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第二十三話  追加スロット、妹との出会いは問題になりますか?

 サチは洞穴で大量の素材が手に入りルンルン気分で生産施設へ向かった。今回の目標は、錬金術師の引き上げであるため、洞穴で手に入れた秘薬草や痺れ草、呪怨草といった高位植物素材で攻撃アイテムを作りたいと思っていたのだ。しかし錬金術師のLVが低く製作可能表一覧には出てこなかった為に泣く泣くポーションやポーション+といったものを延々と作り始め、十分販売可能量まで製作完了した際に聞きなれてきた音が鳴り響いた。


 パンパカパーン♪


 《初期職業全てが一定LVを超えましたので職業スロットが一つ開放されました》

※職業スロットが開放されたことにより町のNPCから職業追加クエストを受けられるようになりました。


 なんですって?とすぐにステータスを見ると錬金術師が10LVを超えていた。なるほど・・初期職業が全部10LVを超えたら職業スロットが増えたんだ。それに職業追加クエストか~、他の人は4つ目はどんな職業選んだんだろうなぁと考えたが・・そこであれ?と疑問が浮上した。

 「私って・・・職業あのいやらしいPK迎撃後に取得してたよね・・・まあ称号効果もあったかもしれないけど・・」と未設定職業の【投擲具職人】・【投擲手】をみる。・・どうしようかな・・・と迷うこと一分。迷う位ならとらない!次回以降に手に入るものでビビッときた職業を選ぼうと決めて未設定のままステータス画面を閉じておいた。


 錬金術師が10を超えたことにより、秘薬草の使用したレシピが表示され、中にクエストの納品対象である精神スピリットポーションを見つけ、すぐに調合にかかる。過去の表記で分かるようにこのTCOの生産関連で序盤は自分で調合法を決めることはできない。オリジナル調合は生産職の職業LV30を超えて上級職業へ派生可能になった際に別途クエストで取得できるようになるのだ。職業LVの上限は50まであり、初期職業を50まで上げることも可能であるがそこまで初期職業を引っ張る人はいないだろうというのが掲示板情報の見解である。


 そしてクエストに必要な数が全て揃った為、称号を【幸運】から【姫の】へチェンジしてギルドへ報告へ行くと受付職員がいつもどおりの笑顔で「計算してまいりますのでしばらくお待ちください」と後方へ下がっていく。何故ここで称号を変更したかというと【姫の】称号に変えているとギルドポイントが少しだけ(約一割程度)多く取得できた為である。


 待つこと5分ほど・・受付職員が戻ってくると

 「冒険者サチ様今回も上質なアイテムを納品して頂きありがとうございました。今回も報酬の上乗せとギルドポイントのボーナスが追加されましたのでご確認をお願いします。」といわれサチは報酬の確認を済ませる。復帰後いつもの事だが各種クエスト報酬が基本の3倍~4倍の報酬額になっていることを確認して受け取り、ギルドポイントの確認も済ませておく。



 その後職員は「今回の働きによりサチ様のギルドランクがシルバーへ上昇いたしました。今後ギルド上層にある上級クエストボードのご利用が可能になります。報酬とギルドポイントの額が跳ね上がりますのでよろしければご利用ください。稀にギルドからの指名依頼が発生しますので可能であればご協力お願いします。もちろん引き続き1Fロビーの初級クエストボードのご利用をいただきましても問題ありません。」と説明をうけて会話が途切れたのを見計らい、どんなクエストがあるのか確認する為上層へあがっていく所をギルド内にいた多数のプレイヤーに見られていた・・・がそれにサチは気づかなかった。


 上層のクエストボードエリアに来たサチは他に誰もいないことに気づく。

「あれ・・?他にプレイヤーいないのね。もしかして私が一番乗りだったりするのかな?・・まいいか。

クエストクエスト・・っと・・。・・ぇ!?」

 驚くサチの前には目を疑うようなすごいクエストがずらりと流れていた。


 『レッドドラゴン討伐。報酬300万R』や『伝説素材アダマンチウムの調達250万R』など対象にしても報酬にしてもばかげているのだった。


 「こんなの無理に決まってるじゃない・・・・なんでこんなクエストがシルバー昇格で斡旋されるのよ・・・」

と嘆くサチは正常なはずだ。その後もサチはクエストの内容を確認していくと一つ目にとまるものがあった。


 『魔石の調達:種類は問わないが上級魔石であれば報酬額増大。最安報酬額20万R~』


 「このクエストしかできないね・・私的にはナイスタイミングとしかいえないけど。とりあえずこのクエスト受けてみようかな」とさちはクエストを剥がすと階下の職員へ提出し受注した。


 「こちらのクエストは依頼主に直接お渡しください。依頼主の場所は・・・・」

詳しい説明を受けサチは現在アニエスの町北部の上流貴族のエリアに来ていた。エリアに入る前には大きな門がありその前には衛兵が立っている。


 「む・・そこの娘よ!とまれ!この先は上流貴族エリアである。許可のないものは通すわけには行かん!」と衛兵に止められたのでギルド依頼書と納品する魔石を見せると衛兵は近くの詰所に入り内容確認をしているようだ。しばらくして衛兵が出てくると、

 「またせたようだな。依頼内容は本当のようだ。確認許可が出たので通ってよし!」とサチに敬礼をして門の脇に戻っていった。門を抜け依頼主の屋敷へ到着したサチは、応接間で待つように言われまたしても待つこと数分・・。ようやく依頼主と思われる貴族が現れ、顔を合わせるなり

 「ご苦労だった。早速だがどんな魔石を持ってきたのか見せてもらおうか・・」と言い出した。

サチは穴倉蛇の心臓魔石を1つ取り出すと貴族に渡す。魔石を受け取った貴族は確認し頷くと、

 「うむ。確かに魔石であるな。しかし質はいいものではないので報酬は40万となるが良いな?」

サチとしては最低額の20万だったとしても収支が+だったので2倍の金額を提示され驚くがすぐに了承する。貴族が指をパチンとならすとメイドが現れサチの前に報酬と完了印を押された依頼書を渡されたので受け取ると貴族の屋敷を後にし、ギルドへ完了印を提出しギルドポイントを受け取った。


 「まさかあの魔石があんなに高く売れるなんて・・・洞穴のボスの蛇ならもう少し装備強化すれば一人で倒せそうだし魔石集めでもしようかな」とこれもサチの復帰後からつけ始めた《やりたいことリスト》に追加されたのだった。



 しばらく後サチの姿は露店街にあった。他のプレイヤーの作った装備や性能を見ることで、自分のチート称号で作った装備の比較をする為だ。サチの作った装備は基本性能が高すぎる為、わざと品質を抑えて作ったりしないといけないので情報収集は大事なのだ。確かに過去に広場で能力の自重はしないと宣言したのだが、わざわざゲームバランスを崩してまで壊れ性能装備を出す必要はないと感じたからだ。

 もちろんそれは他人様用であって自分や親しい人(現在で言えば美希か勇人に当たる)に頼まれた場合は自重する気はない・・。

 そういった理由でサチは2日に一回は露店街を回ろうと決めていて今回がそれに当たる。


 露店街を回っていると、獣人国では見ないような風体のプレイヤーが数人露店を開いているようだ。

妖魔族や龍人族、人族やエルフもチラホラと見かける。そしてそういう他国のプレイヤーの露店には、

サチがまだ見たことの無い素材で作られた武具やアイテムが並んでいるのだ。サチとしては各国プレイヤーの販売する限定素材を鑑定していき すぐに自分で扱えそうなものを購入していった。ちなみに素材アイテムは鑑定すれば原産地(フィールド名やダンジョン名)がアイテム図鑑に登録されるので便利だ。


 「他国のプレイヤーかぁ。他の国が旅ができてうらやましいなぁ・・・」とつぶやく。

そしてそれをたまたま近くで聞いていた狸の獣人がサチに声をかけてきた。


 「びじ・・・こほん。サチさんですよね。はじめまして僕はマックス。サチさんのつぶやく声が聞こえたのでつい声をかけてしまいました。先ほどの呟きを聞く限りではサチさんはまだ出国クエストを受注されてないのですか?」


 「え?えぇ。私も旅には興味あるんですけどね条件が分からなくて・・。」とサチ。それを聞いたマックスはすでに終わらせたのであろうか饒舌にクエストの受注条件について話し始めた。


 「出国クエストはいずれかの職業LVが20以上、ギルドランクはブロンズ以上あれば受けることができますよ・・失礼ですがサチさんのギルドランクは・・?え?し・・シルバーですか!?上位陣にもまだアイアン~ブロンズしかいないのに・・・」


 なるほどもう少しLVをあげればクエストが受けれるんだと嬉しくなったサチはマックスに笑顔でお礼をいい離れた。ちなみにマックスはサチの笑顔でフリーズしていてサチと離れた事に気づかない・・・テンプレ


 その後も露店を回っているとなにやら女性プレイヤーが多数集まる一角を見つけ・・サチも女ですし、こういうこと集まりには興味あるので見に行くとそこには色とりどりのドレス装備やローブ装備、果ては帽子や靴までオシャレな見た目で性能もピンキリの様々なものが並んでいた。


 サチは商品を見るうちに作り手に興味を持ったので店主のほうを見てみると魔法使い風のエルフ女性がサチのほうを見ていた。店主女性はサチの顔をしっかり確認するとスッと立ち上がりあっという間に距離をつめてサチの女性らしい胸部めがけて抱きついてきたのだ。


 「ひゃぁぁ~」と可愛らしいあえぎ声を出してしまうサチ。そのままサチの胸にグリグリと顔をこすり付ける店主。驚きから覚めて恥ずかしくなったサチは急いで店主を引き離し叱ろうとしたがその顔を見てまた驚いたのだった。そこにある顔はリアルで大事な家族・・美希だったのだから・・・。

名前 サチ(♀) 

 種族 獣人種猫又族

 職業 格闘家LV17・鍛冶師LV18・錬金術師LV12・〈空き〉


控え職業:投擲具職人・投擲手 


称号 〈熟練の〉・★〈絶対的幸運の〉・〈無望な〉・〈姫の〉 

 〈森の守護者の〉

 スキル 格闘家 ;〈ラッシュ〉・〈ダッシュ〉・〈コンボ〉・〈ロック〉

     鍛冶師 ;〈鑑定〉・〈鍛冶〉・〈採掘〉・〈固定レシピ化〉

〈看破〉 

     錬金術師;〈鑑定〉・〈錬金〉・〈採取〉・〈分離〉New

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