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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
新たな日常
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オールブ島へ

 その日の夜、帰って来た他の皆に今回受けた依頼を説明した。


「ふざけんな。何だそりゃ」


 文句を言うのは、長い黒髪を後ろで一つ縛りしている俺の親友でもありライバルでもあるエスティーだ。


「まぁそう言うなよ。全員指名の依頼なんて初じゃねぇか」

「だがよぉ、教師なんて誰もやった事ねぇぞ。上手くいくのか?」

「……そこは数でカバーだ」

「何も考えてねぇんじゃねぇか!」


 エスティーの言う通り何も考えてねぇが、十何人もいる俺等なら何とかなる……と思う。


「ったくよぉ。コイツはもうちょっと考えてから受けてほしいぜ」


 エスティーが頭を押さえて呆れながら言うと、長い金髪のポニーテールをした俺の妹でもある長女のアスレルがエスティーの肩に後ろから手をポンと乗せる。


「諦めなさいよ。こういう時のガクラって何も聞かないじゃん」


 それを聞いたエスティーは「そうだった」と呆れ顔でため息を吐く。


「じゃあエスティーはOKってことで良いんだな?」

「ああ。もうこうなったらやってやるよ」

「よし。皆はどうだ?」


 俺は他の皆の方を向いて聞いた。


「俺も別にいいぜ」

「僕も」

「私もー」

「俺も構わない」


 皆一応賛成してくれたみたいだ。


「んじゃ、明日の正午に近くの港町で待つってよ」

「ああ、分かった」


 その後、俺達は晩飯を食べ、一夜を過ごした。

 次の日、正午より少し前に俺達はジュリエが待っている港町に着いた。


「ところでガクラ。一つ聞きたいんだけど」

「なんだアスレル?」

「今回やる教師の依頼ってどのぐらいの期間やるの?」

「あ~そういやぁ聞いてねぇな」


 教師っていうからには、一ヶ月ぐらいか?

 気が付くと、前方にジュリエの姿が見えた。


「おーい来てやったぜ」


 声を掛けると、俺達に気付いたジュリエが寄ってきた。


「お待ちしていましたガクラさん」

「おう。来たぜ」


 俺に挨拶をすると、ジュリエは昨日いなかった奴等の元に向かった。


「皆さんはじめまして。オールブ島セシュイン学園学園長、ジュリエ・キーランと申します」

「ああ、よろしくな」


 エスティーが挨拶を返すと、俺はさっきアスレルに聞かれたことを聞いてみた。


「ところで学園長。依頼の期間はどのぐらいなんだ?」

「言っていませんでしたっけ?」

「言ってません」

「それは失礼しました。皆さんには我が校で一年間教師をやってもらいたいのです」


 ……え?


「……一年?」

「はい。生徒には皆さんは一年間の特別教師という形でご紹介いたしますので」

「あ……そう」


 思ったより長いな。


「おいガクラ。一年なんて聞いてねぇぞ」

「そうだな。俺も今初めて聞いた」

「おい!」


 流石にこれに関しちゃあ俺は何も言い返せない。


「父さん。皆が凄い凝視してるけど」

「ああ、なんとなく後ろからすごい視線を感じる」


 まぁ一年なんて流石に思わねぇよな。


「では皆さん。オールブ島に向かいますので船にお乗りください」

「意外とデカい船だな」


 思ったより大きめの船に少々驚くが、俺達はオールブ島に向かう船に乗った。

 俺達とジュリエ、そして船員が全員乗ると、船はオールブ島に向かって出航した。


――――――――――――――――――――


 波に揺られながら進む船。

 今俺達はジュリエの船で依頼場所であるオールブ島に向かっていた。

 一学園の学園長が船を持っている事には少し驚いたが。そんな船の上で俺は……。


「うえぇぇぇぇぇぇ……!!」


 船酔いに襲われていた。


「乗り物にヨエーのは相変わらずだな」


 船酔いで苦しむ俺にエスティーがニヤつきながら声を掛ける。


「う、うるせ~うっ!?」


 吐きそうになり俺は手で口を押さえる。


「頼むから海にキラキラぶちまけるなよ」

「あたりめーだ。俺はそんなヘマはしねぇ」


 まぁぶちまけそうになったけど、冗談抜きで。


「へっ。こんなのが父親とはお前等も大変だなぁ……っておい!!」


 エスティーがガネンとクラカの方を振り向くと、そこには俺と同じように船酔いに襲われている二人がいた。


「お前等もかよ」

「や、ヤバい……なんか出そう」

「うぅぅぅぅ~」

「遺伝強すぎだろお前等」


 エスティーは俺達三人を放っておいて船室に入ると、入れ替わりでクカナが船内から出てきて俺達の所にやって来た。


「ガクラ、ガネン、クラカ。酔い止めの薬持ってきたよ」

「おぉ~クカナァ~」

「「母さ~ん」」


 今、クカナが女神に見えた。


――――――――――――――――――――


 ライテスト製の協力酔い止めで船酔いが治まると、俺はガネン、クラカ、クカナと一緒に皆がいる船室に入った。

 船内には他の皆が全員集まっていた。

 俺達はライテストでは『光の兄弟』と呼ばれている。

 実際”兄弟”とついているが殆どが血の繋がりが無い、いわば義兄弟だ。だからこの光の兄弟というのもあくまでチーム名みたいなものだ。だが俺達は兄妹、いやそれ以上の絆がある。

 キレイに整えた青みがかった黒髪の次男のクレン。

 茶髪に白いト―ガのような服を着た三男のエンジェ。

 後ろの方に逆立った青い髪に鳥のような鉢金を付けた四男のファルク。

 頭に赤いハチマキを巻き、白い道着を着た五男のエグラル。

 サラサラの青い髪とマントを身に付けた六男のメイト。

 狐色の髪に灰色の上着を着た七男のフォクサー。

 灰色の髪に鉄製の肩パッドを付けた八男のウルファー。

 緑色の髪に白と緑の服を着た九男のノクラ―。

 ショートヘアーの金髪に青いリボンを付けた次女のレイル。

 ツイン団子ヘアーの薄紫の髪に紫のドレスを着たエスティーの妹アール。

 薄い金髪のショートヘアーに緑と白の武闘着を着たエグラルの娘のシュラル。

 そして俺、ガクラとエスティー、アスレル、ガネン、クラカ、クカナの以上が俺達光の兄弟だ。

 この皆と共に俺達はオールブ島を目指す。

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