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9.お菓子のお供においしい飲み物は必須 ~ケヴィンからのプレゼント~

時間開いてすみません…

「ケヴィーーン」


通い慣れてきた工房のドアをくぐり、ケヴィンの部屋の壁を叩く。


ドアは無いけどノックはマナーよね。


机に向かっていた頭が起きてこちらを向いた。


「あーお前か」

「ふふっ♪やっぱりその髪と眼鏡は良いわね♪」


振り向いた顔は先日の変身後の姿を保っていて、思わず笑みがこぼれた。


「似合ってて可愛いわ!」

「っ!」


あら、また赤くなっちゃった。

そんなところが余計に可愛さを増してて、危ないおねーさんになっちゃいそうだわ!


「そ、そんなことよりっ!これやるよっ」

「え?」


顔を反らしたケヴィンが付きだした手に握られていた袋を受け取る。


「開けてみろよ」


袋を覗き、中身を取り出してみると蓋付きのガラス瓶が入っていた。


「これは??」

「この前お前が言ってた、中の温度が保てる瓶だよ」

「え!?」

「底に魔石を組んでるから、瓶の中の温度をそれで保てるようになってる。まぁ、持ち運び考えるとあんまり重くできないから数時間くらいしか無理だけどな」

「十分だわ!」

「んで、この前のミキサーと同じように専用の台に大きい魔石を組み込んだから、そこにおいてたらまた使えるようになるって仕組みにしておいた」


袋を覗くとたしかに台座のようなものが入っている。


「瓶に気を取られて気付かなかったわ」

「おい、絶対そっちのが重いぞ…」

「そんなこともあるわよ!」

「ぷっ、やっぱりお前、変だよ」

「っ」


危ない…ショタに目覚めてしまいそうだわ…

美少年の笑顔の破壊力、すさまじいわねっ!


バレないようにゆっくりと大きく息を吐いて気持ちを落ち着けた。


「それにしても、さすがケヴィンね!仕事が早いわ!」


ふふふっ、これで外でもおいしい紅茶が飲めるわね!

新しいお菓子も作りたいし、今度は何をもってピクニックしようかしら。


「お、おい、何をブツブツ言ってるんだ」

「あら?声に出てた?」

「あ、あぁ。はっきりとは聞こえなかったけど」

「この瓶が嬉しかったから外でお茶したいなって思ってたのよ」

「…うまい菓子があるなら、俺もまた付き合ってやるよ」

「えぇ!その時はまた誘うわね!」

「あぁ」


どんなお菓子にしようかしら…

ってあ、今日の本題を忘れてたわ!


「そうそう、今日来たのはミキサーをまた作ってもらいたかったのよ」

「まだいるのか?」

「えぇ。とりあえず2つあれば十分だけど、出来ればそのうち量産して販売したいのよね~」

「量産って、お前のとこ金持ってるからバンバン作れてるけど、これ、でかい魔石も使うし安くねーぞ?」

「えー?そうなの??」

「お前知らずに注文してたのかよ…」

「だってお父様からは何も言われてなかったんだもの」

「これだからお嬢様は…」

「なによっ!で、一ついくらくらいで作れるの?」

「あー?まぁ量によってってとこだな。今はテスト的に作ってるってとこもあるし、俺の人件費なんてほとんどかかってないけど、数作ろうと思ったらそうもいかないしな…」

「それじゃあ数はお父様たちに相談してみるわ。また決まったら注文するわね」

「あぁわかった」

「ちなみにこれは?」


もらった瓶を見ると


「それはこの前の礼だよ!金なんてとらねーよ!」

「お礼なんて気にしなくてもよかったのに」

「借りを作ったままなんて嫌なんだよ、俺が」

「じゃあこれはありがたくいただくわね!でもこんなに素敵なもの、みんなにも知ってもらいたかったのに残念だわ」

「そ、それはまたそのうち考えてみる…」

「えぇ、それがいいわ!」

「それまでは世界に1つしかないんだから、大切にしろよ!」

「もちろんよ!こんな素敵なプレゼント、大事にしないわけないじゃない!とっても嬉しいわ!本当にありがとう」

「…おう」


視線をそらせてうつむくケヴィン、照れてるのか耳が赤いのが見えて口元が緩む。

あ、クッキーをまだ渡してなかったわ。


「これ、お土産のクッキーよ」


クッキーの言葉にケヴィンの顔が勢いよく上がった。


この前気に入ってたみたいだから、また焼いてきたのだ。


「はい、どうぞ」

「おう…ありがと」

「いいえ、じゃあまた来るわね。今度は違うお菓子を用意するからまた外で一緒に食べましょう?」

「うまいもん作れよ」

「えぇ任せておいて!」

「おう」

「じゃあね」


この瓶を活用して楽しめるもの…

ミルクティーもいいけど、ジュース系もいいかも。

やっぱりおいしいお菓子には飲み物も大事よね!

ケヴィンのおかげでまた楽しみが増えたわ!



なかなか話が先に進まずに申し訳ないです…

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