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耳なしエルフと髭なしドワーフのゆるり旅 ~6歳と25歳で出会った二人は200年後も旅してる。森が滅びる?私のせいじゃないですよね?~  作者: 富士とまと
第一章 ちびっこエルフは村の中

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 おはようございます。

 今日の予定。

 粘土を取ってくる。食べ物探しも兼ねる。

 戻って粘土の空気抜きして休憩がてら朝食。

 簡易ベッド風ハンモックの寝心地は思ったほど悪くはなかった。どうやらスライムは木を登らないみたいなので安心できるけど、やっぱり細い。

 木の幹の太さ分しかないから……、2本の木を柱代わりにせず、3本か4本の木に蔦を張れば広さが確保できるのでは?ピンぴこぴーん。

 でも待って、風雨はしのげない。今は雨がほとんど降らない季節だけど……。

 やっぱり梅雨じゃないけど雨季になる前には屋根があるところを確保しないと。

贅沢は言わない。

 家を建てるなんて6歳児に無理よ。魔法が使えればワンチャンいけたかもしれないけど。

 ……洞窟か木の洞を探すか……。

 まぁ、あと数か月は大丈夫だけど、雨季の前には……。

 今日はちゃんと背負子を背負って粘土を取りに行く。昨日は両手で手に持って帰ってきたからたくさん持てなかった。ちなみに、もう服は泥だらけ。洗っても落ちないけど、もともと汚いボロボロの服なので気にしない。

 ……うっ。

「欲張りすぎただろうか……」

 背負子に粘土を積んで背負う。

 肩に紐が食い込む。

 重さによろめく。

 小学生が背負うランドセルは8キロもの重さになる。ランドセルくらいの大きさなら平気と思ったら、粘土はそれよりずいぶん重かった。

 分かりやすく考えると、ランドセルの体積に、1キロの味噌20袋くらいは入るって想像すると分かるかな?

 ……背中の背負子、背負子自身の重さも入れて20キロどころか30キロくらいあるかも……。

 うぐぐ、でも、負けないぞ。

 ふらふら……。

 よろよろ……。

 くっ。食べ物を探す余裕ない。

「重たいっ」

 どうしようか。半分ずつに分けて運ぶ?

 でも……正直何度も往復するのメンドクサイから、一度でできるだけたくさん運びたいなぁ。

 びゅんっと、横から風にあおられ、よろめいてそのまま木に激突した。

 見ると足元にスライム。

 精霊がまた、私がスライムを踏まないようにと風で押してくれたんだ。

 けど……。

 この前よりも私には踏ん張る力がなくてよろめくだけではすまずに、倒れて木に当たってしまった。

 心配そうにぐるぐると私の周りを優しく風が吹く。

 風に乗って、かすかに懐かしい香りが漂ってきた。

「うん?」

 前世の記憶の香りだ。

 どこからこの匂いが?と思って鼻をひくひくとすると、ぶつかった木から匂ってくる。

「まさか、この木……」

 手を伸ばして下の方から出ている小枝を折って匂いを嗅ぐ。葉っぱもちぎって匂いを嗅ぐ。

「間違いない……。これ、肉桂だ」

 いや間違いかもしれない。

 自信はない。どれも似たようなもので、どう違うのかよくわかっていない。

 肉桂……桂皮ならば漢方薬になるやつ。あ、若い枝は桂枝で、漢方薬では別だっけか。……で、漢方薬の肉桂に似た香りと言えば……。

「シナモン、もしくはニッキ」

 どれだ!

 いや、もうこの際どれでもいい!

 っていうか、ニッキ、ニッキということにしよう。

 そうすると、もちもち食感のレンコン餅とニッキ……。

「砂糖があれば、八つ橋もどきが作れるっ!」

 砂糖じゃなくても、何か甘いの。蜂蜜、もしくは……果物を煮詰める?

 確か砂糖不使用のジャムを食べたことがあるけど、甘い果物で作ったジャムは砂糖使わなくても甘かったはず。果汁を煮詰めれば甘さが凝縮される……?

 果物、私の身長でも手を伸ばせば手に入る果物もあるはずだ。木苺とか。

 村の近くでは見たことがないけど、どっかにあるはず。

 すごいすごいすごい!

 おいしいものたくさん作って食べられそうだ。

 いっぱい鍋とかお皿とか作らないと。保存容器も、確か根菜類や粉末のものは調湿されるから素焼きの容器に保存するといいんだよね。

 素焼きの容器……つまり、土器!……まぁ、それしか作れないんだけども。

 レンコンに片栗粉、それからニッキ……シナモン、どれも保存には土器があるといいってことよねー。分かりやすく絵でも描いて焼く?文字の方がいい?

 調味料棚に、ずらりと並べたらかわいいよね。

 ヨタヨタしつつも、ニマニマしながら拠点へと戻る。

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