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ちびっこエルフのサバイバル飯~精霊の愛し子を追放したエルフの森は消えるらしい~  作者: 富士とまと
第二章 ちびっこエルフは森の中

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 河原にヴァルさんは連れてきてくれた。

 私が、水と石が欲しいと言ったからだろう。

 すぐに川の水で野蒜を洗う。

「手伝おう」

 ヴァルさんが手を伸ばしてきたので、首を振る。

「ヴァルさんは、薪を集めてきて」

「ん?薪?焼くなら魔法で」

 それ、消し炭になる未来しか見えない。

「薪を集めてきて」

 ニコニコと笑ってお願いすると、ヴァルさんは分かったと集めに行ってくれた。

 野蒜を洗い終わり、河原の石を拾って簡易かまどをくみ上げる。

 平たくて鉄板代わりになりそうな石も見つけた。

「こんなもんでいいか?」

 ちょうどヴァルさんが戻ってきたので、薪を組んで火をつけてもらった。

「何するんだ?」

「料理」

 ぶちぶちと伸びるを引きちぎる。

「料理ってこういうもんだったか?」

「包丁がないから仕方がないよ」

 5日も一緒にいると、だいぶ砕けた口調で会話できるようになっている。前世の私は大人だから年上に対する口の利き方というものがあると気を遣っていたけど、今は子供の姿なんだから子供らしい話方の方がいいだろうかと逆に考えすぎて、結果友達みたいに自然に会話すればいいのかな?に落ち着いた。

「んー、短剣ならあるが、使うか?」

 すっと、キラキラ銀色に輝く刃の短剣をヴァルさんが差し出した。

「は?」

 思わず声が出る。

 この5日間、焼いた鳥を手でちぎってましたよね?そのあとかぶりついて食べてましたよね?持ってるなんて、想定外!

「なんで、使わなかったの?」

 ヴァルさんが子供に教え諭すような顔をした。

「ああ、フワリは知らないか?洗わずに使うと、危険なんだよ」

 なるほど。包丁と違って、いろいろな物を……魔物を倒すときとかにも使えば、ばい菌や毒がついていることもあるっていう話ね。ごめんヴァルさん。ヴァルさんが、ちぎる以外知らないのかと疑ったよ……。

「そっか……」

 聞いておいてよかった。

 だが、使わない手はないっ!

「うわ、何してるんだフワリ!まさか火かき棒の代わりか?」

 短剣の先を火に突っ込むと、ヴァルさんが慌てる。

「これで、きれいになった」

 表面を火であぶる程度。ばい菌殺す。毒燃やす。

「ん?あ、そう、なのか?」

 殺菌の概念がないと分からないかなぁ。

「短剣についてる悪い物焼いて消したの。えーっと」

 伝わる?

「ああ、なるほどな。魔物を火魔法でやっつけるのと同じか。短剣にいる目に見えない小さな魔物を火で倒したってことか」

 すごい。理解してもらえたよ。

 短剣で、野蒜を食べやすい大きさに切って鉄板代わりの石の上にのせて石焼にする。

「鳥ちょうだい」

 それからヴァルさんが焼肉魔法で仕留めて焼いた鳥の丸焼きをもらって、薄切りにしていく。

 焼いた野蒜を薄切りにした肉で巻く。あ、ちなみに枝2本を菜箸代わりに使っておりますよ。

「はい、どうぞ」

 一つをヴァルさんに。もう一つは自分用。

 ヴァルさんはのるの鳥肉巻きを不思議そうな顔をしてみている。

 いただきます。

 パクリ。

「うっん、まぁーい」

 野蒜は一度だけ食べたことがあったけど、特にまた食べたいなぁと思うような味ではなかった。

 ネギ、ニラ、ラッキョウ、ニンニク、このあたりを混ぜて薄めたような味なのだ。

 なんと表現していいのか……。わざわざ野蒜でなくてもいいのでは?ってなる味?

 ごめん。野蒜。

 ずっと味気なく、塩味ばかりの生活をしていた私の舌には、薬味のデパートみたいな味がありがたい。こんな素敵な食材だったなんて!

 ヴァルさんが私の満面の笑みを見てから口に入れた。

「うんっま、なんだこれ、これが、料理の力か!」

 料理の力じゃなくて、野蒜の力よ?料理っていうほど手が込んだもの作ったわけじゃないし……。

「すごいな、フワリ、お前、すごいなぁ!」

 右手で食べながら左手で頭を撫でるヴァルさん。

 意味もなく頭を撫でられるよりも、こうして褒めて撫でられる方が何倍も嬉しい。

「生でも食べられるよ」

 もっと褒められたくて、ヴァルさんの鳥肉に野蒜の焼いてない葉を載せる。

「辛いけど、毒じゃないから」

 実はちょっと生でかじってみたんだけど、子供の舌には辛すぎて無理だった。大人になれば酒に合う~とか好んで食べれそうな味だったけど。

「うんまぁー、これ、酒が欲しくなる味だな!」

 ヴァルさんの言葉にニンマリする。どうやら、気が合いそう。

「ちょっと、追加でとってくる!」

 びゅーんと勢いよく森の中に入っていくヴァルさん。

 なんだろう、嫌な予感がする。

「たくさん採れたぞ!」

 両手に青々とした葉っぱを抱えてあっという間に戻ってきた。

「水仙っ、これは毒~!」


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