友達を紹介
「百合、宿題が判らん、教えてくれ」
「薫は判る? 北斎だけね、判ったわ、あたくしも休憩入れるし、お菓子と一緒にお茶淹れてきたら教えてあげるわ」
北斎が判ったと告げ、薫は夕飯の献立を冷蔵庫にある食材をメモってから考えていた。
スマホからアプリで、いい献立はないかな、と探そうとしていた。
百合から、名前を呼ばれ振り向く。
「薫、バレンタインって」
「あ、その、えっと」
「あ!!!違うわ、チョコ頂戴って話じゃないの! 勿論欲しいけれど!」
「……? どうしたの、百合」
「……――ええと、ね? バレンタインの女の子の気持ちを知りたいの……ほら、あたくし、男になったじゃない? 更にこの土地で、バレンタインって慣れなくて。だから、その、薫のお友達紹介してもらえないかしら……。きっと、薫の友達ならいいこだし、この世界のこと詳しいと思うのよ。だから、ね、お願い」
「う、ん? うん、いいよ、判った。一人だけでいいかな? でもどうして、私の友達なのかな。百合の周りにも女の人いるよね?」
「ああと、……面倒、なのよね、どうしてバレンタイン知りたいのか何度も聞かれるのも疲れるし、そこに大人の色恋沙汰が関わってきて、溶けたバターよりどろどろよ」
それはなんとも、ご愁傷様としか……溶けたバターよりどろどろってきつい印象。
「私の友達も百合のファンかもしれないよ?」
「でも大人特有の小賢しさはないでしょう。小賢しさ出てくる年齢かもだけど、薫が仲良くなるなら、……そういう面倒な真似しなさそうなのよね。薫鈍くて気付かないから」
「失礼だね。うん、まぁ……確かに面倒なことする子はいないけども」
「ならお願い!」
手をぱんっと両手合わせて頼み込んでくる百合を断り切れず、私は百合の都合が良い日に、先日私を宇宙人みたいだと笑っていた狩屋月美という友達を紹介することにした。
あの子なら、騒ぎすぎないと思ったし、良い意味で大人っぽくて興味ないことには首だししなさそうだったから。
月美に時間があるか、内密に会わせたい人がいることを告げると、月美はにやにやした。
「かおるんの人脈からして、イケメンと会わせたいとみた」
「うーん、そういうのはよく判らないけれど、絶対おおごとになるから、内密に一緒にきてね」
「いいわよ、その日暇だし。ただし! かおるんも、今度の放課後、皆で男子にチョコ作りするから残ること! 先生からは許可貰ってるから。皆で作ったほうが、楽しいからそうしよーってさっき決まったの、かおるんいたほうが楽しいからおいで!」
「うん、判った、何か用意するものある? ええと……あまり、まだ、詳しくなくて、皆で何かするのって」
「気にしなくていいよ、あ、材料費は皆で分けるから、そのお金かな? ふふっ、ほーんと、かおるんといると新鮮で楽しい」
月美に当日、百合と出会わせると、最初は驚きすぎて唖然としていたものの、大笑いしていた。
「どんだけイケメン人脈広いのよ、あんた! かおるん、素敵すぎ!! 百合様じゃないの!!」




