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ちびっこエルフのサバイバル飯~精霊の愛し子を追放したエルフの森は消えるらしい~  作者: 富士とまと
第二章 ちびっこエルフは森の中

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「本当に焼かなくていいのか?」

 あっという間にヴァルさんが鳥をとってきてくれた。

 いつもの焼肉魔法で焼いた鳥ではなく、首が吹っ飛ばされた鳥。

 初めて羽根を見たよ。そうか、ヤマドリ系だったか……。日本だとヤマドリは地上を主に歩き回ってあまり飛べないけど、スライムがいるせいなのか木の枝が主な活動場所。木から木へ飛ぶこともあるけど、あまり飛ぶのが得意じゃないから……餌食にされちゃうよね。焼肉魔法の。いつもおいしくいただいております。飽きたなんて言ってごめんなさい。

 なんとなく、いつもはすでに焼かれた肉なので、食料の意識しかないけど、まだ羽根も生えている状態だと命をいただいているという気になるよね。

 羽根をむしりながら、出来上がった料理を想像して思わずよだれがたれそうになる。

 ヴァルさんが手伝おうかというかと思ったら、さっさと木の枝を拾いに行き、石でかまどをくみ上げ、鉄板代わりの平らな石を……作ってた。

「え?えええ?」

 大きな岩を見つけて、背中に背負っていたルツェルンハンマーのツルハシ部分を振り下ろすと、岩がパッカーンと割れた。そして、割れた岩に再びツルハシ部分を振り下ろすとまた割れた。ちょうど、5センチほどの厚みの石の板。

 それをかまどに乗せるのによさそうな大きさにしていく。

「すごい!ヴァルさんすごい!」

 目を輝かせてヴァルさんを見ると、ヴァルさんが顔を上げて私を見た。

「いや、兄たちに比べたら全然だ」

「え?みんな石を割れるの?」

 すごくない?どんな兄弟だよっ!……いや、冒険者一家なのかな?

 父親に修行をつけられて「この岩を切ってみろ」みたいな……。あるね、うん。ありうるね。幼いころから厳しい修行を積んだからヴァルさんは強いのかもしれない。

「えーっと、そう、ああ、フワリにもできるよ」

 できるかー!

 いや、今から修行を積めばできるようになるって話なら、ありえるかも。石の上にも3年っていうくらいだから、300年くらい修行すれば……。あ、うん、できる気がしてきた。

「俺の爺さんの剣ならこんな岩、剣の重みだけでスパンと切れる」

「え?それって、修行じゃなくて武器の性能の話?」

 すごい!

 エルフの村では金属厳禁だったから、話題に出たこともないけれど。

 そうだよね、きっとあるよね。エクスカリバーみたいな何か。

「ヴァルさんのお爺さんすごい人なんだぁ」

 やっぱり冒険者一家か。お爺さんは名のある剣士で、すごい武器も手に入れたってことだよね。

「爺さんや兄さんのほどじゃないが、フワリに贈ろうか」

「え?」

「包丁や鍋が欲しいって言ってただろう?」

「う、うん。でも……ちゃんとお金貯めて買うよ。贈ってもらう理由ないし……」

 今でもすごくお世話になっているんだもん。

「理由?フワリは命の恩人だろ」

「は?ヴァルさんのほうが私の命の恩人では?魔物を一杯やっつけてくれてるよね?」

 まぁ、ヴァルさんがいなければ精霊さんが道案内をしてくれて遭遇もしないだろうけど。

「いや、フワリに教えてもらわなければ、水仙だったか?を食べて死んでただろう」

 あー、うん、食べてただろうね、あの感じだと。

 でも、致死量って体重1キロあたり10g説があるから、ヴァルさん筋肉質で80キロくらいある?とすると800gは食べないと。だいたいスーパーで売ってるニラ8束分だよ。さすがにそんなに食べないで……食べるかもしれないな、ヴァルさん……。しかも、症状が出始める30分以内に、ガツガツと800gくらい軽く食べちゃう可能性はゼロではないか。

「でも、命の恩人なんて大げさだよ。助けたり助けてもらったりしてるんだし……」

 ヴァルさんが笑いながら私の頭をなでなでしてくれた。

「じゃあ、料理してくれ。包丁を贈るから、その包丁で作った料理を食べさせてくれ」

「うん、それなら、いっぱい料理するよ!今から作るのもヴァルさん好きだと思う!」


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― 新着の感想 ―
(自分が作る)包丁を贈るからそれで料理してくれってなんかちょっとプロポーズみたいですね
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