はじまりはじまり
世界の最果て
世界の共通の敵である魔王を滅ぼすべく、5人の集団が戦っていた
もともとあった城は崩れ落ち
ところどころに深いクレーターのようなものができていることからも戦闘の激しさを窺うことができる
そしてその戦いが終わろうとしていたのだった
お互いの実力は拮抗していたが、決着が近いことは魔王、勇者共々どことなく認識していたのだ
「はあああああ」
「ぐっ、やるな……勇者よ!」
「俺はここで負けてられねええんだよ!」
「ふはははは、人族の最後の希望であるお主が負けるとなるとそれこそ我ら魔族の家畜となり下がるのは必至であるからな! 受けてみよ! 【インフェルノ】」
「ぐああ!」
「タクマ! 【エクストラヒール】 今よ、ミーシャ!」
火だるまとなった勇者に即座に回復魔法(白魔術)をかけ、反抗の指示をだしているのはルナンという聖堂教会の教皇の娘で、パーティでは一番冷静に戦況分析のできる常識枠です
え、説明が長い?いいじゃないか!
「わかってる、我が呼びかけに応じ姿を現せ【ゲート】」
『GYAOOOOO』←(龍)
「そのような小物(龍)を召喚してなんとする!」
「小物と思えるのは今のうち! 【概念進化】 朱雀(鳥)!」
「な、なんだと! 小娘がああああ」
魔王の度肝を抜いていたのが召喚術を極めているミーシャ、彼女は元々奴隷です
え、要素的にどうせおなか一杯になるんだろ?なんのことか私はしりません!
「俺を無視してる暇あるのか?」
「ぐはあ、勇者の腰巾着如きが、儂を!」
こいつはルース、イケメンです
え、どうせ主人公のかませ犬でしょって?さ、さあなんのことかわからないなあああ
「はあ? 魔王何言ってんの? ルースは俺の件の師匠だぜ! 俺はこの聖剣【エクスカリバー】を使えるってだけだぞ、っと隙あり!」
「ぐぎゃあああ」
ここで我らが主人公タクマさんの紹介です
え、クズ〇、ゲ〇マとか呼ばれる人と名前似てる?なんのことですかね?異世界のことなんて私は知りません!あ、この人ちなみに転移者です。え、キャラもかぶってる?パクリではありません!断じて!だって、かぶってるの一文字だけじゃん!え、語呂……だと
「エクストラヒール終了後だけど、普通そんなに早く動けないわよ……」
魔王が見せた一瞬の隙、それは不意の勇者の一撃が生んだのだった
「サーシャ、いくわよ!」
ルナンが呼んだサーシャとはパーティで随一の火力を誇る爆裂ま……(黒魔術)の使い手です
え、やっぱりパクッテる?いやあ、いろいろと設定がかぶるのはしょうがないことだよね!え、一作品へのかぶり方が半端ない?お、おらしないべ、そんなこと
「わかってるわ」
「星々の導きに照らされし
「精霊の恩寵を受けし者が
「希い奉る
「我らが悪を滅ぼす
「力を与えたまえ
「「【ステラフォール】」」
「朱雀!」
『御意、【聖火】』
「行くぞ、タクマ!」
「おうよ、ルース!」
「エクスカリバー! 敵を滅せよ! 【シャイニングソード】」
「名もなき魔剣! 滅ぼせ! 【断空】」
この畳み掛ける攻撃は魔王を瀕死に持っていくのには十分以上の火力
「こ、この儂があああ、人間如きに敗れるというのか!!!!
「あってはならぬことだな
「ええ
「32代魔王
「お前はもう用済みだ
「次の魔王の
「召喚の糧と
「なるがいい
「喜べ人間ども
「魔王は2000年は現れぬだろう
「つかの間の平穏を
「楽しむがいい
「我らは世界の負を具現化したもの
「滅される存在ではない
「この魔王も元は唯の魔族
「その前の魔王は唯のエルフ
「その前は人族だった
「お前たちも努々忘れることがなきよう
「後世に伝えるのだな
「寿命以外で魔王が逝くのは
「8代ぶり故な
『では』
「ぐあああああ、儂はまだ消えたく…………………」
歴代の魔王の幽体と思しき者の声が聞こえたあと、32代魔王は消滅していた
「お、終わったのか……」
「ぎりぎりだったわ……もう何も詠唱できないわよ……」
「朱雀、ありがとう」
『またお呼びを』
「みんなにヒールかけたいのだけど……無理ね」
「よっしゃああああああ!」
「ほんとタクマは元気よね」
「さっきのインフェルノので死にかけてたとは思えないわよ
「とりあえず、ミーシャが回復し次第、ゲートで帰還だな」
「「「間違いない」」」
「え、ええええ」
ミーシャは無理やり魔法薬で回復させられてゲートを使用したらしい
アッシー君もといアッシーさんですね。え、ミーシャさんちょ!朱雀はだめだって!
こうして世界に平和が訪れたとさ
めでたしめでたし
「んなわけないよな」
「ええ」
「むしろここからが」
「ようやく私たちの」
「人生の本番だよね!」
というわけで、そんな感じでこの話は進んでいくらしいです。
彼らの人生、見させてもらおう!
あ、バットエンドは間違いなくないと思われるよ!