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第110話 友情の彼方まで

最終話です。

 私達はそれぞれに身動きが出来ない悪神聖に向かって攻撃を仕掛けていた。


「この人間風情がぁあ、なめるなぁあ!」


 悪神聖は、アクシスの攻撃を横に流すように逸らした。そして、雄叫びを上げながら自身の身体から巨大な悪魔の身体を出現させた。悪神聖の身体は悪魔の頭の部分に上半身だけが残り、下半身は出現させた巨大な悪魔の中に取り込まれているような状態だ。背中から生えていた悪魔の手も巨大化して6本にまで増えており、その6本の手にはそれぞれに巨大な黒い槍を持っている。


 悪神聖が足を一歩踏み出すだけで、そこには大きなクレーターが生じ辺りには衝撃波が広がり、木々や建物が倒される。


「「「引くわ~」」」


 今度は3人でシンクロ出来たのが余程嬉しかったのか、舞華と乙羽は私を抱きながらピョンピョン撥ねている。


――いや、喜ぶの今じゃないから!


「激しく同意よ、アンブちゃん」


 黒い龍の顔を纏ったアクシスはそう言うと、空へ向かって飛び出した。アクシスが通った後には残像のような物が残り、それが龍の身体のようになっていた。悪神聖は6本の黒い槍で剥ぎ払おうとしていたが、それを華麗に躱すアクシス。


 下から見ていると、まるで巨大な悪魔が巨大な黒龍と闘っているように見える。


 私達は頷き合い、アクシスの後を追って攻撃を仕掛けようとした。


「えぇ~い! こうなっては仕方ありません、この地球諸共あなた方を消滅させる他ないようです」


 神聖はそう言うと空高く飛び上がり、6本の槍の先を一箇所に集めるように天へ掲げる。すると、その槍の先に円型の邪悪なエネルギー弾が現れる。しかも、それはどんどん大きくなっており、遠目から見てもそれがとんでもない破壊力を持っていることは理解出来た。


「あれは……私達はおろかこの地球全てを消滅させてしまう程のものだわ。ふふふ、皆どうする? 逃げる?」


「おはは~それ、答える意味あるのかなぁ?」


「答えなくても答えは一つだよね? 桜夜!」


「……ということで、行くよ。」


「「「うん!」」」


 悪神聖から極限まで高めたであろう巨大な闇のエネルギー弾が私達に向けて放たれた。


「神邪アクシスが最終奥義、黒龍氷炎派!」


 アクシスを纏っている黒い龍の口から黒い炎と青い氷が混じり合った閃光が放たれた。


「神光の名の下に、最終奥義、金龍天光派!」


 アクシスと同じように、乙羽の体を纏うように金色に輝く金龍が現れる。そして、金龍の口から月夜に輝くような奇麗な光の粒子が閃光のように放たれた。


「神機の名の下に、最終奥義、青龍砲粒派!」


 舞華の体には自身の髪色でもある奇麗な碧色の粒子が龍の形を成型していき青龍へとなる。そして、その青龍が同じように口を開くとそこから魔動力の特大エネルギー粒子砲が放たれた。


「神成の名の下に、最終奥義、白龍雷神派!」


 私には白い稲妻が体を纏い、それが白龍の姿へと変わる。そして白龍が口を開くと、そこから黒、赤、青、白の稲妻が円形にグルグルと螺旋状を描き、それが閃光の如く放たれた。


 アクシスの黒龍、乙羽の金龍、舞華の青龍、私の白龍それぞれから放たれたエネルギー砲は、悪神聖の放った巨大な闇のエネルギー弾に直撃する。


 しかし、闇のエネルギー弾の威力は凄まじく、4つの龍の攻撃は押し戻されていた。


《あなた達の強い想いを、解き放つのです!》


 お母さんに宿っていた神聖の声が聞こえた瞬間、私は乙羽や舞華のことを想った。同じように乙羽も私や舞華のことを、舞華も乙羽や私のことを、神々であるアクシス達もお互いの神々のことを。


 その想いに呼応するように4つの龍の攻撃は大きくなり、次第に巨大な闇のエネルギー弾を押し返した。


「な、な……なんだとぉおぉぉぉおおお?! うがぁあああぁぁあ!」


 私達の攻撃で押し返された闇のエネルギー弾は悪神聖をも飲み込んで宇宙空間へと飛ばしてしまった。


 そして、地球へ向かって接近していた巨大な隕石を、中の大量の悪魔族諸共完全に消滅させて、更にそれを巨大な熱エネルギーの塊である太陽にぶつけた。


 それにより闇のエネルギー弾も悪神聖も完全に消滅させてしまった。



――それから数ヶ月たった頃。


 私は目を覚ました。


 ベッドの上で私を両端から抱き枕にして幸せそうな顔をして眠る絶世の全裸美少女が2人と、明らかに白目を剥いて失神して横たわっている小学生体形の全裸美少女が1人。


 そして、床には人間の姿になっている舞華と同等のスタイルの持ち主である美女と私と同じくらいの幼児体形な美少女2人がお尻を突き出して失神している。


 更にその奥には赤色の髪をポニーテールにした美女と、身体の中身が少し透けいる205歳の幼児体形な全裸の美女が横たわっていた。


 このあまりの衝撃的な光景に私は自分の口癖であるこの言葉を言わずにはいられなかった。


「……引くわ~。」



 私達はあの闘いの後、無事にこのログハウスまで戻ってきた。数日身体を休めた後はまた普通の生活を取り戻しつつある。一度滅んだアメリカも住民は無事だったので、何とか復興を急いでいるところだ。その裏では服部家と光月家が精力的に動いている。


 まぁあの事件のことは、様々な噂や情報が1人歩きをしていろいろな憶測や都市伝説を生んだが、何とか地球は平和を取り戻そうとしているように感じた。


 しかし、お母さんの中の神聖曰く、あの悪神聖はまたいずれ復活するだろうということだった。


 幸せの中には必ず不幸というものがある。


 世の中には表もあれば裏もある。


 この世界に意思を持って生きとし生ける者は、このどちらとも抱えて生きて行かなければならない。時には不幸になることもあるけど、その後には必ず幸せがやってくる。


 自分の都合だけで、不幸を抱えてしまうその心の闇の中で悪魔は誕生し成長するのだ。


 その悪魔が強大な力を付けて人を殺し負の連鎖が始まる前に、その人間を守り不幸から解放してあげる為に今の私達がいる。


 アクシスは私達スパイのボスとして、指令を与える。


 ヨゴレとロリババアは宇宙ステーションでの皆の生活が落ち着いたからということで、あちらの護衛をなんちゃって勇者に任せ、この地球に引っ越して私達の手伝いをしてくれていた。


 ログハウスも人数が増えたことで更に増築して、それぞれに部屋を割り合っているのに、何故か起きたら全員この部屋に全裸で寝ているのだ。


――寝る時は間違いなく乙羽と舞華の3人でイチャイチャしながら眠っているはずなのに……なんで?


《ふふふ、皆桜夜ちゃんが大好きなんですよ。モテる女も辛いですね。》


――おはよ、スマコ。今日も平和な一日でありますように。


《あっ、そういえば、今日は期末テストの日ですよ? 桜夜ちゃんはただでさえ皆より勉強が遅れているのだから、これ以上赤点取ると流石にマズいわよ?》


――え゛ッ?! いきなり不幸じゃん! 引くわぁ……。




おしまい。

ここまでお読み下さった皆さま、本当にありがとうございました。

初めて自作の小説を投稿しましたが、何とか完結まで書き続けることができました。

至らないところや読みにくい文章などもたくさんあったかと思います。

当初、この物語は約300話くらいまで続く予定でプロットを作っておりました。しかし、途中から自分の作ったストーリーに自身を持てなくなってしまい、作りたかった物語をすっ飛ばして一気に完結させてしまいました。

しかし自分で作っておきながらですが、この物語も登場人物も皆大好きです。

なので、現在新作と同時にこの物語のリメイク版を作成中です。

もっとこの物語の流れを明確に、登場人物に息を吹きかけたいと思いながら作っています。

こちらは私の完全な自己満ですが、やっぱり処女作は思い入れも大きいので、最後までやり遂げたいと思っています。


最後になりましたが、もしよろしければ評価をしていただけると嬉しいです。

ここまで「無口な忍者とイキ過ぎた友情の彼方まで」をご覧いただきましてありがとうございました。

今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします。


ポラミス

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