は毎年少しずつ内容が変わると仰っていました」
また出た。
ジーク様。
けれど、今回は以前と違う。
ミリアはその名を置いた後、すぐに言葉を続けた。
「もしよろしければ、今度、講義資料の読み合わせをしませんか。ジーク様の周りにも、宗教史に詳しい方がいますし」
誘い。
そう見える。
だが、誰をどこへ招く誘いなのか。
リシアは、そこを見た。
ジークフリートの周囲へ、ステファニアを戻すのか。
それとも、リシアたちをまとめて測り直すのか。
あるいは、ミリア自身が距離の取り方を変えようとしているのか。
すぐには決められない。
だから、答えもすぐには渡さない。
「ありがとうございます」
リシアは微笑んだ。
「講義資料の読み合わせは、良い機会になりそうです。ただ、今日はまだ初日ですので、予定を確認してから改めてお返事いたします」
受けない。
断らない。
置く。
ミリアは一瞬だけ目を瞬いた。
それから、笑顔を崩さずに頷いた。
「もちろんです。急なお誘いでしたもの」
「お声がけ、感謝いたします」
ステファニアが穏やかに言った。
「殿下にも、どうぞよろしくお伝えください」
婚約者として。
その言葉は入っていない。
けれど、入っている。
ミリアはそれを理解したようだった。
「はい。お伝えします」
今度の笑顔には、ほんの少しだけ緊張が混じっていた。
彼女が離れていくのを見送りながら、リシアは小さく息を吐いた。
「今の返答は、どうでしたか」
思わずアリシアに確認してしまう。
アリシアは少し考えるふりをした。
「七割」
「七割ですか」
「急に百点を取られても困りますもの。育てる楽しみがなくなってしまいますわ」
リシアは、返事に困った。
ステファニアが、かすかに笑う。
「私は、十分だったと思います」
「ステファニア様にそう言っていただけるなら、安心します」
「ただ」
ステファニアは少しだけ目を伏せた。
「あの誘いは、誰のためのものかを見ておく必要があります」
「はい」
リシアは頷いた。
誰のための誘いか。
誰の名前で置かれた誘いか。
誰がそこへ来るのか。
それを見なければならない。
学院は、本当に休ませてくれない。
◇
講義室を出た廊下で、アインが待っていた。
壁に背を預けるように立っている。
学生たちは、彼の横を通り過ぎる時に一度は視線を向けた。
午前の実技確認の噂は、もうそれなりに広がっているのだろう。
だが、アインは気にしていない。
いつものように、そこにいる。
「戻るぞ」
アインが言った。
「はい」
リシアが答えると、アリシアがゆっくり近づいた。
「殿下」
「何だ」
「あの講義、どう思われました?」
アインは少しだけ教室の方を見る。
「悪くない」
短い答えだった。
アリシアの目が細くなる。
「悪くない、ですか」
「嘘だけで作ってはいない」
その言い方に、リシアは胸が少し重くなるのを感じた。
嘘だけではない。
つまり、嘘もある。
だが、真実もある。
だから難しい。
「封印で人を守った連中もいる」
アインは続けた。
「全部を敵にすると、見誤る」
アリシアはしばらく黙っていた。
それから、扇子を開く。
「承知しておりますわ」
「怒ってるだろ」
「落ち着いております」
「そうか」
アインはそれ以上追及しなかった。
リシアは、少しだけ不思議に思った。
アリシアの「落ち着いております」は、たぶん落ち着いていない時の言葉だ。
アインは、それを分かっている。
分かったうえで、何も言わない。
怒りを消させるのではなく、置き場所を選ばせている。
それは、二人の間にある信頼なのだろう。
千五百年越しの、少し怖くて、少し優しい信頼。
「リシア」
アインがこちらを見た。
「はい」
「今日の講義は覚えておけ」
「聖王国基礎史を、ですか」
「名付けの方だ」
アインは歩き出した。
「お前たちは、これから名を付けられる側になる。悪意だけじゃない。善意でも、信仰でも、礼儀でも、都合のいい名は付く」
リシアは足を止めそうになった。
名を付けられる側。
ファーランド公女。
長期療養から戻った姉。
レーヴェンハイトの婚約者。
魔石板の才女。
西方沿岸諸邦の少年。
それらは、すべて名だ。
正しいものもある。
便利なものもある。
危険なものもある。
「付けられた名を、そのまま着るな」
アインは振り返らずに言った。
「必要なら、脱げ。必要なら、別の名を置け」
リシアは、静かに頷いた。
「はい」
白い廊下の先で、また鐘が鳴った。
その音は美しかった。
けれど、もうただ美しいだけの音ではない。
リシアは、その響きを胸の中に置いた。
どこへ置くかで、意味は変わる。
ならば、置き場所を選ぶ力を持たなければならない。
学院の一日は、まだ終わっていなかった。




