盗賊
「クッソ!ここから出しやがれ!!」
地面からハゲ頭が生え、わめき散らす。
人面草とかではない、先ほど撃退した盗賊の1人を頭以外地面に埋めてやった。他の盗賊はいまだに気を失っているし起きても問題無い様にパンツ以外の装備を剥がし、服の余りの糸で作ってロープです巻きにして転がしおいたので大丈夫なはずだ。
そじて一人だけボロちぃとは言え革の鎧を着て、しっかりと防具で身を固めていたのでこのハゲ頭が盗賊のリーダー的存在なのだと思う。
「さて、少し質問があるのだか良いかね」
地面に身体が埋まり、首が動かないだろうからハゲ頭の後ろに立ち、顔を見られない様にしてハゲ頭に話しかける。
「あん?誰だテメェ!」
ハゲ頭が自身のクビが動く範囲で左右に振りながら俺の姿を探すが俺が後ろにいる事に気付くと探すのをやめ
「・・その声、ガキのだな!、てぇことはさっきのガキか!」
――俺の声は幼いからな流石に気が付くか。
まぁ、そこがバレても問題話無いだろう。そう判断しハゲ頭との会話を続ける。
「あぁ、そうだ。だからどうした。」
「けっ、さっきは良い様にやられたが次はそうわいかなねぇ!」
いや、次なんて無いだろう、捕まっちゃてるんだから。と心の中でツッコミを入れるがあえてそれを口にせず黙っていると
「へっ!ビビったか!今すぐに、俺をここから出すんだな!そうすれば命だけは助けてやるよ。その後で奴隷として捕まえて売っぱらちまうんだがなぁ!」
・・・それを聞いて出すやつがいるのか?
ハゲ頭は、自身の馬鹿な発言も理解していないのか更に饒舌に話し続ける。
「おい!わかったらさっさと出せ!まあ、どうせ俺らの帰りが遅いから他の奴らが様子を見に来るがなぁ!仲間が来てテメェを見つければ、テメェはお終いだ!ひゃははは」
言い終えるとハゲ頭は、愉快そうに高笑いを上げた。
――やっぱり、仲間がいたか。
これが俺が逃げなかった理由の一つでもある。
もしあそこで全力で逃げても、奴らが他の仲間に連絡して先回りされ罠や俺よりはるかに強い人間を配置されているとマズい事になる。
奴らの装備や、アルに挑んでいった人たちの残し物からもある程度、推測してこの世界の文明はBCWと同じ中世時代ぐらいの文明なのだろうが魔法なんて代物が存在しているので、時代にそぐわない長距離通信機みたいなものが存在しているかもしれない。
現に俺が魔法を撃てる銃なんてモノを作り出せたのだ。もし閃きで長距離通信機を作ってしまう輩もいるかもしれない。
それで俺の情報がこいつらの仲間に伝わる前に全員生け捕りにしたのだが、どうやらそれらしい物は持っていなかった。
もしかしたら、他の仲間がこいつらの様子を見に来るかもしれない事も予想済みで、簡単な罠もしかけている。
しかし、このハゲ頭はそれも知らず笑い続けている。
先ほどの会話からこのハゲ頭は、調子に乗せればべらべら余計なことまで話してくれる。
――なのでここは、一つ芝居してハゲ頭を騙してもっと情報を引き出してやろうか!
っとノリノリでやってみたのだが。
「キャァー!コワいですー!タスケテクダさーい!」
「・・・」
――・・・あー、うん、あれだ、大根役者過ぎだな俺。
自分でもびっくりするぐらいの棒読みに、恐がる様子のかけらも無い声のトーン。これじゃ流石に騙す事などむりだろうっと思ったんだが。
俺のそんな声を聴いて最初は無言だったハゲ頭だったが、少しすると小刻みに震え始め。徐々にその揺れが激しさを増し、ついに
「ぷっ、ギャハハハ、マジかよ!コワいですー!だって、くくく!タスケテクダサーイだと!もう、遅せぇんだよ!!」
と俺の言葉を信じ、嘲り笑う。
――ええ~?マジかよ・・・演技とか・・
「ハハハ、助けて欲しいんだったらさっさと俺をここから出すんだな!それなから考えてやるよ!!」
――・・・無さそうだな。
笑いながら「さあ、早出せよ!」っと言い、何故かハゲ頭の中では出れる所まで想像で来てるのか、余裕な雰囲気を出してる。
どうやら本当にアレで俺が本当に怯えているっと思っているらしい。
――なんだろう、引っ掛ってくれるのは、助かるが。こう、アレで良いの?的な気持ちが沸々湧いてくるんだが・・・ん、あまり考えない様にしようか・・・
何故か俺が少し落ち込んだけど、とりあえずハゲ頭ののコイツを調子に乗らせることに成功した。
ここからは、コイツを調子に乗せたままうまく情報引き出せればいいのだけれども。
□
あっ、はい超スムーズに情報を引き出せました。
それはいらん事から重要な事をぺらぺらと喋ってくれた。
まずこいつらはこの辺りを縄張りにしている山賊団らしく、人数はここに居る奴等を含め30人ほどで、こいつら山賊の頭目はベッンズという名の傭兵崩れで、かなりの修羅場をくぐる抜けた猛者らしく。
2メートル以上の大柄な男、武器は斧で盾なしの典型的なパワーファイターと戦闘スタイルまで教えてくれ、他にも同じ傭兵仲間だったヤツが3人いて、大剣、槍、弓をそれぞれ得意としてそいつらが幹部扱いで他がこのハゲ頭も含め近くの町で集められたゴロツキどもだと言う。
普段は、その幹部を含め十人ほどで荷を積んだ馬車などを狩りの様に捕まえたり、奪ったりとしているが最近、その仕事のやり過ぎで近隣の街から指名手はされて街の兵士が森の中をこいつら捜索する部隊が組んであっちこっち探しているとか。
このハゲたち優秀な精鋭でそいつらが近くに来ないか探っている所に俺が現れ、ちょうどいいので攫っちまうか!って乗りで襲ったと言う。
――バカだろう。・・・このハゲどもは偵察中にも関わらず、騒動を起こした上に捕縛され情報をべらべらと。・・・しかも、自分たちが使い捨ての駒みたいな扱いを受けている事に気付いていないとか、呆れを通り越して哀れだ。
でも、こいつがバカなお陰でここまで色々な情報を得る事が出来た。
更にうれしい事に、この道をまっすぐ進めば普通に歩いて一日ぐらい掛かるが、こいつらを指名手配したここいらではそこそこ大きな街があると言う。
ここからが、いらん事・・・もとい、やっかいな情報でこいつらのアジトに数名の攫ってきた人たちがいるそうで、そのほとんどが女性か子供。
こいつらの頭目が傭兵時代から裏の商人たちと付き合いがあるとかで子供は奴隷として売られ、女性も奴隷として売られるがその前に大半がこいつらの慰み者にされる。
その事を笑いながら言うもので、危うくこのゴミの野郎の頭を《スターリィ・イーグル》でぶち抜く所に更なる爆弾を投下したので撃つのをやめた。
なんでも、近くの街の領主の娘を攫ったとか言いやがったのだ。
このゴミの話では、この領主の娘はいつもはこの国の王都に住んでいて、たまたま街に帰って来る途中の護衛が薄い時を狙えて攫ってこれたと自慢げに言う。
しかも、バカな事にその娘を餌にその領主に自分たちの指名手配を取りやめにさせ、更に山賊団の存在を認め犯罪行為をしても罪に問わない、などとバカすぎる要求した。
領主は娘の事を殊更可愛がっているからこの要求も呑むだろう。とこのゴミは思っているのだ。
とある程度、情報を手に入れたの所でさっきより強めの電撃を打ち込み、ゴミは気絶させて措いた。
「はぁ~どうしよ。」
これは困った。・・・アジトに攫われた人が居たり、領主の娘もそこで監禁しているとかそんな話を聞かなければ、俺はこのゴミ共を全員地面に埋めてそのまま真っ直ぐに街まで行ったのに。
話を聞いた後となっては、それもしづらい。
別に、その人達が可哀想だ!とか、山賊どもめゆるせん!とかの正義感からじゃなくて。その事をもし他の人・・・街の兵士にでも聞かれれば俺の演技力じゃあ、嘘を吐いても直ぐにバレるだろう。
かと言って、別に俺は正義の味方でも何でもないし、なろうとも思わない。なので悩みどころだ。
『どうしたのだ?』
さっきまで罠に人が掛かるか見張っていたアルが飛んで来て、再び俺の頭に着地し俺に問いかける。
「あれ?罠は?」
『それならお前の予想通りに3人来たが、3人とも罠に掛り気絶したのでなそれを伝えようと来たのだが。・・・お前の方もなんかあった様子だな。』
「ああ、実はな・・・」
アルにさっき聞いた話を話し、俺の困っている理由を伝えると。
『なんだ、そんな事か。さっさと救いに行けば良いではないか。』
「おい、簡単に言うけどなぁ・・・」
『簡単な事であろう。事実お前は、一言も無理だと入っていない。』
――確かにアルの言う通り、状況次第では俺なら簡単に救い出す事が出るかも知れない。でもな・・・
『はぁ~お前は我が儘なのだろ。ならば、正義がどうのこうの等どうでも良い事ではないか。・・・他の者がどう思うかなど些細な事だ、自身が納得出来る事をする。それで良いだろう』
「・・・・」
――俺の心情を的確に見抜きアドバイスまで寄越す俺の盟友は、いま改めて凄いヤツだと思うだから・・・良いセリフを言う時ぐらい俺の頭の上でだらけるのやめようぜ。
全くちゃんと締める処は締めて欲しものだが今回ばかりはアルが正しいな。
少し、街が近くにあって舞い上がり、初めての人間がこんなゴミ野郎で残念な気持ちでごっちゃになり過ぎていたようだ。
でもまぁ、アルの言葉ですっきりした。うん、よし。
「・・・じゃあ、サクッと盗賊を倒し救出しますか!」




